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来春生産終了が見えた! アルファード・ヴェルファイアのフルモデルチェンジはいつ?

 ミニバンの王者といえばトヨタ アルファードだ。今や一般ユーザーだけでなく各界のVIPも愛用するほどで、憧れのクルマといっても過言ではない。だが、本当に欠点はないのか? もちろん快適性など高級サルーンに勝るとも劣らない実力の持ち主であるが、もう少しこうだったら……なんてポイントがあってもおかしくはない。

 ちょっといじわるだが、現行モデルのネガ要素を紹介しつつ、新型アルファードのあるべき姿を考えよう!!

文:清水草一/写真:ベストカーWEB編集部

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モデル末期でもバカ売れ中のアルファード……本当に文句なしか!?

2017年のマイチェンでヴェルファイアを上回る人気に!! 改良前も迫力があったが、現行モデルはそれをも凌駕する仕上がりに

 無敵の快進撃を続けるアルファード。そのフロントフェイスはどこか『進撃の巨人』を思わせるが、まさに、すべてをなぎ倒しつつ進んでいる。なにしろ月販1万台に届く月もあるのだ。今年に入ってからは、平均して月販5千台強だが、それでもアクアやヤリスと肩を並べる数字。価格を考えると、信じられない売れ行きだ。

 そんなアルファードだが、来年5月に新型に切り替わるため、現行型はすでに受注を打ち切っている。買いたくても買えないので、中古車が新車より高値で売られている。

 そんな売り手市場のアルファードだが、カーマニア的には、足りない部分がたくさんある。その足りない部分を列挙し、次期型への期待をふくらませてみたい。

停止中ならまだしも……意外と快適性に欠点が!?

最上級グレードのロイヤルラウンジなど、見るからに快適である。だが、清水氏によれば「移動中の揺れなど気になる箇所も多々」あるという

 アルファードは、「自宅のリビングのようなリラックスした時間を楽しめて、クルマがこんなに快適な移動手段になるのかと感服させられる」と一部で評されているが、個人的には信じがたい。アルファードのどこがそんなに快適なのだろう。

 アルファードの快適さは、室内の広さや、シート&装備のゴージャスさに依拠している。つまり、停止した状態ならまぁまぁ快適だが(シート座面の面積がやや小さいのは残念)、動いていると全然ダメだ。乗り心地が全然ダメなのである。

 とにかくボディ剛性が足りず、路面の微妙な凹凸を乗り越えるたびにボディが歪むのを感じる。ボディの歪みは、ダイレクトに乗り心地を悪化させる。VIPが座るはずの2列目シートも不規則にゆすられ、突き上げられる。特に、車道と歩道の段差を乗り越えたりする場合は、「ミシッ」という音とともに、乗員の体は大きくゆさぶられる。

 重心の高さも問題だ。重心が高いから、コーナーで車体がロールする。当然のことだが、着座位置が高いミニバンの場合、ロールはその分増幅されて乗員に伝わる。これで快適なわけがない。

 つまり、アルファードで快適に移動するためには、ドライバーは細心の注意を払いながら、ごくゆっくり走る必要がある。飛ばしたら、快適性なんか吹っ飛んで、遊園地の乗り物のようになってしまう。実際には、多くのアルファードがかなり飛ばしていたりするが、乗員の皆様には同情するしかない。

 「アルファードが快適」と言っている人は、一度センチュリーやロールスロイス・ファントムに乗ってみるといい。簡単には乗れないでしょうが……。「これが本当のホンモノの快適性ってヤツか!」と瞠目するはずだ。アルファードが快適だ快適だと言ってるVIPは、本当の快適さを知らない人だ。まぁそんなゼイタク、あえて知る必要ないですが……。

 次期アルファードには、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)が導入される。それによってどこまで快適性がアップするだろう? ノア/ヴォクシーは、TNGA導入によるボディ剛性アップによって、先代よりもかなり快適になっていたが、それでも本当のホンモノの快適さとは程遠かった。

 アルファードも、今よりは改善されるだろうけれど、左右スライドドアという、ボディ剛性にとって極めて不利な構造を取る限り、根本的な解決は不可能かもしれない。健闘を祈るしかない。

デカいだけにパワー不足も……新型アルファードにランクルエンジンを切望

2トンを超える巨体なだけに3.5Lエンジンでも力不足を感じる場面が。可能なら新型アルファードにランクルと同じターボエンジンを載せたいところ

 これについては、登場以来ずっと指摘されている。メインの2.5リッターガソリンモデルはもちろんのこと、2.5ハイブリッドでも、3.5ガソリンでも満足はできない。

 ここで言う満足の基準は、「日本を代表する高級車として」という意味で、フツーに走るには何の問題もないけれど、高級車としてはまったく物足りない。

 アルファードの2.5Lガソリンは、182馬力/24.0kgm。約2トンという車両重量を考えると、単純に「おそっ!」となる。2.5ハイブリッドも、到底パワフルとは言い難い。

3.5Lガソリンの301馬力/36.8kgmで、ようやく「ギリギリ合格」くらい。日本を代表する高級車としては、これがトップグレードというのは残念すぎる。

 アルファードの車両重量を考えると、欲しいのはパワーよりトルクだが、できれば、ランクルに搭載されている3.5Lガソリンターボや3.3Lディーゼルターボが欲しい。これはさすがに到底積ませんね。となると有力候補は、クラウンクロスオーバーRSの「デュアルブーストハイブリッドシステム」か。2.4L直列4気筒ターボエンジンと駆動用モーター、6速ATの組み合わせで、システム最高出力349馬力を誇る。これくらいでちょうどいいのではないか。

実際の次期アルファードは、現行モデルの3.5リットルV型6気筒を廃止し、熱効率を向上させた2.5L直列4気筒ダイナミックフォースエンジン、新開発の2.4L直列4気筒ガソリンターボエンジン、2.5リットル直列4気筒ダイナミックフォースエンジン+モーター(ハイブリッド)の3本立てになるようだ。

2.5のガソリンとハイブリッドは、現行の改良型で、大きなパワーアップはない。2.4ターボは279馬力/430Nm(レクサスNX)なので、これでなんとか、という感じだが、王者としては、物足りなさが残るかもしれない。

ド迫力の現行モデルを凌駕できるのか!?  新型よもっとイカつくなれ!!

 これに関しては、現行型があまりにも素晴らしすぎたので、次期型はそれを超えられないのではないか? という懸念です。

 現行アルファードの進撃の巨人フェイスは、大胆かつ斬新かつ超ウルトラオラオラ感満点で、あらゆるユーザーの想像のはるか上を行き、アルファードを超絶大ヒットに導いた。新型はおそらくキープコンセプトになるのだろうが、あれを超えるインパクトは至難の業。ムリだと思ったほうがいい。

 だからこそ、新型アルファードは、乗り心地とパワーで、現行型の弱点を補ってもらいたいところである。以上!

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