NVIDIAのGeForce RTX 4090では新しい種類の電源コネクターである『12VHPWR』電源コネクターを採用し、最大600Wの電力供給まで可能としていますが、このRTX 4090に搭載されている12VHPWRが溶損する事例が海外で報告されたようです。
12VHPWRとGeForce RTX 4090
NVIDIAが2022年10月12日に発売した最新鋭かつ最上位GPUであるGeForce RTX 4090ではCUDAコアは16384コアで動作クロックはベースが2235 MHz、ブースト時が2520 MHz、VRMは21.2Gbpsで動作するGDDR6Xが24GB、バス幅384-bitという仕様から非常に高いパフォーマンスを発揮するモデルになっていますが、消費電力は450Wで瞬間最大で600W程度で動作するなどパフォーマンスと引き換えに高い消費電力量になっています。
そのため、従来まで採用されていたPCIe 8pin電源では1口に150Wと複数搭載しても対応しきれない事からRTX 4090では1口で最大600Wまで供給が可能な『12VHPWR』と呼ばれる新しい電源コネクターが採用されていますが、今回、RTX 4090に搭載されている12VHPWRが発煙し、溶損するという不具合が海外のReddit上で報告されています。
8pinから12VHPWRに変換するケーブルとRTX 4090側の電源コネクターが溶損。原因は現時点では不明
NVIDIAの情報を取り扱うReddit上にてユーザー名、reggie_gakil氏がNVIDIA GeForce RTX 4090の電源コネクターおよび8pinから12VHPWRへ変換するケーブルが溶損した画像を投稿しました。
このグラフィックカードはGigabyte GeForce RTX 4090 Gaming OCと見られており、グラフィックカード側では12VHPWRのPin1~3、4,5付近が溶損し、12VHPWRケーブル側ではPin1~3、4,5に加えSense 4ピン付近が溶損している様子が捉えられています。
reggie_gakil氏によると、Red Dead Redemption 2をプレイ中にRTX 4090が発火し、グラフィックカード側の電源コネクターや電源ケーブルが溶損したとの事です。
現在、reggie_gakil氏は溶損したRTX 4090についてRMA(保証返品)をかけており詳細についてはまだ明らかにされていないとの事です。
12VHPWRは繊細? 折り曲げで溶損する事例が業界団体から報告あり。
発売から2週間も経っていないRTX 4090が発火、溶損する事例が出現していますが、12VHPWRが溶損する事例は過去にも発生しているようで12VHPWRの規格策定を行ったPCI-SIGが12VHPWRの取り扱いについて各メーカーに対して注意喚起を行っているスライドが9月頃に流出しています。
12VHPWRが溶損する事例はNVIDIAが社内でのテスト中に発見したようで、12VHPWRケーブルをコネクター端子から30mm程度先で折り曲げて12VHPWRを接続した際に、異常発熱し最終的にはケーブルの溶損に繋がるとの事です。
PIC-SIGの調査結果によると、折り曲げた方向や角度によって溶損するケーブルの場所が変わるものの異常発熱は電力供給開始から約2.5時間以内に観測され、溶損は10~30時間の間で発生するとの事です。
なお、この事例では600Wの電力を連続的に流し続ける試験となっているため、一般的な仕様状況とは異なっています。また、過度な折り曲げが無い状態では発熱や溶損については確認できなかったとのことです。
このPCI-SIGが調査した溶損原因については、ケーブルを過度に折り曲げる事で一部のピンが均等に電極と接触せず適切な電流が流れず、残りの電源ピンに過大な電力が流れてしまう事で異常発熱や溶損が発生したと推測しています。
このPCI-SIGの事例は600Wを連続的に流し続けるという特殊なケースではあるものの、ケーブルを折り曲げる行為が12VHPWRの場合には溶損などに繋がる事例が出ている事から、RTX 4090など12VHPWR搭載グラフィックカードでMini-ITXなど小型PCを作ったり、ケーブルマネージメントを行う際には曲率が大きい配線方法は控えるなどしておくことをお勧めします。
今回のRTX 4090の溶損事例ではまだ詳細は分かっていないものの、投稿から4時間で既に1000件を超えるupvoteを獲得しており、自作PCユーザーの関心を集めている状態になっています。この溶損について原因など詳細は不明ですので何とも言えませんが、12VHPWRについては曲げに弱いとPCI-SIGも懸念しているため、RTX 4090など12VHPWRコネクターを使うグラフィックカードを持っているユーザーは念のため極度に曲げられた状態で搭載されていないか確認した方が良いかもしれません。
特に、RTX 4090では横幅が広いグラフィックカードも多いためPCケースの幅によってはパネルを閉じた際に電源コネクターを押しつぶす形になる場合もありますので注意してください。
すぐに買えるかは分かりませんが、新型PS5と言われている『CFI-1200』のエントリーがAmazonで開始されていますので、欲しい方は早めのエントリーする事がオススメです。
投稿 折り曲げ厳禁? GeForce RTX 4090の電源コネクターが溶損する事例出現 は ギャズログ | Gaz:Log に最初に表示されました。