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アウディはドリフトキング ケン・ブロックのためにドリフトマシンを開発した。その名はAudi S1 e-tron quattro Hoonitron。パイクスピークなどで活躍した、伝説的なラリーマシンであるAudi Sport quattro S1を意識した外観が特徴だが、中身はまるで違う驚異の電動マシンだ。

開発を担当したのは、ネッカーズルムのAudi SportチームとAudi Designチームだ。Audi S1 Hoonitronは「S1」の名がついているが、そのホイールベースはAudi A1 Sportbackよりも短い2.4m未満で、回転しやすくなっているのは言うまでもない。フロントおよびリヤアクスルにはコンベンショナルなマクファーソンストラットを採用している。

モチーフにしたAudi Sport quattro S1

電動4輪駆動システム:MGU(モータージェネレーターユニット)を2基搭載

過激な走りを実現するパワートレインは、アウディの市販PHEV用の高電圧バッテリー4台が駆動システムに電力を供給。各バッテリーの容量は14.4kWh、合計容量は57.6kWh、作動電圧は800Vだ。そして、MGU1基あたりの重量は、トランスミッションを含めてわずか55kgしかない!

フロントおよびリヤアクスル間のパワーは、可変配分となっており、ドリフト走行においてもニュートラルなステアリング特性を実現し、意のままにマシンを操ることが可能となっている。

・各MGUは250kWの最高出力と320Nmの最大トルクを発生。その合計出力は500kW、合計トルクは640Nm。
・電気モーターの最高回転数は28,000rpmで、エンジニアリングチームはドリフト走行用に、約12:1のギア比を設定。これにより、パワー損失を考慮しても、前後アクスルに伝達されるパワーは合計で約3,000Nm、トルクは6,000Nmとなる。
・この強大なトルクにより、ケン ブロックによる素晴らしドリフト走行が可能になり。最高速度は200km/h以上に達する。

ケン ブロックがAudi S1 e-tron quattro Hoonitronでラスベガスをドリフト走行する。
圧巻の走りは動画で!

勝つことが目的ではない、このAudi S1 e-tron quattro Hoonitronは、アウディの長いモータースポーツ史の中でも極めてユニークな存在となった。

その過激かつ美しい走りを動画で観て欲しい。

Text:アウトビルトジャパン
Photo:アウディ ジャパン