ミツビシ・トライトンのT1仕様を開発し、AXCRアジアクロスカントリーラリーに初参戦しているチーム三菱ラリーアートは、競技2日目となった11月22日(火)のレグ1でチャヤポン・ヨーター駆る105号車が総合首位に立った。チームメイトのリファット・サンガーは118号車の足回りにダメージを負って順位を落としたものの、総合8番手につけている。
一方、119号車をドライブし前日に行われたスーパーSSで総合15番手タイムを記録していたサクチャイ・ハーントラクーンはSS1後に体調不良を訴え、その後の新型コロナウイルス検査で陽性が判明。本格的なステージを戦う前に今大会からリタイアすることとなった。なお、チームの他のスタッフはCOVID-19テストで陰性が確認されている。
■今大会最長のSS2でヨーターが快走
3年ぶりの開催となるAXCR2022の競技2日目は、タイのブリーラム市街から南西に位置するコンブリをスタートし、ノンボンまでの全長203.50kmのステージが実施された。このSS2は今大会最長であり、もっともタフなステージとされている。
二輪クラスに続き四輪クラスがスタートすると、ミツビシ勢は前日のスーパーSSのオーダーどおり、ヨーターが5番手、僚友サンガーが6番手とそれぞれ上位からスタートを切っていった。
105号車トライトンを駆るヨーターはこの日快調な走りを見せ、中間地点のチェックポイント(CP1)までに3台を抜いて2番手に浮上する。さらに、最終地点のチェックポイントでは、先にスタートした二輪クラスの車両もすべて抜き去り2時間50分18秒のステージベストタイムをマーク。総合順位でも後続車に4分7秒差をつけてトップに立った。
一方、チームメイトのサンガーはCP1の手前15km地点、岩場での競り合いでパンクに見舞われる。118号車はそのままタイヤ交換をせずに勝負に出たのが裏目に出てしまい、ホイールとブレーキが大破する事態に。幸いリタイアは免れCP1の通過後、サービスでサスペンションやブレーキ、タイヤ、ホイールを交換して再出走となったが、その後はリヤのショックアブソーバーはない状態での走行となった。
■増岡浩総監督「まだスタートしたばかり」
それでも、粘りの走りでチームメイトから約15分遅れながらSS2を走破し、総合8番手につけたサンガーは、「足回りを激しく壊してしまったのに最後まで走り切れるなんて、やっぱり『トライトン』は本当にタフで最強だ」と語っている。
チームを率いるダカールラリーの“レジェンド”増岡浩総監督は、「SS2は非常に長いSSで一番タイムが稼げるためから、チャヤポン(・ヨーター)がタイムを稼げていればペース配分をしやすくなるので、明日からの戦略が立てやすくなる」とコメント。
「リファット(・サンガー)はダメージでのタイムロスがあったものの、まだまだ射程圏内で挽回できるところにいる」
「まだスタートしたばかりだから、これからに期待です」
レグ1を終えたAXCR2022は、この後24日(木)のレグ3(SS4)までブリーラムを拠点にしたループステージが続いていく。25日(金)のレグ4(SS5)で一行はタイを離れカンボジアに入り、世界遺産アンコールワットの玄関口であるシェムリアップに向かう。最終日のレグ5は、シェムリアップを起点・終点としたループステージ(SS6)が行われる予定だ。