庶民の味方、軽自動車業界の動きが活発になってきた。本企画では、自動車業界の最近のニュースを、大きいものからマニアックなものまで、7夜に渡って取り上げた。今夜は番外編。スズキ 新型アルトの販売不振に浮かぶ一つの可能性。もう軽はスーパーハイトじゃないと売れないのか?
ほか、軽自動車の納期が車種によっては実は短い傾向、ムーヴシリーズの販売首位の可能性について考察します!
※本稿は2022年7月のものです
文/渡辺陽一郎、遠藤 徹、写真/SUZUKI、DAIHATSU
初出:『ベストカー』2022年8月26日号
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■アルト販売は今ひとつ? 軽はスーパーハイトじゃないと売れないのか?
昨年(2021年)12月にフルモデルチェンジしたばかりのアルトだが、6月の販売台数は4877台で順位は8位。売れゆきの伸びは今ひとつ? 軽自動車はハイトワゴンじゃないともう売れないのか?
* * *
実用重視のアルトは、車検期間の満了など、損得勘定で有利な時期に購入される。フルモデルチェンジを行っても、売れゆきは急増しない。
したがって今は販売が低調に思えるが、末長く売れゆきを落とさずに売れる。
ただ最近は、全高が1700mmを超える車種が軽乗用車販売の50%以上を占める。
価格は高いが、月々の返済額を減らせる残価設定ローンが普及して、購入しやすくなったからだ。そうなると安価なアルトはいっそう不利になる。
そしてダイハツは、法人が使う軽商用車の販売が好調だ。
低価格の軽乗用車も法人需要が多く、2022年1~6月の販売台数では、ミラの売れゆきが設計の新しいアルトを上まわった。
つまりスズキは一般ユーザー向けの車種が得意だからアルトは低調だ。
(TEXT/渡辺陽一郎)
■新車納期の遅延問題、ジムニー以外の軽は?
軽自動車の納期は、ジムニーや日産&三菱自動車のEVを除くと登録車に比べると短い傾向がある。
これは、半導体部品を使う部分が少ないためと思われる。乗用車で平均すると2~3カ月程度で納まるケースがほとんどと考えてよい。
N-BOX、スペーシア、タントなど量販モデルで見込み生産をしている車種は1カ月以内のケースもある。ハイブリッド系は多少長めのモデルが多い。
(TEXT/遠藤 徹)
■キャンバス一新でムーヴシリーズは販売首位なるか?
新型ムーヴキャンバスの販売目標は1カ月に6500台だ。
コロナ禍前の2019年は、ムーヴ全体の1カ月平均が約1万台で、その内の65%をムーヴキャンバスが占めた。したがって新型の目標が6500台なら妥当だ。
そうなると今後もムーヴ全体の1カ月平均は1万台だが、2019年のN-BOXは2万台を超えていた。スペーシアも約1万4000台に達している。そこを考えると1位と2位は難しいが、3位に入る可能性は高い。
(TEXT/渡辺陽一郎)
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