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Image:Macquarie University

豪マッコーリー大学の研究者が、スイマーが腕に装着しておけば、万が一溺れそうになったときに監視員にその場所を素早く通知するウェアラブルデバイスを研究している。

現在は手首に装着するAPPTRAKKと呼ばれるプロトタイプを通じて心拍、血中酸素飽和度、運動パターン、位置と深度、その場にとどまっている時間なども記録可能になっている。

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プロトタイプであることもあり、APPTRAKKはまだ大きくかさばるのがタマにキズだが、その内部にはAIベースのOSを搭載しており、継続的なデータ処理が行われるようになっているという。

また、いざ装着者が溺れそうになったときは、デバイスからWi-Fi送信モジュールが飛び出して水面に浮かび、ライフガードが持つスマートフォンやタブレットアプリにアラートをプッシュするとともに、プール内の位置を表示できるようになっている。わざわざWi-Fiモジュールを射出するようなギミックを採用する理由は、電波には水で減衰してしまう性質があるから。もし溺れて水中に沈みかけてしまうと、まともに外部機器と通信することができなくなってしまう。

Iamge:Macquarie University

またAPPTRAKKは、年齢や装着者が持つ体力の違いによって、溺れたときの心拍数などでアラートを発すべきしきい値が変わるため、現状では指標となる値をあらかじめ手動設定し、しきい値以下ではむやみに警報を発しないようになっている。

Iamge:Macquarie University

いまはまだかさばるため実用的ではないが、将来的な製品化に向け小型化が実現すれば、たとえば小さな子どもが家の庭で水を張った小さなプールで水遊びをするときなどにも有効に使えるかもしれない。小さな子どもに水遊びをさせるときは親がしっかり注意を払っておくことが求められるが、万が一のケースを防止する意味で、このようなデバイスは有効に機能しそうだ。