2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。
テレビ朝日の番組『しあわせのたね。』では、さまざまな課題に取り組み、くらしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を実践する人たちを紹介している。
今回取り上げるのは、日本初の“ジェンダーレス水着”を開発した佐野玲子さん。
今年、水泳用品などを扱う会社「フットマーク」が「男女共用セパレーツ水着」を販売し、大きな話題となった。
その開発を務めたのが佐野さんだ。
上下で別れた水着の特徴は、体のラインを強調しすぎないデザインと泳ぎやすさ。
簡単にはファスナーが下りないようロック機能を付けたり、撥水加工のパンツを採用して水中でも水着が重くならず、泳ぎやすい作りに仕上げている。
◆水着を着るのが苦痛な生徒たちのため…
佐野さんの会社では、2〜3年前から「トランスジェンダーの生徒が着用できる水着がないか?」という問い合わせが届いており、社内でも専用の水着の発売が検討されていた。
どんな水着を着たらよいかわからない、水着を着るのが苦痛で声も上げられない――そんな生徒たちに楽しくプール授業に参加してほしいという思いから、2021年8月に開発に着手。ようやく発売にこぎつけた。
「今まで(スクール水着)は男女分かれた形の中から選ばなければならなかったため、それに悩む生徒が毎年必ずいました。そういった声に学校の先生も真摯に向き合って、選択肢のひとつとしてこういった水着が受け入れてもらえたのだと思います」(佐野さん)
今年度、ジェンダーレス水着を採用した学校は3校だったが、来年度には100校が導入を予定している。
着たい水着を選んでプール授業を楽しく受けてほしいと願う佐野さんが未来に叶えたい夢は?
「学校では外国人の子どもも増えてきています。日本のスクール水着に抵抗がある子どもは日本人も外国の方も関係なくいると思うので、今後そういった子どもたちにも向けた水着をどんどん増やしていけたらいいなと思っています」(佐野さん)
なお、次回10月22日(土)放送の『しあわせのたね。』では、雨水を溜めて日々の暮らしに有効活用する取り組みを特集する。