アップルは19日(アメリカ時間)、公式サイトに「AppおよびApp内課金の税金と価格の変更について」と題した文書を発表した。アプリ配信サービス「アップストア」でのアプリ価格を引き上げる。
2022年10月5日から、チリ、エジプト、日本、マレーシア、パキスタン、ポーランド、韓国、スウェーデン、ベトナム、およびユーロを通貨とする全地域のApp StoreでのAppとApp内課金(自動更新サブスクリプションを除く)の価格が上がります。
「ガチャ回せなくなる」
無料を除き、最低価格帯から最高価格帯まですべての価格帯まで無料を除くすべての価格帯で値上げとなっており、日本ではこれまで最低価格が120円だったが、160円に値上がりする。250円だったアプリは320円、610円だったアプリは800円になる。最高価格はこれまで1万5000円に設定されていたが、今回の価格改定により1万9800円と5000円近く値上がりすることになる。
また、アプリの価格だけではなくアプリ内課金の引き上げも同時に発表された。たとえば、これまで3060円だった“ガチャ”は4000円に値上がりするということで、ゲームユーザーからは悲鳴も聞こえた。
3000円の10連ガチャが4000円
アプリ内課金3割増しとかふざやがって。ガチャ回せなくなったらどうすんだよ。
実質、各種アプリのガチャの値上げをアップルに強要された感じじゃん。
中には、アップルの今回の値上げは独占禁止法に抵触するのではないかと指摘するユーザーも多数いた。
ソシャゲ全部やめるかw独占禁止法違反してるだろこの企業。
アップルは独占禁止法違反にならんのかね。
本来、任意の価格設定が望ましいのに、こういうのは独占禁止法で訴えるのはどうなんだろう。
単純なアップルの手数料値上げなら独占禁止法抵触レベルの恐ろしい案件ですね
世界中で訴訟を起こされているアップル
実は、アップルは現在、世界中で独禁法違反の訴訟を起こされている。
メキシコの元電気通信局長のモニー・デ・スワーン・アダティ氏がアップルとグーグルを独占禁止法違反で提訴したと、ロイターが9日報じた。訴状によると、アダティ氏は「アプリストアでの独占販売を利用して、アプリ内課金に独自の支払い処理システムを使用することで、競争を完全に阻害している」と訴えている。
アダティ氏は「グーグルとアップルのストアは15%~20%の手数料を請求し、価格のインフレを余儀なくされている」との声明も出している。
アップルは、今年3月にはオランダでも、手数料を強制的に徴収することで独占的地位を乱用したとして、集団訴訟を起こされている。集団訴訟を起こした団体「Consumer Competition Claims Foundation」によると、潜在的な損害は合計で約50億ユーロ(約7100億円)に上るという。同団体は、2009 年9月以降にアップストアでアプリを購入した、またはアプリ内課金を行ったすべてのEU内消費者に集団訴訟に参加するよう呼びかけている。
アメリカでも、独占禁止法にあたる反トラスト法をアップルに適用する準備が進められているという。アメリカ政治専門サイト「ポリティコ」は8月26日、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反でアップルを提訴する初期の準備段階にあると報じた。
8月1日には、過大な手数料を課し、反トラスト法に違反したとしてフランスのアプリ開発会社がアップルを相手取って集団訴訟を起こした。訴状では、アプリ内課金に30%の手数料と、99ドルの年間手数料を14年間にわたってアプリ開発業者に課したことで、「イノベーションを阻害し、消費者の選択肢を狭めた」と指摘している。
アップルは今回、ベトナムでの値上げ理由については「5%の付加価値税(VAT)および5%の法人所得税(CIT)を含む適用税の徴収および納付をAppleに義務付ける新しい規制も反映されています」と明らかにしている。しかし、日本など他の国について、値上げの理由は明らかにしていない。
日本ではまだ、アップルを相手取った集団訴訟は起こされていないが、今回の不可解な値上げを受けて訴訟を申し立てる人は出てくるだろうか。