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 少子高齢化や疾病構造の変化、健康に対する市民の意識が多様化するなか、神戸市は2017年7月に「健康創造都市KOBE推進会議」を設立した。健康寿命の延伸、健康格差の縮小、個人の健康づくり活動と企業の健康経営を通じた市内経済の活性化をミッションとして、さまざまな取り組みを進めており、誰もが健康になれるまち「健康創造都市KOBE」の実現を目指している。

 同推進会議には、神戸市に事業所を持つ企業・団体に健康経営を啓発する活動や、健康経営に役立つサービス・コンテンツの提供、健康経営に関する課題研究、検討・解決などを行う「健康経営部会」があり、さまざまな企業・団体が参画する。各者が健康経営の取り組みを学び合う機会として今年7月、第1回健康経営部会が開かれた。今回、周囲からみえにくい健康課題を相互理解するためワークショップを催し、日本イーライリリーが開発したワークショップツールが用いられた。

 日本イーライリリーは20年に、社内活動の「ヘンズツウ部」を発展させ、さまざまな企業や団体、自治体、専門家に呼びかけて「みえない多様性PROJECT」を共同で立ち上げた。同プロジェクトを通じて当事者と周囲の相互理解を促し、あらゆる立場の人が参加可能なワークショップツール「わかりづらい健康課題『みえない多様性』に優しい職場をつくる-Inclusive Workplace Design Toolkit-」を開発した。同ツールは、職場の健康課題の考え方や健康課題を抱える当事者と考える職場環境づくりのポイントを事例も交えて紹介した冊子と、みえない多様性への理解を深めるために、周囲の人の健康課題に紐づく職場での「誤解されがちな言動」の裏にある痛みや不調を想像させるカードゲームで構成。企業の社内研究ツールとして活用できるよう、オンラインワークショップとして実践可能な仕様とした。

 カードゲームは「一見不可解に思える行動や自己中心的な振る舞いにみえても何か理由があるかもしれない」という、みえない多様性の存在を知る・認めることのきっかけとして行う。正解・不正解はなく、他の参加者のアイデアや意見を受け入れ、それをきっかけにディスカッションを通じて理解を深め合う。

 企業にとって健康経営に取り組むメリットは大きく、各自治体においても健康基盤の整備は大きな課題だ。多くの企業、団体などが積極的にKOBE推進会議に参画し、健康づくりを、より一層推進することで成功事例を示していってもらいたい。

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