11月21日、東京都目黒区のウェスティンホテル東京で、2022年3月16日に亡くなったTEAM KUNIMITSU高橋国光総監督を偲ぶ『お別れ会』が開催され、非常に多くの関係者、ファンが“国さん”に別れを告げた。
“国さん”の愛称で多くのファンから愛された高橋国光さんは、日本のモータースポーツ草創期からライダーとして携わり、1959年の第3回浅間火山レースに出場した後、ホンダのワークスライダーに。1961年二輪ロードレース世界選手権西ドイツグランプリの250ccクラスで、日本人ライダーとして初めての世界選手権優勝を果たした。
1962年のマン島TTで負った瀕死の重傷から回復した後は、四輪レースに転向。ニッサンのワークスドライバーとしてR380シリーズやスカイラインGT-Rの活躍に貢献。1977年にはF1日本グランプリへのスポット参戦、1980年代にはチーム・タイサンとともにグループCで全日本選手権を3連覇、さらに1995年のホンダNSXでのル・マン24時間クラス優勝など、その勝利、栄光の数々は枚挙にいとまがない。
1999年の現役引退後は、自チームのTEAM KUNIMITSUの監督／総監督として、またGTアソシエイションの会長としてモータースポーツの振興に貢献。2018年、2020年にはTEAM KUNNIMITSUがスーパーGT GT500クラスのチャンピオン獲得を果たしている。
そんな高橋国光さんは、2021年を最後にサーキットから離れ闘病生活を送ったが、2022年3月16日に亡くなった。サーキットでは多くのシリーズで黙祷が捧げられたほか、世界中から哀悼の声が聞かれたが、11月21日、TEAM KUNIMITSUでは国さんを偲ぶ『お別れの会』を開催した。
会場となったウェスティンホテル東京の地下2階にあるギャラクシールームには、入口前に2018年に山本尚貴／ジェンソン・バトン組によってチャンピオンを獲得したRAYBRIG NSX-GTが展示され、モータースポーツを撮影するフォトグラファーの組織である日本レース写真家協会の協力による、高橋国光さんの歴史を収めた写真が展示された。また会場には献花台が設けられたが、高橋国光さんのヘルメットカラーであるホワイトにレッドのラインが入った模様で花が飾られた。
また、会場には高橋国光／土屋圭市組でJTC全日本ツーリングカー選手権を戦ったニッサン・スカイラインGT-R、高橋国光／土屋圭市／飯田章組で1995年ル・マン24時間クラス優勝を飾ったホンダNSX GT2が展示されたほか、各時代の国さんのレーシングスーツやヘルメット、写真、さらにトロフィーなどが展示された。また、国さんのプライベートをうかがわせるアルバムや、写真や絵にも興味があった高橋国光さん自筆の絵なども展示された。
この日は14時から関係者が、15時からは一般ファンが来場して“国さん”との別れを惜しんだが、ホンダ関係者はもちろんニッサン関係者、国さんとレースを戦ったレジェンドドライバーたち、現在チーム監督などを務める下の世代のドライバーたち、そして近年TEAM KUNIMITSUに所属した現役ドライバーたちもほぼ全員が顔を揃えた。さらにトヨタの関係者やタイヤメーカーやサーキット関係者、メディア、さらにはTEAM KUNIMITSUに所属した元レースクイーン等、幅広い面々が訪れ、献花台に花を供えた。
15時からの一般ファンの部でも、開場直後から非常に多くの来場者があり、長い列ができるほど。関係者からもファンからも大いに愛された、国さんらしいお別れの会となった。
