日野自動車子会社のNEXT Logistics Japan(NLJ)が、アイシン、豊田自動織機とともに、荷役の自動化技術の開発を行なうと発表した。
NLJは昨年、豊田自動織機とともに自動運転フォークリフトの実証実験を行なっているが、今回は自動運転フォークリフトに加えて、アイシンの自立走行搬送ロボットの実証実験も行なう。
実証実験は12月初旬に始まる予定だ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/NLJ、トラックマガジン「フルロード」編集部
荷役の自動化で「モノが運べなくなる」の社会問題解決へ
NLJは2022年11月16日、経済産業省が主催する令和4年度 「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(物流MaaSの実現に向けた研究開発、実証事業)」実施団体に選出されたことを発表した。
同事業では、アイシン、豊田自動織機と協働し、将来の自動クロスドック(結節点)運用に向けた自動荷役技術の開発や課題の抽出を行なう。
NLJは、物流業界が抱える少子高齢化や2024年問題に起因する「モノが運べなくなる」という社会課題に対し、20社のパートナー企業とともに各社の専門的な知見、技術を活用した高効率輸送スキームの構築を進めている。
このスキームでは、業種業態を超えた様々な荷主から持ち込まれた荷物を、効率よく幹線輸送できるように積み替え拠点(クロスドック)にて荷降ろし、荷積みを行なっており、今回の実証は、この作業の自動化(自動荷役)により省人化の実現を目指すもの。
同社は昨年、豊田自動織機の協力のもと、自動運転フォークリフトを使用した実証を行なっており、一定条件下で有人より精度の高い作業を実現している。
いっぽう今年度は、NLJの荷役オペレーションを想定し、自動運転フォークリフトに加え、新たにアイシンの協力のもと、自律走行搬送ロボットを使用した実証を12月初旬より行なう。
各社の役割は以下の通り。
●NLJ
実証の要件定義/実証場所、機器(車両等)の提供/自動運転フォークリフトと自律走行搬送ロボットの機器間連携/実証効果測定、取りまとめ
●アイシン
実証レイアウト検討(荷捌き場)/自律走行搬送ロボット本体、運行管理システムの提供
●豊田自動織機
実証レイアウト検討(荷降ろし/荷積みエリア)/フォークリフトの自動走行に関わる環境構築/トラック荷役対応自動運転フォークリフトの提供
なお、NLJはドライバー不足および積載率の低下等、課題に直面する物流業界の顧客ニーズに応えるため、新しい物流の形を提案する新会社として、2018年6月に日野自動車によって設立された。
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