もっと詳しく

ミニクーパーSDカントリーマンALL4の日常走行テスト: 風や天候に左右されないまま、ビーチまでドライブして、ひと泳ぎして、翌日また戻ってくる。その点、ミニは最適だ。あとは、日常生活と夜眠るときにどう対応するかだ。

コロナの大流行で、私たち家族はキャンプに目覚めたのだった。そして、ルーフテント付きの「カントリーマン」は、「クルマと過ごす休日」の新たな一面を知るのにちょうどいいとも思われる。このミニの良さは、ルーフテントを使っても十分に普段使いができることだ。重さもほとんど気にならないし、走行時の制限もない。ただし、ルーフテントを装着した場合、最高速度は130km/hとなってしまうが。

コックピットには、ブリティッシュミニのセンスが息づいている。それは嬉しいことだ。もちろん内装は他のミニとなにも変わらない。

ルーフをセットアップした状態での全高は2.09メートルである。つまり、ほとんどの車庫は立入禁止の高さだがガレージにテントを張りたい人などいないはずだ。

実用性: ミニはルーフボックス付きの「カントリーマン」であり、キャンピングカーではないことは忘れてはならない。だがその代わりに、狭い都心でも、混雑したスーパーの駐車場でも、どこでも困ることは少ない。

ルーフテントの設営は5分

スーパーマーケットといえば、そこで食料を調達し、ガスコンロと下着の替えを詰め込む。それだけでいつもと違うミニとの週末を過ごすことができるのだ。早速、Googleマップで宿泊に適した場所を検索し、出発だ。

190馬力のターボディーゼルが力強い推進力を発揮する。

少し練習すれば、ルーフテントは5分以内にセットアップすることができる。安全ロックを開けると、内蔵されたガススプリングにより自動的にテントが展開され、ほぼ入居可能な状態になる。

大人2人と子供1人だと、ルーフテントの中でかなり居心地が悪くなるが、それもキャンプのロマンの一つだ。翌日はまた折りたたむだけで、すぐに乗用車として使える。

天候が悪いと窮屈になる

キャンピングカーでのキャンプと大きく異なるのは、整理整頓と、悪天候に弱いことだ。例えば、モーターホームなら衛生面の心配もなく、必要なら車内にトイレがある。

4輪駆動は、ゆるい地面でとても役に立つ。

また、ある晩、バルト海で風がかなり強いとき、ルーフテントの中で耐久性が大丈夫か疑問を感じたことがあった。またもちろん天気が悪いとより窮屈になることは言うまでもない。しかし、晴れているときはほとんど問題ないのだ。天気の良い週末のリラックスした冒険旅行には、ミニは良い選択だ。日常から抜け出して、何か違うことを体験するために。

この車をひとことで表現するなら:

①これで車を走らせたら、ご近所さんは何て言うだろう?
ルーフボックスの中にあるのはテントですか? え? ベッド? なんてカッコイイんだ!
②なぜ、この車を親友に薦めるのか?
ミニは、冒険と日常を完璧に融合している。

【評価&評点】
■通勤: ルーフテントがあっても(ほぼ)問題なし
評価: 5点満点中4点
■トランク: ちゃんと450リットルある
評価: 5点満点中4点
■休日: 2人での長期キャンプには少し窮屈
評価: 5点満点中3点
■趣味が「小旅行」であれば完璧
評価: 5点満点
■ファミリーライフ: カントリーマンは、日常の家族生活にうまく対応している
ポイント: 5点満点中4点

テクニカルデータ&価格: ミニ クーパーSDカントリーマンALL4
• 最高出力: 190PS
• 最大トルク: 400Nm
• 全長/全幅/全高: 4297/1822/1557mm
• トランク容量: 450~1390リットル
• 0-100 km/h加速: 7.6秒
• 最高速度: 224km/h
• 平均燃費: 18.5km/ℓ(ディーゼル)
• 価格: 40,850ユーロ(約570万円)より

【ABJのコメント】
今回のレポートは、「ミニ カントリーマン」のことをほめたり、レポートしているのではなく、屋根の上に設置されたキャンパー装備部分をほめたりけなしたり紹介するべきではないかな、と思う。おそらくこの部分は市販品であり、ほかの車にも装備することができるし、その場合、「ジムニー」だって(実際にそういうのを見たことがある)、「ロールスロイス ファントム」だって(こちらは見たことない)、どんな自動車だろうがキャンパーになるはずなのだが、まあそういう突っ込みをしては野暮なのかもしれない。まだ夏休みだし、これから秋なので、いよいよ本格的なキャンプシーズンでもあるし。

そういう部分をのぞけば? 「ミニ カントリーマン」で気楽に目的地に向かい、その場でどこでも寝泊りできる、というのはなかなか魅了的だし、ミニだからこそ洒落ているし、楽し気な雰囲気を醸し出している、ともいえよう。だけれども、ここでさらに野暮なことを言わせてもらえれば、この自動車の屋根の上で、ルーフレール部分とそこをはさんだキャッチ部分に命を任せて安眠できるかというと・・・。僕にはそこまでの度量と度胸はない。なんだか不安でちょっと大丈夫なのだろうか、とつい心配してしまうし、雨や風の日は余計不安である。もうちょっと地面に近い所のほうが安眠できるんですけれど・・・。と、なんとも軟弱児ですいません。(KO)

Text: Olaf Itrich
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de