11月21日、AXCRアジアクロスカントリーラリー2022がタイ、ブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで開幕した。6日間に及ぶ過酷なラリーに『ミツビシ・トライトン』のT1仕様を投入して初参戦するチーム三菱ラリーアートは、105号車を駆るチャヤポン・ヨーターが総合5番手、チームメイトの118号車リファット・サンガーが総合6番手、両名をサポートする119号車のサクチャイ・ハーントラクーンは総合15番手で初日のSS1を終えている。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて2020年、2021年と2年連続で中止に追い込まれたAXCR。例年は8月に行われるイベントだが、今年は11月に日程を変更したうえで3年ぶりの開催が実現した。
この間、ミツビシでは一時途絶えていた『RALLIART(ラリーアート)』ブランドを復活させることが決定し、2021年からタイでラリーアート特別仕様車販売が、日本ではラリーアートアクセサリーの販売が開始された。また、同時にモータースポーツへの取り組みもスタート。その初手となるのが今回のAXCR参戦だ。
日本人初のダカールラリー2連覇を達成した増岡浩総監督の下でAXCRに初参戦するチーム三菱ラリーアートは、タイのタント・スポーツが運営するプライベートチームだ。ミツビシは同チームに開発部門エンジニア等の技術スタッフを派遣し、技術サポートを行っていく。
■初日のステージはレグ1のスタート順を決めるスーパーSS
2022年のAXCRは21日(月)から26日(日)にかけて、タイと隣国のカンボジアを舞台に開催される。初日はレグ0となり午前中に車検、午後には全長3kmのターマック(舗装路)ステージでスーパーSSが行われた。
チーム三菱ラリーアートが走らせる3台のミツビシ・トライトンは、今大会から搭載が義務付けられたGPS付ドライブレコーダーの確認も含めて全車が車検を通過。午後のSS1に向かうこととなった。
青空が広がり、汗ばむほどの陽気のなかで実施されたスーパーSSは、翌日レグ2のスタート順を決定する“予選”の意味合いを持つセッションに。ミツビシ勢はこのSS1で105号車トライトンをドライブするヨーターが、上位を独占したいすゞD-MAX勢に次ぐ総合5番手につけ、僚友サンガーが同6番手で続いた。1996年のダカールラリーで『ミツビシ・パジェロ』をドライブした経験を持つ59歳のベテラン、ハーントラクーンは総合15番手で初日を終えている。
3台全車が無事にスタートを切ったことに対し、増岡総監督は「クルマの仕上がりも万全で、明日のレグ1にも期待が持てる」と安堵の表情を見せた。