11月26日、ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookに参戦するROOKIE Racingは、2023年のスーパー耐久参戦体制について発表した。来季もカーボンニュートラルに向けた取り組みとして、ORC ROOKIE Racingとして水素エンジンを搭載するORC ROOKIE GR Corolla H2 concept、カーボンニュートラルフューエルを使うORC ROOKIE GR86 CNF Conceptの2台をST-Qクラスに投入するが、新たに中国の中升集団(ゾンセングループ)をメインパートナーとし、なんとST-XクラスにメルセデスAMG GT3を投入することになった。
ROOKIE Racingは、トヨタ自動車の豊田章男社長が自らオーナーを務めるレーシングチームで、2018年にスーパー耐久に参戦を開始。2020年からはスーパーGT、スーパーフォーミュラへの参戦も開始すると、2021年からは自社体制にスイッチ。富士スピードウェイそばにさまざまな思いを込めた新ファクトリーを建設し、多岐に渡る活動を展開している。
迎える2023年に向けては、すでにスーパーGT、スーパーフォーミュラについてはTOYOTA GAZOO Racingの活動発表のなかで触れられているが、スーパー耐久については、ROOKIE Racingから発表された。
まず、2021年からスタートしたカーボンニュートラルへの取り組みがORC ROOKIE Racingとして2023年も継続される。水素エンジンを積むORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptが来季も参戦するが、トヨタによればすでに現在の気体水素に対し、新たに液体水素を積む車両のテスト走行を開始しており、この登場にも期待がかかる。ドライバーは佐々木雅弘/TBA/石浦宏明/小倉康宏という組み合わせとなった。
一方2022年から参戦を開始し、次世代車両の開発、さらにカーボンニュートラルフューエルのトライを行いながら、スバルBRZと激しい戦いを展開してきたORC ROOKIE GR86 CNF Conceptも継続して参戦することになった。ドライバーには、チーム復帰となる山下健太、大嶋和也の名が記され、残す2名はTBAとされている。
そしてなんと言っても驚きなのが、新たにST-XクラスにメルセデスAMG GT3が投入されるということだ。豊田章男社長がオーナーを務めるチームが、まさかのドイツ車を投入する。これはアジアでのモータースポーツをともに盛り上げるという狙いがあり、2022年第2戦富士からチームの仲間に加わった、中国の中升集団がメインパートナーとなる。
こちらのチーム名は『中升 ROOKIE Racing』となり、ドライバーにはGT300でメルセデスの豊富な経験をもつ蒲生尚弥と片岡龍也、そして新たにチームに加わる平良響がドライブ。AドライバーはTBAとされた。カーナンバーはGT500、スーパーフォーミュラ同様『14』となった。
また2023年は、それぞれ各車にドライバー兼任監督が就任することになった。32号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは石浦が、28号車ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptは大嶋が、14号車中升 ROOKIE AMG GT3は、今季チーム全体の指揮を執っていた片岡が監督兼任となる。
チームは2023年、『モータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくり』、『世界で戦えるクルマ屋集団を作る』、『モータースポーツ産業を魅力あるものに再興する』というコンセプトを掲げ、ROOKIE Racingが目指す姿を体現すべく、『ワンチーム』で臨んでいく。
ROOKIE Racing 2023年スーパー耐久シリーズ参戦体制
■ORC ROOKIE Racing
ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept
クラス:ST-Q
カーナンバー:32
監督:石浦宏明
ドライバー:佐々木雅弘/TBA/石浦宏明/小倉康宏
ORC ROOKIE GR86 CNF Concept
クラス:ST-Q
カーナンバー:28
監督:大嶋和也
ドライバー:TBA/山下健太/大嶋和也/TBA
■中升 ROOKIE Racing
中升 ROOKIE AMG GT3
カーナンバー:14
監督:片岡龍也
ドライバー:TBA/蒲生尚弥/片岡龍也/平良響/TBA