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Image:Pico Technology

TikTokの親会社であるByteDance傘下の中国Pico Technologyは、オールインワン型VRヘッドセットの企業向けモデル「Pico 4 Enterprise」を発表した。一般向けモデルの「Pico 4」と基本的には同じハードウェアながらも、カメラが3つ追加され、視線や表情のトラッキングが可能となっている。

本製品はヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドで発売される予定とのことだ。11月1日から予約開始され、出荷開始は12月。ヨーロッパでの価格は900ユーロ(約13万2000円)で、ビジネス保証、ビジネスライセンス、優先的なサポートも価格に含まれている。

Image:Pico Technology

Pico 4との外見の違いは、フロントプレートが金色となったこと。また、3つの追加カメラの内訳は、左右の目に各1つ、顔の下部に1つである。RAMもより高速となり、Pico 4のLPDDR4 RAMに替えてLPDDR5 RAMが採用されている。

さらにPico 4と同様にレンズの微調整を電動で行えるが、アイトラッキングを追加したことで、スタンドアローン型ヘッドセットとして初めて、IPD(瞳孔間距離)を完全に自動調整できるようになった、と謳われている。

Pico 4 Enterpriseは、中国で一般販売されているPico 4 Proをベースにしており、もともと512GBだったストレージが256GBに変更されている。また個人ではなく企業のみに販売され、コンシューマー向けアプリストアにはアクセスできないとのことだ。

本製品で注目すべきは、「ハイエンドVRヘッドセットとしては低価格」という点だろう。先日Metaが発表した「Quest Pro」も同じくアイトラッキングと表情トラッキングに対応しているが、価格は1800ユーロであり、Pico 4 Enterpriseはその半額である。

記事執筆時点でPico 4 Enterpriseは、日本向けに販売の予定はない。また販売国でも一般ユーザーは入手する方法がなく、もし入手できてもPicoのコンシューマー向けストアが使えないのは残念なところだ。

もっとも、ハイエンド機としては低価格であれ、やはりコンシューマー製品としては高価すぎると判断されたのかもしれない。それを倍も上回るQuest Proの行く末を見守りたいところだ。