◆誹謗中傷の厳罰化の流れをくんだ判決
? 「いま、誹謗中傷を問題視する声が上がってきている。その社会の変化がこの判決をもたらしてくれた」。20日の判決後原告の伊藤さんはこう語った。
提訴は2020年8月。元TBS記者の男性から性暴力を受けたと訴える伊藤さんを中傷する複数のツイッター投稿に対し、「いいね」をした杉田氏を相手取り損害賠償を求めた。今年3月の1審・東京地裁判決は「『いいね』が押されたとしても、どの部分に好意的・肯定的な評価をしているかが明確ではない」「ブックマークなどの目的で使用することもある」などとして違法性を否定した。
ツイッターの場合、別の利用者の投稿に「いいね」を押すと、自分のプロフィール欄に表示される。「リツイート」は、自分をフォローしている人に同じ投稿を拡散することができる。
中央大の宮下紘教授(憲法)は「情報を拡散する『リツイート』が積極的な加害意図を認定しやすいのに対し、これまでは『いいね』は抽象的、多義的で意図までは見えないという判断が多かった」と話す。今回の高裁判決を「杉田氏の発言など前後の文脈で意図があったと認定した点が重要。その上で、回数の多さや国会議員としての影響力も評価した」と分析する。
そして今回の判決をこう位置付ける。「『いいね』について賠償を認める判断は初とみられる。インターネット上の誹謗中傷の厳罰化が進んでおり、その流れをくんだ判決だ。社会的評価を下げたかという客観的要件ではなく、名誉感情を害したという主観的要件を認定したのも踏み込んだ判断だ。比較的高い賠償額からも裁判所のメッセージが読み取れる」
◆杉田氏の加害の意図を認定した「特殊なケース」との見方も(略)
◆同性カップルは「生産性ない」、性暴力被害「女性はいくらでもうそつける」(略)
◆総務省は誹謗中傷のない健全なSNS利用を呼びかける官庁なのに…
数々の問題があったのになぜ岸田首相は、大臣、副大臣に次ぐ要職に杉田氏を起用したのか。背景には故晋三元首相との関係の近さがあるという。
「さんが、保守的な考え方が近い杉田さんをかわいがっていたのは有名な話」と話すのは政治ジャーナリストの泉宏氏。「私が得た情報では、首相も側近も、杉田さんを総務政務官に起用するかどうかを含めて全部党任せにしていた。党内でさんに近い人たちが、結果的に配慮する形で杉田さんを推したのではないか」とみる。
性的少数者や選択的夫婦別姓などに否定的な杉田氏の言動は、現在解散命令請求に向けて動きが加速している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の主張と重なる部分も少なくない。16年に米国の教団関連施設で講演したり、19年に行った熊本の講演会の主催者が教団の関連団体だったとの報道もあったが、杉田氏は8月の政務官就任会見で「関係団体を含め、旧統一教会から金銭的、人的支援を受けたことは一切ない」と関係を否定した。
教団に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏は「現時点で、杉田氏は自民党の中では教団との関係が薄い方だ。しかし、根本的な人権感覚に問題がある人に、政務官がふさわしい役職とは思えない」と話す。
総務省といえば、電波、情報通信行政をつかさどり、誹謗中傷のない健全なSNS利用を呼びかける側の官庁だ。その政務官がSNS上で中傷を行っていたと裁判所に認定されたのでは示しが付かない。職務の適格性も疑われる。
ネット上の言説に詳しい評論家の古谷経衡氏は「杉田氏は今の地位以前に、国民の代弁者たる国会議員にふさわしくない」と切り捨てた上で続ける。「杉田氏にはもともと保守的な思想の核がみられない。後発で保守ムラに入り、ムラの男性に気に入られたいために過激なことを言う典型的な『過剰同化』の人。こうした女性は、地方議員を含めてまだまだいる。男性優位の保守ムラの構造がある限り、第2、第3の杉田氏が出てくる」
◆デスクメモ(略)
東京新聞 2022年10月22日 12時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/209499
引用元: ・中傷ツイートに「いいね」で名誉毀損判決の杉田水脈氏 総務政務官続投でも「いいね」なの? [蚤の市★]
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