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 興和は26日、抗寄生虫薬「イベルメクチン」に新型コロナウイルス感染症治療薬としての有効性が確認できなかったと発表した。2021年11月から行っていた治験の主要評価項目で統計的な有意差が認められなかった。同日都内で会見した三輪芳弘社長は「この結果では承認申請はできない。結果を受け入れなければならない」と話した。

 治験は昨年11月~今年8月、軽症患者1030人を対象に偽薬(プラセボ)と比較する二重盲検試験を実施した。オミクロン株が主流とみられる治験対象者の症状は投与開始から4日前後で軽症化が認められたが、有効性を見いだせなかった。三輪社長は今回の結果から「オミクロン株では集団免疫がかなりある」と説明した。

 イベルベクチンは2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した北里大学の大村智特別名誉教授らが発見した抗生物質。興和は試験結果のデータ解析を進めており「新たな可能性が確認できれば検証を続ける」としている。

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