すでにアップルが年内の新製品をほぼ出し尽くした(新型Mac登場の可能性は低くないが)と見られるなか、2023年の「iPhone 15」シリーズのうちProモデルのRAMは8GBに増え、USB-Cポートが搭載されるとともに複数のカメラが改良されるとの噂が報じられている。
台湾の市場調査会社TrendForceは、iPhone 14シリーズの売上を分析するプレスリリースの中で翌年のiPhone 15シリーズについても予想を述べている。
それによれば、iPhone 15は引き続き4モデル構成であり、2つのProモデルのみが最新プロセッサーを搭載するのも今年と同じとのことだ。すなわちiPhone 15 Proモデルは「A17 Bionic(仮)」チップを、標準モデル2つはA16 Bionicを搭載すると示唆している。
iPhone 14世代での「標準モデルとProモデルの、搭載プロセッサーによる差別化」戦略は今後も続くことは、有名アナリストMing-Chi Kuo氏も予想していることだ。
さらにTrendForceは15 Proモデルの搭載RAM容量につき、14 Proモデルの6GBから8GBに増えるとの見通しを述べている。標準モデルは、今年に続いて6GBのRAMを搭載することになりそうだ。
またProモデルのみ、Lightning端子からUSB-Cポートに変更されるとのこと。こちらは欧州連合(EU)がスマートフォンの充電端子としてUSB-C採用を義務づける法案を可決したことで、アップルも従わざるを得ないとの予想を再確認した格好である。
そしてカメラについては、「iPhone 15 Pro Max」のみペリスコープ望遠レンズを搭載し、光学ズームは現行の3倍から10倍以上に引き上げられるという。これもKuo氏ほか複数の情報源が伝えてきた観測と一致しているが、両Proモデルともメインカメラは「7P」(7枚重ねのレンズ)から「8P」に強化されるとの予想は目新しい。
最後に、iPhone 15シリーズにはアップル独自開発の5Gモデムは採用されず、依然としてQualcomm製モデムが搭載されるとのこと。同社が自社製5Gモデムを導入するのは2024年のことだという。
アップルがソフトとハードの統合を高めつつ、利益率を改善するために独自の5Gモデムチップを開発していることは、数年前から噂されていた。しかし諸々の事情から開発が難航しており、iPhone 15に間に合わないことはKuo氏も予想していることである。
今回の情報は、iPhone 15の最上位モデルが「Pro Max」ではなく「Ultra」と呼ばれ、6.1インチのProモデルと差別化されるとの観測を補強するものだ。かなりの高価格化もあり得そうだが、旧モデルも安価で併売し続ければ、アップルにとってなんら問題はないのかもしれない。
- Source:TrendForce
- Source:MacRumors