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メーカー純正のWRカー・レプリカ的モデル

1997年、FIAは世界ラリー選手権(WRC)に、トップカテゴリーとして新たにワールドラリーカー(WRカー)を導入した。それまで4ドアWRXで参戦して来たスバルはこれに合わせ、2ドアのリトナをベース車に選択。プロドライブ社の開発によって初年度から戦闘力の高いマシンに仕上がり、名手コリン・マクレーやリチャード・バーンズらのアグレッシブな走りで、次世代型に切り替わるまでの4年間(1997-2000年)、インプレッサ・クーペWRカーは世界中のラリーファンを魅了した。

【画像70枚】モンテ仕様から見事仕立てられた22Bと、その制作工程を見る!

インプレッサ22B STiバージョン(以下22B)は、1998年3月に発売された、謂わば「メーカー純正WRカー・レプリカモデル」だ。ベースとなるWRX type R STi Version Ⅳのホワイトボディからフェンダーをカットし、鋼板プレスのブリスターフェンダーを架装するという非常に手の込んだ工程により、1日の生産台数は2台が限界だったと言われている。エンジンは2.2Lに拡大された専用ユニット「EJ22改」を搭載、ホイールはBBS社製の専用品、コンソールにはシリアルナンバー入りと、全てがスペシャルなモデルであった。

500万円/400台限定というプレミアムな販売条件ながら僅か2日で完売。「伝説のインプレッサ」として日本はもちろん、世界のエンスージアストに認知・崇拝されている。生誕から20年以上を経た22Bだが、昨今の世界的なJDM(Japan Domestic Market=日本専売市場)人気も相まって、米国や香港、欧州などへ次々流出しているとのこと。その相乗効果からか、今や程度の良い個体なら新車時の5倍以上の金額で取引されていると言われ、近年異様な値上がりをしている1台としても再注目されている。

フェンダーの張り出したボディをベースに、各部を改修して22Bへ!
さて、ここでご覧頂いているのは、この22Bをタミヤ製1/24スケール・プラモデル(WRC仕様)から改造して制作した作品だ。タミヤのラリーカーは1998年モンテカルロ仕様が最初に新金型として製品化され、以降1998年サファリ仕様、1999年モンテカルロ仕様、2000年新井仕様と、全部で4種類発売された。基本的には同じ内容だが、新井仕様には専用のスピードラインホイールが同封されている。元々が限定品だっただけに、ネットオークションでも高騰案件のようだ。新井仕様としての再販は難しいかもしれないが、このホイールを入れて何らかのカタチで再販されると嬉しいのだが……。

22B化については、ベースに1998年モンテ仕様を使い、前後フェンダーアーチの縮小、ボンネットダクトの縮小、サイドスカートの形状変更、専用BBSホイールへの交換(3D設計/プリント協力:幻想技研)、市販車内装へのコンバート(フジミのクーペから流用)、市販ドアミラーへの変更(アオシマS13シルビアより流用)などを実施。制作を通じて、22BがWRカーと似て非なる物であることを再認識できた。今回は分かる範囲、再現可能な範囲での制作ながら地味に大変な作業が多いが、同じように22B化を検討したことがある諸兄の、少しでも参考になれば幸いである。

投稿 今や実車価格は3000万円以上!?伝説の「インプレッサ22B」をタミヤ製WRC仕様プラモから制作!【モデルカーズ】CARSMEET WEB に最初に表示されました。