11月13日に宮城県・スポーツランドSUGOで開催されたTOYOTA GAZOO RACING Yaris Cup 2022東日本シリーズ第8戦にプロフィギュアスケーターの無良崇人が出場。昨年11月に富士スピードウェイで開催されたTGR 86/BRZレース以来、およそ1年ぶりのレース参戦となった。予選はB組14番手、全45台が出走した決勝は28番グリッドからスタートし、28位で完走を果たした。
昨年は10月スポーツランドSUGOでTGRヤリスカップにデビュー、11月には富士スピードウェイでTGR 86/BRZレースに出場した無良。今年はレース参戦がないままシーズン終了かと思われた矢先、TGRヤリスカップ東日本最終戦の出場が決定した。昨年同様、茨城ワクドキクラブからの参戦。19年に86/BRZレースでデビューしたときからの気心の知れたチームだ。
今回は予選・決勝を13日(日)の1日で行うワンデーレースでの開催。秋晴れに恵まれた11日(金)、12日(土)には午前、午後に各2セッションの走行枠が設けられ、およそ1年ぶりのヤリス、1年ぶりのスポーツランドSUGOの感触を確かめた。7月末にはもてぎの12時間耐久レースにエントリーしていたが無良がステアリングを握る前に参加チームのマシンがトラブルでストップ、出走機会は訪れなかった。10月初旬に富士スピードウェイで行われた艦隊これくしょん(艦これ)のイベントでは“無良提督”として86でのデモランを行ったが、本格的なサーキット走行はその10月以来となった。
雨予報だった日曜日もなんとか曇り空でとどまり、迎えた予選は1分51秒079でB組23台中14番手。全45台が出走する決勝は、SUGO特有のやや坂道発進となる28番手グリッドからのスタートとなった。
レースは無良よりも後方から加速していく車両と大激戦の中団グループを形成しながら、1-2コーナーを大きな事故もなく無事に通過。SUGO特有の道幅の狭いコースで他車との接触を避けながら、抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げた。そして10周のレースはあっという間にフィニッシュ。スタートポジションと同じ28位でチェッカーを受けた。
「去年と乗った感覚がだいぶ違っていて、金曜、土曜のセッションではなかなか(好みのセッティングに)合わせ切れなかった。予選はどうしてもタイムに固執してしまうので、思うようなタイムが出せなかったのは残念」と悔しがりながらも、「去年より後ろの方だったけれど、単純にレースという意味では今回の方が走っていて面白かった。やっぱりレースは最高」と無良。実戦でなければ味わうことのできないレース中のバトルを楽しんだようだ。
また、その一方で「去年よりもまわりのみんなが確実に速くなっていて、中団グループのタイムも上がっている」と1年間シリーズ戦を戦ってきたライバル勢に対し、シーズン終盤のスポット参戦でいきなり好成績が望めるほど甘くないレースだということも実感した。
そして気になる今後のレース活動について尋ねると、「また機会があれば86でも走りたい」と話した。来シーズンもまた、きっとレーシングドライバー無良崇人にどこかのサーキットで会うことができそうだ。
本業のプロフィギュアスケーターとして活動は、12月に大阪府門真市で開催される『第91回全日本フィギュアスケート選手権大会』には解説者とコーチとして、年明け23年には宇野昌磨、鍵山優真、坂本花織ら22年北京冬季オリンピックのメダリストとともにスケーター兼解説者として『名古屋スケートフェスティバル』(1月4日開催)への出演を皮切りに、いくつかのアイスショーを予定している。
◆無良崇人(むら たかひと)
1991年2月11日、千葉県生まれ。2014年フィギュアスケート四大陸選手権優勝。全日本フィギュアスケート選手権大会には05年~17年まで13年連続出場(3位5回)。日本代表として世界選手権に3回出場。ISU GPシリーズ、12年エリック・ボンパール杯優勝。14年スケートカナダ優勝。18年3月に現役引退を発表。現在はプロフィギュアスケーターとしてアイスショーに出演。解説者、指導者としても活躍中。18年に開催された「艦これ 鎮守府“氷”祭りin幕張特設泊地-氷上の観艦式-」出演以降、多くの「艦これ」イベントに“無良提督”として登場、人気を博している。