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Image:Miguel Lagoa/Shutterstock.com

米マイクロソフト(以下、MS)はゲームパブリッシャー大手アクティビジョン・ブリザードの買収計画を完了させるため、世界各国の規制当局から、独禁法違反ではないとの承認を得るべく奔走している。それに対して、競合するソニーは反対意見を寄せて合併を阻止しようとしており、事実上「MS対ソニー」の一騎打ちとなっている。

そうして飛びかう資料のなかで、ソニーとMSともに次世代ゲーム機の投入が早くても2028年になると予想していることが明らかとなった。

ソニーは10月28日付けで、英競争市場庁(CMA/正取引委員会に相当)に意見書を提出。その中でMSがアクティビジョン買収に成功した場合、2027年までPlayStationにアクティビジョンのゲームを残す、と申し出たと述べている。

それに対するソニー側の主張は、そのタイミングであれば次世代PlayStation(PS6)は、超人気IP「Call of Duty」(以下、CoD)シリーズを初めとする人気タイトルなしに発売されることになり、プレイヤーがXboxに乗り換えることを促進し、自社の競争力を低下させる恐れがあるとの趣旨だ。ソニーはPS6の発売時期にも言及しており、その箇所は黒塗りされているが、文脈から2027年以降だと推測される。

Image:CMA

これまでのゲーム専用機のライフサイクルを振り返ると、PlayStationsはおおよそ6~7年といったところだろう。初代は1994年発売、PS2は2000年、PS3は2006年。そしてPS4発売(2013年)からPS5登場(2020年)までは、約7年ほどの間隔が空いている。そこから考えれば、PS6が2027年以降になることは理に叶っている。

かたやMSもCMAへの回答のなかで、ゲーム機が世代交代する時期にユーザーが乗り換える可能性に異論はないとしつつ「約8年に1度の出来事」「次世代ゲーム機の発売は、早くても2028年秋以降になると予想される」と述べている。つまりソニーとMSともに、PS6やXbox後継モデルが2027年までに投入されることはあり得ない、という点で一致しているわけだ。

それを前提とすると、PlayStation事業トップがMSからCoDシリーズの新作を「現行の契約期間が終わった後、3年間」提供するとオファーされたことに不満を表明した件が読み解けるだろう。2028年以降のPS6ではCoD新作が遊べない可能性が高くなるのだから、その条件ならば呑めないとも推測される。

その後MSはソニーに、アクティビジョン買収が成立した場合は、今後CoDシリーズをPlayStation向けに10年間は提供し続けるとソニーに提案している。これにつきソニーはコメントを控えているが、10年後であればPS6も発売されているはず。今後の両社の駆け引きを見守りたいところだ。