SNS上でトヨタGR86の生産終了が噂されている。最初にその情報を報じたアカウントによればディーラーが2023年6月に生産終了という情報を発したという。1000以上のリツイートをされ、多くのファンが騒然としているがベストカーWebでは実際のところを探ってみた。
2021年10月に発売されたGR86が生産終了になるなんてあり得るのか!? 今回はジョー城ケ崎さん、そして編集部の独自調査で真相をお届けしたい。
文:ジョー城ケ崎/写真:トヨタ
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■ウワサの発端は販売店でのオーダーストップ情報
2022年7月、86の登場10周年を記念し、特別仕様車「RZ”10th Anniversary Edition”」が発表された。予約注文は7月24日から9月30日までの期間限定。プレスリリースには、期間限定ではあるものの、台数限定といった記載はない。特別仕様車の発売(生産・納車引き渡し)は、2023年初頭以降となっている。
しかし、9月30日まで受け付けられるはずだった特別仕様車への予約注文受付が8月21日をもって急遽終了したのだ。GR86の公式ページには「生産能力を大幅に上回る注文をいただいているため、8/21(日)で受注受付を終了させていただきました。」と記載されている。
予定していた期間よりも1か月以上も早い予約受付終了に、周辺がざわつき始めた。さらに追い打ちをかけたのが、通常モデルのオーダーストップだ。
特別仕様車の早期受付終了に加えて、ノーマルモデルがオーダーストップという話が重なり、噂は生産終了というところまで大きくなったらしい。
■オーダーストップの理由は生産枠で時間が解決する
事実として、GR86のオーダーは止まる。既に注文を受け付けていないディーラーもあり、まだ注文できるディーラーでも、間もなく受付停止となる模様だ。
今回のオーダーストップの原因は、来年春までのGR86生産枠が全て埋まったことにある。2022年9月末現在、GR86の納期は6か月以上と比較的長い。今、GR86を注文しても、注文したクルマが生産されるのは2023年に入ってからだ。
GR86は、特に生産枠の管理が厳密であり、今注文したものは、来年春の生産枠に組み込まれる予定だった。この枠が埋まり、生産計画台数を超過してしまうことを避けるため、オーダーストップという措置を取っている。
GR86は登場からわずか2年しか経っていない。2022年5月には一部改良も受け、まだまだこれからのクルマである。本件に関しては、今年度分の生産台数を越えたため、「一旦、受注停止します」という表現が正しいようだ。
GR86が金輪際作られなくなるといった、生産終了ではないことを、まずは読者の方へお伝えしておきたい。
■改良をする時期が難しいというメーカーの事情も
これまで、1年ごとの年次改良をベースに、進化を続けてきた86。この流れはGR86となっても変わることは無いだろう。
年次改良はユーザーにとっては嬉しいのだが、生産側にとっては管理が大変だ。加えて昨今の部品調達不良による長納期化が、「いつ、どこまで現行型を作り続けられるのか」「どのタイミングで改良を行うのか」という判断をさらに難しくしているのだろう。
トヨタとしても、注文が入るクルマに関しては、どんどんと生産をして販売したい。しかし、注文を受け続けても生産量が増やせなければ、バックオーダーがたまるばかり。納期は長くなり、ユーザーからの視線は厳しくなる。
さらに、生産を続けるということは改良の機会を失うということにもつながる。法規や環境問題、あるいはユーザーからの声を反映させ、常に(各方面へ)いいクルマを作り出すためには、改良・改善のタイミングが必要だ。
溢れんばかりのオーダーをいただいたら、次期型へ向けての準備を並行して行うため、早めの店じまいをするのは当然の動きだろう。
来春予定の生産枠を作り終えたら、何かしらの変更が加わった次期型GR86が登場するはずだ。変更の規模がどの程度かは、まだわからないが、GR86が姿を消すわけではないと思う(消えるという話は聞こえてこないし、そんな雰囲気も感じられない)。
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