レクサスは、高性能セダンのIS500 Fスポーツ パフォーマンスを日本国内に導入し、500台限定の特別仕様車「Fスポーツ パフォーマンス ファーストエディション」を設定して8月25日より抽選申込を開始した。そこで、中古で狙いたい400psオーバーの国産ハイパーセダンを3台選んでみた。
文/萩原文博、写真/TOYOTA、LEXUS、NISSAN
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■かつてのIS Fを彷彿とさせるIS500
レクサスは2022年8月より、最高出力481ps、最大トルク535Nmを発生する5L・V型8気筒自然吸気エンジンを搭載した、レクサスIS500 Fスポーツパフォーマンスを導入した。
まず、車両本体価格900万円の特別仕様車、「Fスポーツパフォーマンス・ファーストエディション」を500台で抽選販売。そして、車両本体価格850万円の「Fスポーツパフォーマンス」は2022年冬以降に販売開始時期がアナウンスされる。
ハイパワーな5L・V8エンジンを搭載し、全長が50mm延ばされた専用ボディなどのスペックを見ると、名前は違うが、かつて2007年10月から販売されたIS Fを彷彿させる。そう、ガンダム世代的に言えば、レクサスIS500 FスポーツパフォーマンスはNahel(ネェル)IS Fと言えるモデルだろう。
そこで、今回はIS Fをはじめとした国産セダンで400ps超のエンジンを搭載した、ハイパフォーマンスモデルの中古車事情について紹介する。
■400psオーバーのハイパーセダンを中古で探す
最高出力400psを超えるハイパフォーマンスセダンと言えば、メルセデスベンツやBMWといった欧州プレミアムメーカーの十八番だ。
現行モデルでも車両本体価格1298万円のメルセデスAMG E53 4マチック+は最高出力435psを発生する3L直列6気筒ターボのマイルドハイブリッドシステムを搭載。また、車両本体価格1377万円のBMW M550i xDriveは最高出力530psを発生する4.4L・V8ツインターボエンジンを搭載している。
こうしてみると、最高出力400ps超のハイパワーエンジンを搭載するハイパフォーマンスセダンの新車時価格1000万円オーバーは当たり前だ。しかし、これが中古車になると、税金の高い大排気量エンジンは敬遠されるため、値落ち幅が大きくなってしまうのだ。
例えば、メルセデスAMG E53 4マチック+の中古車は現在、約15台流通していて中古車の価格帯は約698万~約1600万円。初の車検を迎える2019年式はだいたい750万円で販売されており、わずか3年で割安な価格で手に入るようになっている。
国産ハイパフォーマンスセダンも同様に割安な価格で手に入るのか。それを検証するために、最新の中古車事情を見てみる。
■中古で探す400psセダン:レクサス IS F
まずは、IS500 Fスポーツパフォーマンスのルーツと言える、レクサスIS Fだ。IS Fは2007~2014年まで販売された最高出力423ps、最大トルク505Nmを発生する5L・V型8気筒自然吸気エンジンを搭載したハイパフォーマンスセダン。
IS Fの“F”は徹底的な走りの鍛え込みを行ったホームサーキットの富士スピードウェイの頭文字である“F”が由来。
その“F”の冠を与えられたレクサスのプレミアムスポーツは、「基本性能を徹底的に鍛え込むとともに、走りの新技術を備えることにより、レクサスの新しいパフォーマンスを提案する」ことがコンセプトとなっている。
ハイパワーな5LV8自然吸気エンジンに組み合わされるトランスミッションは、当時世界初だった8速スポーツダイレクトシフトを採用。
この8速ATは電子制御技術により、ATとMTのメリットを両立させ、2ペダルトランスミッションの新たな価値を提案。Mポジションでは世界最速レベルの変速レスポンスを実現するとともに、エンジンとトランスミッションを直結状態とすることで、ダイレクトなアクセルレスポンスを実現している。
現在、IS Fの中古車は約62台流通していて、平均価格は約281万5000円。3か月前の2022年7月の時点での平均価格は約260万円だったので、約21万円平均価格が上昇している。
中古車の価格帯は約130万~約498万円と走行距離が8万kmを超えた中古車は100万円台で購入することが可能だ。ポテンシャルを考えれば、バーゲンプライスといえる状態だ。
■中古で探す400psセダン:レクサス GS F
IS F以来8年ぶりとなる2015年に導入されたFモデルの新型セダンがレクサスGS Fだ。アッパーミドルセダンのGSをベースに、最高出力477ps、最大トルク530Nmを発生する5L・V型8気筒自然吸気エンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルだ。
ハイパワーの大排気量エンジンに加えて、レーザースクリューウェルディングなどの先進技術で強化し剛性が向上したボディ、TVDやスポーツモード付VDIM、上下加速度センサー付ABSなどの電子デバイスを標準装備することで、高い操縦安定性と走る楽しさを両立している。
多面的な安全運転支援を強化するべく予防安全パッケージ「レクサスセーフティシステム+」を採用。内外装は、優れた機能美と上質さを融合させることで、“F”モデルとしてのラグジュアリーな大人のスポーツセダンを演出している。
さらに、見えない部分にも高い走行性能への追求がなされており、フラットな整流面をもつエンジンアンダーカバーを採用。またリアフロアアンダーカバーによる床下切り上げ角の最適化など、床下の整流を追求し、優れた空力性能を実現している。
新車時価格1100万円だったGS Fの中古車は現在約30台流通していて、平均価格は約653.6万円と新車時価格の半額となっている。3カ月前の2022年7月時点の平均価格は約655万円だったので、実質的に横這いで推移している。
中古車の価格対は約500万~約1295万円で、限定25台の特別仕様車は新車時価格と変わらない高水準をキープしている。しかし、流通台数が少ないため条件にあったクルマを探すのは困難を極めそうだ。
■中古で探す400psセダン:日産 スカイライン400R
最後に紹介するのは2019年7月に追加された日産スカイライン400R。先日の一部改良でハイブリッドが廃止となり、現在スカイラインは3L・V型6気筒ツインターボエンジンのみを搭載している。
ハイパフォーマンスモデルのスカイライン400Rは、この3L・V6ツインターボエンジンを最高出力405ps、最大トルク475Nmまで向上。さらに、電子制御サスペンションを採用することで、高い走行性能を発揮する。
現在、車両本体価格589万9300円のスカイライン400Rの中古車は約29台流通していて、価格帯は約389万~約590万円。高年式の中古車は新車価格と変わらない水準で販売されている。
輸入車だけでなく、国産車でも大排気量のハイパフォーマンスモデルは、一部の限定車などを除くと値落ち幅が大きく、狙い目といえる。ただし税金などは高めとなるので注意したい。
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