11月16日にワールドプレミアが行われた新型プリウス。PHEVのラインナップやデザインなどは確認できたものの、車両の細かな情報は出てこなかった。
発表から日にちが経ち、詳細なスペックやグレード別装備の内容が明らかとなってきている。新型プリウスの詳細をお伝えしていこう。
文/ジョー城ヶ崎、写真/TOYOTA
公式発表から独自スクープまで!! 「新型プリウス」まとめました
■ボディサイズは予想通り! 室内は少し狭くなったか
まずはボディサイズから見ていく。事前の予想通り、全長は長く、全幅は広く、そして全高は低くなり、ロー&ワイドが際立つ数値となった。
●ボディスペック(カッコ内は50系プリウスの数値)
全長:4,600mm(4,575mm) +15mm
全幅:1,780mm(1,760mm) +20mm
全高:1420mm ※ZとPHEVは1,430mm(1,470mm) -50mm
ホイールベース:2,750mm(2,700mm) +50mm
トレッド:フロント1,560mm リア1,570mm(1530mm/1540mm)
最低地上高:145mm ※ZとPHEVは150mm(130mm) +15mm
車両重量:U 1,360kg G 1,400kg Z 1,430kg PHEV 1,570kg(先代HEV1,360kg)
最小回転半径:U 5.3m G・Z 5.4m(5.1m) +0.3m
タイヤサイズ:U 195/60R17 G・Z・PHEV 195/50R19(195/65R15)
全長・全幅は拡大したものの、ルーフが大きく下がったため、室内の広さは数値上小さくなった。実際に乗ってみて、この差をどう感じるかは注目だ
●室内サイズ(カッコ内は50系プリウスの数値)
室内長:1,840mm(2,110mm) -70mm
室内幅:1,500mm(1,490mm) +10mm
室内高:1,130mm ※PHEVは1,135mm(1,195mm) -65mm
■1.8Lモデルのモーターパワー増強もアツい
搭載されるパワートレインは2種類。1.8Lのハイブリッドと2.0Lのハイブリッドだ。PHEVは2.0Lのハイブリッドをベースにしている。
2.0Lモデルはエンジンパワーだけでなく、モーターパワーも増大。リアモーターの出力も大きくなり、E-fourでは今までのようなアシスト一辺倒ではなく、リアモーターがあるからこそ実現する走行性能にも注目したい。
サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式を採用、ブレーキはフロントにベンチレーテッドディスク、リアにディスクと、先代と表記上の仕様は変わらない。
数値上はボディサイズからパワートレインスペックに至るまで、大きな変化をした新型プリウス。この数字を現車ではどう感じるのか、楽しみだ(紹介した新型プリウスの数値は開発目標値であり、開発の過程で変更となる可能性があります)。
●ハイブリッドシステムスペック(カッコ内は50系プリウスの数値)
【1.8Lモデル】
エンジン型式:2ZR-FXE(2ZR-FXE)
総排気量:1.797L(1.797L)
最高出力:72kW/98PS(72kW/98PS)
最大トルク142Nm/14.5kgfm(142Nm/14.5kgfm)
フロントモーター
型式:1VM(1NM)
最高出力:70kW/95PS(53kW/72PS)
最大トルク:185Nm/18.9kgfm(163Nm/16.6kgfm)
リアモーターは型式・出力等詳細不明
動力発生電池:リチウムイオン電池(リチウムイオン電池とニッケル水素電池)
WLTCモード燃費:32.6km/L(30.8km/L)
エンジンスペックは数値上同じだが、モーター出力が大きく上がり、ハイブリッドシステム全体としては性能アップとなっている。1.8Lモデルでも、先代よりもパワフルな走りが期待できそうだ。
【2.0Lモデル】
エンジン型式:M20A-FXS
総排気量:1.986L
最高出力:112kW/152PS
最大トルク188Nm/19.2kgfm
フロントモーター
型式:1VM(1NM)
最高出力:83kW/113PS
最大トルク:206Nm/21.0kgfm
リアモーター
型式:1WM(先代1.8Lは1NM)
最高出力30kW/41PS(先代1.8Lは5.3kW/7.2PS)
最大トルク84Nm/8.6kgfm(先代1.8Lは55Nm/5.6kgfm)
動力発生電池:リチウムイオン電池(リチウムイオン電池とニッケル水素電池)
WLTCモード燃費:G 31.5km/L[E-four29.2km/L] Z 28.6km/L[E-four26.7km/L] PHEV 23.0km/L ※各モデルハイブリッド燃料消費率を表示
■グレードはPHEVを含めて5種類で展開
新型プリウスのグレード展開は、ハイブリッドモデルが上からZ・G・U・Xと4種類に分けられ、PHEVにはZのみを配置する。Z・Gには2.0Lハイブリッドを搭載し、U・Xには1.8Lハイブリッドを搭載するのは既報の通りだ。
まずはベースとなるXの装備を紹介する
●グレードX
・Toyota Safety Sense
プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼夜]・自動二輪[昼])検知付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式
レーンディパーチャーアラート
レーントレーシングアシスト
ドライバー異常対応システム
オートマチックハイビーム
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
ロードサインアシスト
発進遅れ告知機能
プロアクティブドライビングアシスト
・パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)
・17インチスチールホイール(ホイールキャップ付き)
・リヤスポイラー
・エアロスパッツ
・Bi Beam LEDランプ LEDクリアランスランプ LEDフロントターンランプ
・LEDサイドターンランプ付き電動格納式リモコンドアミラー
・コンライト
・スイッチ式リアアウトサイドドアハンドル
・マルチインフォメーションディスプレイ
・ステアリングスイッチ
・3本スポークステアリングホイール合成皮革
・運転席6ウェイ助手席4ウェイマニュアルシート
・6:4分割可倒式リヤシート
・アクセサリーコンセント(AC100V/1500W非常時給電システム付)
・充電用USB端子(Type C)
・カップホルダー(前席2)
・盗難防止システム(イモビライザー+オートアラーム)
Xはいわゆる法人ユーザー向けとなっており、個人ユーザーにはUから上をおすすめしていくようだ。Uになると、Xから以下の点が追加・改良される
●グレードU
・17インチアルミ骨格ホイール(樹脂キャップ付)
・フロントロアグリル塗装
・ヘッドランプ上級意匠
・テールランプ上級意匠
・8インチディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)
・バックガイドモニター
・TV(フルセグ)
・ETC2.0ユニット
など
プリウスではお馴染みのアルミホイールにホイールキャップを被せる仕様はUに奢られる。また、エクステリア意匠がここから変更されるため、前述したXはワールドプレミアで見たランプユニットとは違うものが配置される可能性があるだろう。
ディスプレイオーディオにフルセグのテレビが付き、ETCユニットも装備されるため、Uを選べばほぼ必要十分な装備が手に入る。
■2.0Lエンジン搭載のZとGは楽しみな装備が目白押し
まずはGから紹介していこう。ベースとなるのはXであり、Xからの装備変更点を記していく。
●グレードG
・HV専用19インチアルミホイール(センターオーナメント付)
・フロントロアグリル塗装
・ヘッドランプ上級意匠
・テールランプ上級意匠
・ブラインドスポットモニター/セカンダリーコリジョンブレーキ/後方車両への接近警報/後方車両接近時安心降車アシスト
・パーキングサポートブレーキ(後方接近車両+後方歩行者)
・ドライブモードセレクト(ECO・NOMAL・SPORT)
・スポーティシート(前席)
・上級ファブリックシート表皮
・シートヒーター(前席)
・後席アームレスト
・パワーウィンドウスイッチパネル加飾
・イルミネーション通知システム
・8インチディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)
・バックガイドモニター
・TV(フルセグ)
・カップホルダー(前席2後席2)
など
UにあったETC2.0ユニットはメーカーオプション扱いに。ワールドプレミアでお目見えした19インチタイヤはG以上で装備される。また、シートがスポーティシートと変わっているところにも注目したい。ドライブモードセレクトを備えるなど、スポーツモデルの路線を強く出しているのはGやZとなるのだろう。
そして最上級のZでは、期待の装備が満載だ。Gに加えて以下の装備が加えられる。
●グレードZ
・フロントロアグリル塗装&アクセサリーランプ
・リヤバンパーロア塗装
・スーパーUVカット&IRカット撥水機能付きドアガラス(遮音性ガラス)
・トヨタチームメイト(アドバンスドパーク)
・パーキングサポートブレーキ(周囲静止物)
・緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)
・レーンチェンジアシスト
・フロントクロストラフィックアラート
・オートワイパー(雨滴感知式)
・自動防眩インナーミラー
・パノラミックビューモニター
・パワーバックドア
・ステアリングヒーター
・運転席8ウェイパワーシート
・運転席ポジションメモリー
・合成皮革シート表皮
・シートベンチレーション(前席)
・おくだけ充電
・ナノイーX
・12.3インチディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)
・ETC2.0ユニット
目玉となるのは12.3インチのディスプレイオーディオだ。また運転席パワーシートに加えベンチレーションが付くのも魅力。また、高級セダンの証でもあるパワーバックドアがプリウスに搭載されたことにも驚いた。
そしてPHEVではZの装備に加えてPHEVならではの装備が付く
●グレードPHEV(Z)
・充電ケーブル
・充電インレット
・ヴィークルパワーコネクター
・PHEV専用19インチアルミホイール(センターオーナメント付)
・リヤコンビネーションランプ専用意匠
・12.3インチディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus
など
HEVとPHEVを見分けるカギは、アルミホイールのデザインとリヤコンビネーションランプのデザインにある。また、12.3インチディスプレイオーディオも「Plus」と表記され、HEVモデルよりもより強力なユニットとなっているようだ。
■メーカーオプションは多数! セットオプションになるものも多く選択に悩む
最上級のZにのみ装着できるのがパノラマムーンルーフ(PHEVはソーラー充電システムを含む)、デジタルインナーミラー、ドライブレコーダー(前後方)、パノラミックビューモニター(床下透過機能付)、デジタルキーである。
また、Z・Gグレードに関しては、タイヤホイールを標準の19インチから、Xが装着する17インチのスチールホイールにダウングレードすることも可能だ。PHEV以外ではスペアタイヤも選べる。
寒冷地仕様(グリルシャッター・LEDリアフォグ・ウィンドシールドデアイサー・ヒーターリヤダクト)はE-fourを選択すれば標準装備、FFを選択した場合はメーカーオプションでの選択となる。
ノア・ヴォクシーやアクア、クラウンなどでも見られた複数オプションをパッケージングしていく手法は、プリウスでも同じようにとられるようだ。どのオプションが組み合わされセットになるのかは、価格発表時に明らかになる模様。
これまでのように「AをつけるにはBも一緒になるパッケージ1を選択」となり、オプション選択時の金額は、結構高くなりそうだ。
* * *
50系よりも、ワンランク上のクルマとなった新型プリウス。グレードやオプションをシミュレーションしながら、今冬の発売開始を待っていよう。
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投稿 新型プリウス「激推しグレード」判明!! オプションもわかったぞ!! 価格も魅力的……だよね!? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。