1997年12月に登場した初代プリウス。大ヒットした3代目は2009年の12月に登場(翌年1月発売)、現行型の4代目も2015年12月に発表されるなど、プリウスの変革期は12月にやってくる。
既に現行型はオーダーストップし、新型の5代目プリウスが登場するまでのカウントダウンが始まった。トヨタハイブリッドの元祖であるプリウスの、新型に関する最新情報をお伝えしていく。
文/ジョー城ケ崎、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
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■11月30日生産終了は厳守? スケジュールの最終的な詰めがスタート
2021年6月に一部改良と特別仕様車を登場させたが、最終改良も実らず、勢いづかなかった印象を受けるのが現行型(4代目)プリウスだ。
当時の納期が半年前後と言われており、2022年末に控えた新型発表へ準備するため、6月初め頃までに、多くの販売店では新規注文受付を終えていた。最終注文分の現行型プリウスは、2022年11月30日まで生産される予定になっている。
しかし、コロナの影響等で、プリウスを製造する堤工場第1ラインでは、8月に数日間の稼働停止を余儀なくされた。9月の稼働停止予定は今のところないが、不測の事態は今後も発生する可能性がある。
新型の発表は2022年12月末ごろ、発売は2023年1月で現在最終調整中。クラウン、シエンタと順調にフルモデルチェンジを終え、2022年に残す新型モデルはプリウスだけとなった。
社会情勢はまだまだ厳しいものの、遅れ・遅延という言葉にユーザーが敏感になっているのも事実。まずは現行型が予定通りに最終生産を終えられるのかが、スムーズな新型の発表・発売に向けた大きなカギとなりそうだ。
ノア/ヴォク、クラウン、シエンタとつながったバトンは、スムーズにプリウスへとつながるのか、生産動向を注視していきたい。
■こだわりは健在! 信頼のパワートレインでプリウスらしさをより強調
初の量産型ハイブリッドとなった初代、初のTNGA採用車の4代目と、プリウスには目新しい技術や装備が目立つ。しかし、「初の〇〇」が導入されたプリウスは、あまり売れ行きが良くない。
対して、爆売れした3代目では、先代のTHS-IIをブラッシュアップ。
エンジン排気量を1.5Lから1.8Lへ増やしたものの、ハイブリッドバッテリーにはリチウムイオンではなくニッケル水素を採用している。「進化」よりも「深化」を感じられ、最先端を走るイメージに安定感が加わった、これが大ヒットにつながったと思う。
新型となる5代目も、3代目に近い「深化」を意識したプリウスに仕上がるようだ。
ボディ全高を下げて、より強いクーペスタイルを形成。ボディ形状がより流麗な形になり、Cd値は、現行型よりもさらに下がることが予想できる。この変化は、燃費性能の改善に加えて、運動性能の向上にも寄与するだろう。
パワートレインにはノア・ヴォクシーに搭載されているハイブリッドシステムを搭載するようだ。第5世代と言われるこのハイブリッドシステムは、高効率化やモーターのパワーアップを実現しながら、リチウムイオン電池の小型化に成功するなど、完成度が高く、評判も良い。
1.5Lや2.0Lエンジンの新技術「ダイナミックフォースエンジン」は使わずに、プリウスの代名詞とも言える1.8LエンジンとTHS-IIに磨きをかけて勝負する。ハイブリッドが乱立する中、老舗のプリウスならではの味が、存分に感じられる仕様となるはずだ。
■ヒットの前に立ちはだかるのは「納期」
新型プリウスが、良いクルマに仕上がってくるのは間違いない。しかし、気になるのはその納期である。
直近に発売された新型モデルのクラウン、シエンタを見てもわかるが、初期受注分から1年程度の待ち時間が発生することは避けられないと思う。さらに、納期を左右しそうなのがサブスクリプションサービスKINTOの存在だ。5代目プリウスでは、KINTOを使った販売に、力を入れてきそうな気配が強い。
KINTO限定で、パノラミックビューモニターやブラインドスポットモニターの後付け(通常はメーカーオプションのため後付け不可)に対応するという話が出てきた。トヨタとしてはKINTOを早く浸透させたいのだろう。その起爆剤としてプリウスに期待しているようだ。
もちろん、KINTOではない通常販売も準備している。しかし、KINTOで注文すると大幅に納車が早いというメリットが生まれる可能性が高い。グレードや仕様の他に、買い方でも納期差が生まれる時代は既に来ており、納期にどれほどの差が出るのか、注目したいところだ。
21世紀には間に合った初代プリウス。果たして5代目プリウスは2022年の終焉に間に合うのだろうか。予定通りに事が運び、新型プリウスの姿を目に焼き付けて、年越しをしたいものだ。
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