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 ふと通りがかるとマーライオンがプロジェクションマッピングによってダイナミックに彩られている。もっともマーライオンが光っても不思議ではない。毎晩マリーナベイ・サンズでは、噴水とレーザー光線のショーがみられるし、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイでは、そびえ立つような人工植物「スーパーツリー・グローブ」が音楽に合わせてライトアップされる。この国はとかく光らせるのが好きなのだ▼ただ今回は、建造から50年を迎えたことに合わせた特別なものだった。マーライオンはいわばシンガポールの顔。2010年にシンガポールで開かれたユースオリンピックでは、マーライオンの子として、マーリーが大会マスコットの一つに設定された。18年には同じ名前で、顔が猫で体が魚の政府観光局公認のゆるキャラも登場している▼ウィキペディアによると、もともとは現在のところより少し内側にあって、02年に移設されるまでは故障で水が出なくなったまま。近くにかけられた橋が邪魔して正面から見ることもできなかったという。移設後も、09年に落雷によりたてがみと右の耳、土台の一部を破損する災難に見舞われた▼不遇な時代があったことを思うと、観光客がこぞってスマホをかざしているカラフルなマーライオンが、どこか誇らしげにみえてくる。(22・9・22)

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