YouTubeは、今月はじめに一部ユーザーで実施していた、4K動画を有料のPremiumプラン加入者のみに指定するテストを終了し、従来どおり無料で視聴可能とした。YouTubeはこのテストは「Premiumおよび非Premium視聴者の機能設定」を調査することだったとTwitterで述べ、今回の変更についての意見をユーザーに求めていた。
ただ、この試みはユーザーに波紋を投げかけることになった。あるユーザーは、高解像度の動画へのアクセスで金銭を求めるのは、プラットフォームの没落を意味するものだと述べ、あるユーザーは、4Kコンテンツをストリーミングする際にかかるデータ量とそのコスト負担を考えれば理解できなくもないと反対の意見を述べていた。
YouTubeは、今回は4K画質の動画を他の低い解像度と同様の扱いに戻したが、今後も一定以上の高画質動画をPremiumプラン加入者に制限しないという保証はない。
YouTubeは以前、長尺動画の再生前に最大で11もの広告を強制的にユーザーに視聴させるテストを一部で行った。これも無料ユーザーを有料にするための方法を探るためのものだったとされているが、あまりに不評だったため、数日で取りやめになった。とはいえ通常の動画でも、以前より動画に頻繁に広告が挿入されるようになったと感じているユーザーは多そうだ。
YouTubeは、テストから得られた情報を公表していないので、これらのテストがどのように今後のサービスに用いられるのかはわからない。
ただ、GoogleのCEOスンダー・ピチャイ氏は今年7月、従業員に「年内は採用ペースを遅くする」と伝え「いまより経済的状況が良かったときよりも強固な起業家精神と切迫感を持ち、より集中し、より熱心に」業務に取り組む必要があると発破をかけ、そして最近の業績報告において、特にYouTubeの成長に陰りが見えているとしていた。
今回は4K解像度の動画を有料化する格好でテストが行われたが、今後も追加料金なしで高解像度動画が見られる保証はなく、また別の要素がPremiumプラン限定に変更されるといったことが行われる可能性もありそうだ。
- Source:YouTube(Twitter)
- Source:The Verge