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 巷では電気自動車(EV)ばかりが取り沙汰される今日この頃だけど、実は今、電気自動車とガソリン車のイイとこだけを取ったPHEV(プラグインハイブリッド)がにわかに盛り上がりを見せつつある。

 その利点は、ガソリンでも電気でも走れるハイブリッド車であるということ。充電用コンセントを用いて外部からバッテリーに充電できるから経済的でかつ環境に良く、さらにガソリンを使用するエンジンでも走行できるので長距離ドライブだって安心。特に、大容量バッテリーが搭載しやすいSUVとPHEVは相性も抜群! 

 ということで、ここにきて選べるモデルも増えてきている。そこで、ここでは5台のPHEVモデルを紹介。アナタだったら、どれを選ぶ?

文/FK、写真/トヨタ、マツダ、三菱自動車

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PHEV+SUVの大本命は…爆売れ中のハリアーに決まり!

群雄割拠のPHEV市場を制するのはどいつだ?
プラグインハイブリッド車(写真)が設定された2022年9月の一部改良では全車にToyota Safety Senseを標準装備するとともに、コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオなどが採用された

 2022年9月、一部改良を行うと同時にプラグインハイブリッド搭載車を設定すると発表されたハリアー。

 2020年6月にフルモデルチェンジが行われた現行の4代目ハリアーは月販目標が3100台だったのに対して、発売後約1カ月で約4万5000台の受注を記録したことでも大きな話題となった超がつくほどの人気モデル。

 そんなハリアーにPHEVモデルが発売されるのだから爆売れは必至! というよりも、すでに受注が停止に至っているとの情報もあるほど売れに売れている。買う買わないは別として……今回、最上級グレードのZに設定されたプラグインハイブリッドモデルは306psのシステム最高出力、93kmのEV走行距離(WLTCモード)、20.5km/Lのハイブリッド燃料消費率(WLTCモード)を誇り、パワフルな走りと優れた環境性能を両立。

 バッテリー総電力量18.1kWhを達成した大容量&高出力のリチウムイオンバッテリーと高出力モーターによって走行性能を高めるとともに、伸びやかで上質な加速と低重心による優れた操縦安定性を実現している。

 また、3つの走行モードが選べるAUTO EV/HVモードスイッチに加え、EV/HVモード切り替えスイッチも装備して走行シチュエーションに合わせた走りも可能だ。車両本体価格は620万円と決してお手頃とは言えないが、その内容を見れば見るほどお値打ち感は高いと言わざるを得ない。

 ちなみに、ハリアーは2023年秋頃にマイナーチェンジを予定しており、今すぐに受注しても納期がマイチェンまでに間に合わないため(価格や仕様、グレード構成がわからないため注文も入れられない)、現時点では多くのトヨタ販売店でハリアーの受注は停止しているとのこと。

 こうした超長納期化は、ハリアーのような数年前にデビューした人気車ほど大きな影響を受けてしまっており、主に(ウクライナ情勢の不安定化を要因のひとつとした)部品流通不安が原因。戦争反対!

ハリアーを買い逃した人の次なるターゲットはCX-60か!?

群雄割拠のPHEV市場を制するのはどいつだ?
ロングノーズ&ショートデッキの堂々たるプロポーションと佇まいが力強さを感じさせるCX-60(写真はPHEV S Package 4WD)

 2022年9月に直列6気筒のディーゼルエンジンを採用したハイブリッドモデルが先行発売となったCX-60。

 新世代ラージ商品群第1弾として登場した2列シートミッドサイズのCX-60は大きな進化を果たした魂動デザインや2種類の直6エンジンをラインナップしたことなどが話題となっているが、2022年12月以降に販売開始を予定しているマツダ初のプラグインハイブリッドモデルにも注目が集まっている。

 現時点において、エンジン・モーター・動力用主電池・燃費性能などの主要諸元は未定となっているCX-60のプラグインハイブリッドモデル。とはいえ、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.5)をベースに吸排気チューニングを行い、これにモーターとバッテリーを組み合わせることで滑らかな加速フィールを実現しているのだという。

 また、このシステムのパフォーマンスを存分に発揮させるべく、ダイレクト感と伝達効率に優れる新開発のトルコンレス8速ATを組み合わせることでメリハリやリズム感をあわせ持ち、ドライバーの気持ちの変化にも小気味よく反応。

 加えて、4気筒エンジンが発する基本的な音に近接した周波数の音を重ねてビート感のある音をつくり込むサウンドチューニングも実施。回転が高まるほどにトルクを感じさせる伸びやかなPHEVならではのサウンドもドライバーに高揚感を与える。

国内PHEV販売台数第1位を誇る三菱のフラッグシップSUVを侮ることなかれ!

群雄割拠のPHEV市場を制するのはどいつだ?
2022年10月に発売されたアウトランダーPHEVの特別仕様車であるBLACK Edition。フロントグリル、スキッドプレート、ドアミラーをブラックで統一するとともに専用ブラック塗装の20インチアルミホイールが採用されている

 2013年の発売当時、自動車業界を見渡しても他に類を見ないPHEV×SUVという新たなカテゴリーを築き上げた三菱。そのフラッグシップモデルとしてシーンを牽引し、国内でのPHEV販売台数第1位に大きく貢献した一台がアウトランダーPHEVだ。

 2005年の発売以来、3世代にわたりグローバルに展開してきたアウトランダーは、2013年にPHEVモデルを発売。その後、欧州、豪州、北米、アセアンなどに展開して累計約29万台を販売した。

 そして、2021年12月に約9年ぶりとなるフルモデルチェンジを敢行。PHEVコンポーネントの刷新で加速感の向上はもとより、WLTCモード(国土交通省審査値)によるEV走行換算距離がMグレードで87km、G・Pグレードで83kmとなり、57.6kmだった先代モデルから大きく進化。

 前後モーターと駆動用バッテリーも出力を約40%向上させ、アクセルを強く踏み込むシーンでエンジンを極力始動させることなく、EV走行の維持を可能としつつ4WDならではの力強くて滑らかなモータードライブを実現している。

 また、前後に1基ずつ搭載する駆動用モーターをベースとした車両運動統合制御システムのS-AWCに、新たに後輪側にもブレーキAYC機能して前後輪の駆動力を路面状態や運転状況に応じて最適に配分。4輪すべてのタイヤ能力を最大限に引き出すことで実現した理想的なハンドリングと高い操縦安定性も大きな魅力となっている。

他車に比べて圧倒的にリーズナブルなエクリプス クロスのPHEVモデルも超魅力的!

群雄割拠のPHEV市場を制するのはどいつだ?
写真はデザインや機能にこだわったハイグレードなPHEVモデルの“G PHEV”。2021年11月の一部改良ではPHEVモデルに運転支援機能のマイパイロットも採用された

 2020年12月にデザインを一新して発売されたエクリプス クロスもPHEVモデルをラインナップに追加。

 三菱のクルマづくり100周年となった2017年にグローバルで発売したエクリプス クロスはスタイリッシュなクーペフォルムとSUVの機動力を融合させたSUVとしてデビュー当時から好評を博してきたが、2020年12月に設定されたPHEVモデルではPHEVカテゴリー累計販売台数世界一を誇るアウトランダーPHEVと同様のシステムを採用。

 前後1基ずつの高出力モーター、大容量駆動用バッテリー、2.4リッターMIVECエンジンなどで構成するツインモーター4WD方式を継承するとともに、エクリプス クロスに合わせて制御を最適化。電動車ならではの滑らかで力強い加速、軽快感と安心感のあるハンドリングを実現している。

 また、駆動用バッテリーは13.8kWhで、日常生活の大半でEV走行を可能とする57.3kmのEV航続距離(WLTCモード)も達成している。

 加えて、エクリプス クロスのアドバンテージのひとつといえるのが車両本体価格。ここで紹介する他の4モデルは軒並み500万円超であるのに対して、エクリプス クロスのPHEVモデルは最上級グレードのPで451万円、廉価グレードのMに至っては384万8900円とSUV×PHEVモデルのなかではもっともリーズナブルなのだ。そう思うと、エクリプス クロスも十分にアリな選択となるのでは!?

次世代のレクサスデザインが凝縮されたRX 450h+が早く見たい!

群雄割拠のPHEV市場を制するのはどいつだ?
クルマの素性を徹底的に鍛えあげることでレクサスならではの乗り味をさらに進化させた次期RX。独自性を追求したスピンドルボディという塊感のあるボディと冷却機能を両立するフロントグリルが一体となった造形はしっかりと継承されている

 2022年6月に発表されたレクサスのRX。

 通算5代目となる新型のRXは次世代のレクサスが目指す走りやデザインを追求した全面刷新を果たすべく、改良プラットフォームや新開発のサスペンション&高剛性ボディの採用、空力操安技術の導入などが大きな特徴となるが、カーボンニュートラル社会実現への貢献と多様化するユーザーのニーズに応えるべく、PHEVモデル(RX 450h+)が新たに設定されたこともトピックのひとつとなっている。

 高熱効率を誇る2.5リッター直列4気筒エンジンに大容量・高出力リチウムイオンバッテリーと前後モーターが組み合わせられたRX 450h+。リチウムイオンバッテリーは総電力量18.1KWhという大容量を誇り、クラストップレベルのEV走行可能距離と十分なパワーを両立しているのだという。

 また、大容量のリチウムイオンバッテリーを床下にレイアウトすることで低重心化と安定した質感のある走りも実現。駆動形式は4WDで、発進時や通常走行時にセンサーからのさまざまな情報を用いてリアに駆動力が必要なシーンを判断するモーター駆動式AWDのE-Fourを採用。前後トルク配分も100:0から20:80の間で緻密に制御してくれる優れモノだ。

 なお、RX 450h+は今秋の販売開始が予定されており、現時点では主要諸元や車両本体価格も公表されていないが、それだけにいやがうえにも期待は高まる。

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