ベース仕様となるRZが10月にも登場するといわれるトヨタのGRカローラ。ただでさえ速いGRヤリスの心臓部と4WDシステムをそっくり移植し、しかも32psもパワーを高めた怪物5ドアハッチとして注目だが、9月14日に北米トヨタが現地でのグレード展開と価格を発表した。その発表によると、北米でのベースモデルの価格は3万5900ドル(約502万円)。しかもあちらでは「サーキットエディション」と呼ばれる第3のグレードが存在することも判明した。早速、その詳細をお伝えしよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/TOYOTA North America
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「モリゾウ」の雰囲気がより日常的に楽しめるサーキットエディション
まずは日本におけるGRカローラについて整理しておこう。現在発表されているグレード展開は、カタログモデルとなるRZと、より走行性能を高めた「モリゾウエディション」という2つ。どちらもGRヤリスが搭載する1.6リッター3気筒ターボを搭載するが、車重増に対応するためパフォーマンスが高められ、RZで304ps/370Nm、モリゾウエディションでは304ps/400Nmというスペックを実現する。発売はRZが10月上旬、モリゾウエディションは12月前後の予定だが、RZ発売と同時期にモリゾウエディションの予約も始まり、抽選によって当選者を決めるようだ。
いっぽう北米ではどうか。9月14日に発表された情報によれば、ベースモデルの名称がRZではなく「コア」を名乗っており、さらにコアとモリゾウエディションの中間に、「サーキットエディション」と呼ばれるグレードが設定されている。
この「サーキットエディション」は「2023年だけの限定生産モデル」とうたわれており、中身は両グレードの中間的な色合いが強い。たとえばエンジンはコアモデルと同じ300hp/370Nmで、リアシートも備えた5人乗りだが、デフ機構にはモリゾウエディションと同じトルセンを採用し、カーボンルーフやボンネットベンチレーション、ステアリング&前席シートヒーター、GRロゴの入ったブレーキキャリパーもモリゾウエディションに準じている。
さらにコアではオプションとなるプレミアムオーディオシステムを備えている点も特徴で、8インチのタッチスクリーン式ナビゲーションや8チャンネル800W アンプを含むJBL製8スピーカーが標準装備となる。「モリゾウエディションのスパルタンな雰囲気を、より日常的に楽しみたい」というユーザーをターゲットとしたグレートといえそうだ。ちなみに0-60mph加速はコアとサーキットエディションが4.99秒、モリゾウエディションが4.92秒と発表されている。
ベースモデルは500万円、モリゾウエディションは700万円
北米では発売時期や価格も発表された。まず発売時期だが、ベースモデルのコアが今年秋、サーキットエディションが2023年春、そしてモリゾウエディションが2023年冬と発表されている。ベースモデルこそ日本と同タイミングだが、本格的なモデルの投入は来年へと持ち越されるようだ。モリゾウエディションに至っては日本よりほぼ1年遅れの投入だから、日本のユーザーは幸せをかみしめるべきかもしれない。
気になる価格だが、以下のようになる(※1ドル140円で計算)。
・コア:3万5900ドル(約502万円)
・サーキットエディション:4万2900ドル(約600万円)
・モリゾウエディション:(約699万円)
おおむね日本での事前予想に沿った値付けといえる。参考までに各グレードに用意されるオプション価格もあげておこう。
●コア向け
・パフォーマンスパッケージ(前後トルセンデフとGRロゴ入りブレーキシステム(前4ピストン14インチディスク/後2ピストン11.7インチディスク):1180ドル(約16万5200円)
・テクノロジーパッケージ(8インチタッチスクリーンカーナビゲーション&JBL製プレミアムオーディオ):770ドル(10万780円)
・コールドウェザーパッケージ(ステアリングヒーター&フロントシートヒーター):500ドル(約7万円)
・有償色(スーパーソニックレッド):425ドル(約5万9500円)
●サーキットエディション向け
・有償色(スーパーソニックレッド/ヘビーメタル):425ドル(約5万9500円)
●モリゾウエディション向け
・有償色(マット仕上げスモーク):1645ドル(約23万円)
・有償色(ウインドチル・パール):425ドル(約5万9500円)
「サーキットエディション」の日本での扱いが気になるが、モリゾウエディションの抽選が激戦となり、それに洩れた潜在ユーザーが大勢いるなら投入される可能性は高いとみていいだろう。もともとGRカローラについては「限定モデルを毎年投入する」という噂も流れており、新たなモデルが投入されることも予想される。
ともかく、ベースモデルRZの発売はもうすぐそこ。速さを楽しめる内燃機関車が年々数を減らしていく中で、その暴れっぷりに注目したい。
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