「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる!」
「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読みきれるので、毎日1テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。
そうぞう‐りょく【想像力】
想像する能力や、心の働き。「―を働かせる」カント哲学で、感性と悟性という二つの異質な能力を媒介する能力。構想力。大辞泉参考
トコロ辞典的「想像力」の解釈
合理性や効率だけを追求してしまうと、育ちにくいモノ。日々起きるさまざまな出来事に「何で」と疑問を持つことによって、想像力は育っていく。誰もが知っている有名な童話にも疑問を持ち、自分なりにストーリーを解釈することで、想像力は磨かれる。
■想像力は非合理的
ここ最近、東大生クイズ的な番組が増えています。私はあれのどこが面白いのかさっぱりわからない。東大生的な人には楽しいでしょうが……。
西暦何年であるとか、その人が単に覚えている情報の量を比べ合うことに、なんの意味があるのでしょう? 正解は辞書や百科事典に載っているわけですから。クイズ番組というのは、解答者が誰も思いつかない予想外の答えを出すとか、正解では無いけれど納得してしまうような答えを出すところが、ゲームとして面白いものなのです。
たしかに正確に回答する力はすごいのですが、枠内の答えだけではつまらないのであります。たとえば、答えを出す速さを競う。問題が出る前に答えを出しちゃうのが面白い。その昔、私はクイズ番組で問題が出る前に正解を出したことがあります。何故そんなことができるんだ!? と驚かれましたが、番組の流れやスタッフの性格を考え、きっとこれだろうというのを想像していたのです。
要は想像力があるかどうか? ということ。たしかに東大など高偏差値の大学に入るのは、社会的には大したことです。本当にスバラシイことです。しかし、人として考えた場合には、学歴という物差しですべてが測れるわけではありません。勉強ができる人は合理性とか効率だけを考えて行動してしまいがちなので、想像力がなくなってしまう。
だから高学歴で超優秀な官僚なのに、セクハラしたり、嘘を隠すために頓珍漢な答弁をしたりする。きっと、自分が馬鹿だと思われることを想像できないのでしょう。
【写真7枚】一家に一冊!? 思わずうなづく、所さんの「名言」たち。
■想像力の源は疑問だ
世の中がどんどん合理化されて、想像力のない世界になっていってると感じることはたくさんあります。たとえば「カットフルーツ」。皮を剥いたり、切る必要もないのでゴミも出ない。たくさんの種類の果物が入っているので経済的にも良い。
しかし何で切ってあるのでしょうか? もしかしたら傷んだ果物を集めてきて、食べられない部分だけを取り除いて入れてあるかもしれない。実際にはそうではないかもしれないけれど、私はそんなふうに想像します。
たとえ1種類でもいいから、自分の目で選んだ果物を切って剥いたほうが、食べるときの家族の笑顔が想像できる。合理的ではないけれど、幸せを感じることができる。
最近流行っているキャンプも、トイレ、水道が完備され、電源もあるところが人気だそうです。子どもに自然を体験させようというのが本来の目的なのに、飲み物はペットボトル、食べ物はコンビニで買ってきて、煌々と電灯をつけて、みんなスマホをいじっているという始末。それじゃあ、家と同じでしょう。キャンプというのは「野宿」です。
湧き水を探す、川で魚を釣って食料を調達する、火を熾して料理する。そういう作業を体験することが大事なのです。トイレだってそう、川でするのか? それとも草むらでするのか? いずれにしても恥ずかしい……。合理的な普段の生活ではできない体験が大切な思い出になるのです。
合理性ばかり追求すると、おしなべて平坦な暮らしになる。日常の話題だって、スマホのニュースで知ったことばかり、天気で言うと「今日は晴れですね」で終わってしまうような「だから何?」というような話をしている。「こういう天気の日は、魚がよく獲れるって漁師さんが言ってましたよ」「へえ、どうして?」「それはですね……」というくらいの話ができるようにならなくちゃいけない。
そのためには、シャイだとか言ってないで旅先で漁師さんと話をしなければいけない。日常に起きる細々としたことに「何で?」と疑問を持っていかなければならない。それは面倒なことですが、効率と合理性ばかりの人生より何倍も楽しいはずです。
■最近考えたこと
細々としたことと言えば、私は先日、有名なイソップ寓話の『金の斧』という話に何で? と疑問が湧きました。正直者の木こりは神様から金の斧をもらえたのに、嘘をついた木こりはもらえなかったばかりか、自分の斧まで失ってしまい、強欲や嘘は良くないという話ですが、なんで神様は池の底で金の斧や銀の斧を準備してまで、そんなトラップを仕掛けたのか?
そもそも木こりは何故、手を滑らせて斧を池に落としたのか? プロとして失格ではないか? さらに、村に帰って「金の斧をもらったよぉ」と自慢したのがいけない。誰だって金の斧は欲しいので、嘘をついた木こりはそんなに悪いやつではない。つまりこの話は「自慢してはいけませんよ!」というのが本当の教えなのだ、と納得。こうやって、いろいろ想像してみると楽しくなってくるということなのです。
所さん的「想像力」の続きは、所ジョージの世田谷ベース vol.50をご覧ください!
所ジョージの世田谷ベース vol.50
定価:1,020円
本誌購入は以下より
https://amzn.to/3b9WGBa
世田谷ベースステッカー付き!
・掲載テーマ
あいそ【愛想】
あつ‐くるし・い【暑苦しい】
いそがし・い 【忙しい】
おとしあな【落とし穴】
おも‐しろ・い【面白い】
おもい‐つ・く【思い付く】
おんきせ‐がまし・い【恩着せがましい】
かた‐づ・ける【片付ける】
かんが・える【考える・勘える】
き‐しょう‐てん‐けつ【起承転結】
クリエーティブ【creative】
クレーム【claim】
けっ‐こん【結婚】
けん‐ぜん【健全】
こ‐せい【個性】
ころばぬさきのつえ【転ばぬ先の杖】
し‐あわせ【幸せ・仕合(わ)せ】
じっ‐しつ【実質】
しっ‐ぱい【失敗】
じょう‐ほう【情報】
そうぞう‐りょく【想像力】
ちゃく‐ち‐ てん【着地点】
て‐ま【手間】
てい‐ へん 【底辺】
てん‐ごく【天国】
ととの・う【整う】
のり‐しろ【糊代】
ヒーロー【hero】
ひにちじょう(せい)【非日常(性)】
ひょう‐げん【表現】
べん‐り【便利】
まと‐はずれ【的外れ】
まん‐ぞく【満足】
め‐くじら【目くじら】
メリット【merit】
やくにたつ【役に立つ】
やり‐なお‐す【やり直す】
よ‐ゆう【余裕】
ルール【rule】
わ・る【割る】
投稿 【所さんの世田谷ベース】「高学歴」「超優秀」な「官僚」が「セクハラ」をするのはなぜ? 所さんが解説!【新解釈トコロ辞典】 は CARSMEET WEB に最初に表示されました。