もっと詳しく

オールディーズのSクラスをチューニングして615馬力を実現!1992年に発売されたメルセデス600SELを、チューナーのレンテック(Renntech)がアップグレードした。

408馬力を標準装備。この性能は間違いなく誇れるものだ。特に30年前の内燃機関では・・・。しかし、レンテックはさらに上を行く。1992年式メルセデス600SEL(W140)に6リッターV12エンジン(M120)を搭載し、チューナーたちに仕事をさせることにした。

その結果、排気量7.6リッター、最高出力615馬力、最大トルク953Nmを実現した。もちろん、そのためにいろいろな工夫がなされている。しかし、そのパワーをひけらかすことなく大人しく見せかけている。

外から見る限り、このクルマがどれだけ凄いかすぐに気づかない。

デザイン: Sクラスは一見シンプルに見える

「600SEL」をよく知る人なら、ボンネットの下に数頭の馬が眠っていることをとにかく知っている。しかし、実際に何頭いるのかを推測するには、もう少し詳しく見る必要がある。レンテックのフロントスプリッター、リアの小型スポイラー、ウィングのエアアウトレットは新しいものだ。その他、「S76R(改造クラシックカーと呼ばれる)」には、レンテック社製の19インチの鍛造アルミニウムホイールが装着されている。

S76Rの外観上のトピックはレンテックの鍛造19インチホイールだ。
ブレーキシステムはAMGに換装されている。

ベンツの特徴は、後ろから見たときによくわかる。まぎれもなく「Renntech S76R」と書いてあるからだ。また、2本のステンレス製テールパイプにはレンテックのロゴが入り、ひときわ目を引く。

レンテックのロゴ入りマフラーカッター。

インテリア: 90年代のカーボンと装飾ステッチの出会い

インテリアでも、オリジナルとモダンのミックスにこだわっている。例えば、昔のメルセデスのステアリングホイールは一目瞭然だが、今はカーボンのアプリケーションが搭載されている。そして、ダッシュボード周辺にも多くのカーボンがある。

90年代を彷彿とさせるステアリングホイール。シートは一新され、カーボンが多用されている。

すぐにわかるのは、赤いステッチとキルティング模様の入ったシートがオリジナルではないことだ。また、ダッシュボードにもステッチが施されている。センターコンソールに「S 76 R, 1 of 1」というシルバーのバッジが付けられているのも重要なディテールだ。ここで改めてユニークさが強調される。

カーボンパネルにより、古さを感じさせない。

エンジン: 最高出力200馬力以上アップ

もちろん、決定的なのは、ベンツの性能を向上させるための技術的な改良である。新機能は以下の通りだ。チタンコネクティングロッド、AMG製カムシャフト、リミテッドスリップディファレンシャル、カーボンセラミックブレーキディスク、ダンパーシステムの改良など。

V12はすでに600 SELのボンネットの下で標準的に働いていた。しかし、それは408馬力のときだけで、615馬力のときはそうではない。シルバーの「1 of 1」バッジは、「1つしかない」ということを表している。

つまり、チューニングされたクラシックカーは、0~96km/h(=0~60mph)を5秒台前半で走破することになっているのだ。そして、最高速度は249km/hだ。現時点では、「レンテックS76R」の価格はまだ明確にされていない。

Text: Kim-Sarah Biehl
Photo: Renntech