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 2022年10月13日、レクサスはフラッグシップセダン「LS」の一部改良を実施すると発表した。発売は、10月下旬以降を予定している。

 現行の5代目は、斬新なクーペシルエットや高い静粛性と快適性を備え2017年に登場。2020年のビックマイナーチェンジでは、乗り心地を改善し、運転支援システムをアップデートした。

 はたして、今回の一部改良でどのように進化したのか紹介していきたい。

文/ベストカーWeb編集部、写真/LEXUS

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■車両性能のさらなる進化を追求

 今回の一部改良では、乗り心地のさらなる向上や最新のマルチメディアの採用、予防安全技術の機能拡充などが行われた。

 走りの面では、レクサス独自の乗り味である”Lexus Driving Signature”の深化を追求。リヤサスペンションメンバー取付部のブレース形状を変更し、剛性を高め、サスペンションをチューニングすることで、乗り心地および操縦安定性を向上させている。

 また、2021年に発売された特別限定車“HIDEKI MATSUYAMA EDITION”に設定され好評だった、切削光輝、ブラック塗装の20インチアルミホイールをオプション設定した。

一部改良で、最新のマルチメディアや進化した先進運転支援システムが搭載された「LS」

■最新マルチメディアの採用とインテリアレイアウトの変更で使い勝手向上!!

 機能面では、直感的な使いやすさを追求した最新のマルチメディアを搭載。ナビや音楽、車両設定などの各種メニューの操作性を向上。音声認識機能では、ディスプレイのマイクアイコン操作やあらかじめ設定された起動ワードを発話することで起動が可能になった。さらにクルマと会話するような自然な発話での操作にも対応している。

最新のマルチメディアが搭載され、タッチパッドやCD/DVDプレイヤーが廃止されたインパネ

 マルチメディアの刷新に伴い、タッチパッドやCD/DVDプレイヤーが廃止され、インストルメントパネル及びコンソール周辺の形状が変更された。具体的には、使用頻度の高いシートヒーター/シートベンチレーション/ステアリングヒータースイッチは、コンソール上に設定。加えてスマホホルダーやUSB Type-Cコネクターを増設するなど、使い勝手を向上させている。

 T-Connectアプリ「エージェント+」では、目的地を設定しなくても、これまでの走行履歴から経路を予想して事故・渋滞・天候・残燃料の案内を画面上にお知らせする先読み案内サービスが可能になった。そのほか、Apple CarPlayは、従来のUSB接続に加え、Wi-Fiによる無線接続に対応。さらに、アンプ、スピーカーを見直し、ハイレゾ音源再生にも対応した。

 スマートフォンアプリ「My LEXUS」では、乗車前に車内を快適な温度に調節できるリモートエアコンや、ワンタッチで始動ロック、解除ができ、予期せぬ第三者の運転を防ぐことができるマイカー始動ロックなど、便利な機能が利用可能になった。

■予防安全技術の機能拡充!! 価格は1078万円から

パノラミックビューモニター(コーナリングビュー)

 車両周辺の安全確認に役立つパノラミックビューモニターに、ボディやシートを透かして見たようなシースルービューや、サイドクリアランスビュー、コーナリングビューを採用。さらに、床下透過表示機能の設定により、車両直下およびタイヤ付近のアンダーフロア映像を表示して、駐車やすり抜けをサポートする。

 先進運転支援システム「レクサスチームメイト[アドバンスドドライブ]」搭載モデルについては、ドライバーにとってより自然で安心感のある運転支援にアップデート。具体的には、周辺車両の動きへの配慮として、他者の死角領域に自車が走行し続けないように減速する制御を搭載。これにより、他車の近くを自車が走行し続けることで感じる圧迫感の軽減を図る。

 さらに、車線変更支援できる場面を拡大することにより、使い勝手を向上。また、合流地点を低速走行する際や前方車両へ接近した場合、ドライバーに周囲の車両への注意を促すディスプレイ表示とブザーが追加された。

 価格は、3.5L、V6+モーターのLS500hが1226万~1796万円。旧価格から各グレード4万円増。3.5L、V6ツインターボのLS500は1078万~1585万円。旧価格からは各グレード7万円増となっている。

 やや価格は値上げとなってしまったが、車両性能のさらなる進化を追求して一段と完成度を高めた。さらに、運転支援技術も着実に進化を続け、より安全な運転、快適な移動ができるフラッグシップセダンになった。

 昨今、急激に進む円安と流通不安、原材料高騰が組み合わさって、自動車の製造原価は高騰しているはず。事実、高級輸入車を中心に今年に入ってから軒並み価格改定で値上げを実施している。このたび「ついにレクサスも値上げか!??」と身構えながら価格を調べてみたら、値上げ幅は4万円と7万円だった。

 以前トヨタ関係者に取材したところ、「微小な仕様変更とともに車両本体価格を大幅に値上げすることは、日本の商慣習に合わない(からトヨタはやらない)」と言っていた。たしかにごもっともなのだが、だ…大丈夫なのだろうか。大きなお世話だが、こういう高級車は多少値上げして、しっかり企業体力をつけて、下請け企業ともども日本経済をしっかり支えてほしい…と考えてしまうのだが(本当に大きなお世話だった)。

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投稿 レクサス最上級セダン「LS」改良!! 「ついに値上げが!!」と身構えたら約1800万円のグレードが4万円upだった…自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。