毎月足しげく新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回は次期型トヨタ アルファードの発売時期、気になる日産セレナの動向、絶好調の滑り出しを見せているダイハツ ムーヴキャンバス、マイナーチェンジを控えたホンダ フィット、ノア/ヴォクシー&新型クラウンの納期…などなど、国内をまとめてお届けします!!
※本稿は2022年8月のものです
文/遠藤徹、予想CG/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年9月26日号
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■トヨタ 次期型アルファードは2023年5月に発売
次期型アルファードは、2023年5月の大型連休明けにデビューすると販売店筋には伝えられています。
商品内容の詳細までは明かされてませんが、新開発のTNGAプラットフォームを採用し、パワーユニットは新型クラウンで採用される2.5L&2.4Lターボハイブリッドとなる模様です。
FF車のほか、4WDも同時にラインナップする見込みです。
先進安全性能や利便性の向上についても、新型クラウンと同等かそれ以上の装備を標準ないしはオプションで設定するものと思われます。
■日産、モデル末期のセレナが同クラスのトップセラーに!
セレナが7月の販売台数でライバルのステップワゴン、ノア/ヴォクシーを上回り、同クラスのトップセラーモデルとなりました。
7月の販売台数は、セレナが6359台(前年同月比19.3%増)、ステップワゴン6117台(同128.9%増)、ノアが5010台(同14.7%増)、ヴォクシーが4034台(同36.3%減)で、それほどの差はありませんが、セレナは最も多く売れました。
セレナは来年早々にフルモデルチェンジを予定しており、現行モデルはe-POWERのVセレクションのみに生産が限定され、実質的には在庫一掃セールに入っています。
これに対し、ノア/ヴォクシーは今年初めに、ステップワゴンは今年5月下旬に、それぞれフルモデルチェンジして、多数のバックオーダーを抱えています。にもかかわらず、モデル末期のセレナよりも売れていないというのは不自然です。
その理由を首都圏のトヨタとホンダ販売店の営業担当者に聞いてみると「半導体などの部品供給の遅れで、スムーズに新車の供給ができていない」とコメントしています。
供給不足が解消されれば、人気モデルのため、もっと販売台数は伸びるはずです。
■日産、セレナを一部改良 現行型をさらに3カ月間生産継続
日産は9月にもセレナを一部改良します。
11月までに排ガス&騒音規制強化の法規対応をする必要があるためです。しかしセレナは来年早々にフルモデルチェンジを予定しているため、現行モデルは12月までの生産となり、以降は新型に切り替えるという異例の措置になります。
9月の改良モデルは1.2L・e-POWER車に限定される可能性があります。
■トヨタ、新型クラウンの納期は1年待ち
トヨタが7月15日に発表した新型クラウンは9月から受注をスタートさせます。
すでに予約の受付は開始しており、見積書の作成が可能な状況で、8月中旬現在の予約台数は全国で約1万台に達していると推定されます。予約による初期受注分の納期は1年後の来年8月頃となり、好調な出足を見せています。
現在までのところ2.4Lターボハイブリッドと2.5Lハイブリッド車の受注はおおよそ半分ずつの割合となっています。ボディカラーは、多くがホワイトパールで占められています。下取り車は、歴代クラウン、マークX、カムリなどが目立っています。
■ダイハツ 新型ムーヴキャンバスがシリーズの主役に
ダイハツが6月にフルモデルチェンジした、ムーヴキャンバスの売れゆきが絶好調の滑り出しを見せています。
最新の受注状況ではムーヴシリーズ全体のなかで80%を占める構成比となっています。
現行2代目はプラットフォームなどの基本コンポーネンツを刷新し、新たに走りのポテンシャルを高めたターボ仕様をラインナップに加えたことで、男性ユーザーを含めた購入層の広がりを見せています。
今後、フル生産に入ればシリーズ全体では月販1万台以上に達し、タントと並ぶダイハツの主軸モデルに浮上する可能性があります。
■軽EVの日産 サクラは日産の救世主になる?
日産の新型軽EVのサクラは絶好調の売れゆきを見せています。
目標ではベースモデルである軽自動車、デイズの月販3000台程度を目指していましたが、8月上旬現在の受注累計は推定2万2000台規模に達しており、納期は6カ月待ちの来年2月以降に延びているのです。
さらに国の補助金55万円分の予算枠は10月末で消化してしまい、補助金が受けられない可能性があります。
ただ、地方自治体の補助金や日産で実施しているキャンペーン効果もあるため、今後の受注ペースも加速しそうな趨勢となっています。
サクラの7月の販売台数は3319台で、軽乗用車ランキングの13位となっています。さらに今後どこまで浮上するか注目されます。
■ホンダ、10月1日にフィットをマイナーチェンジ
ホンダは10月1日の発表・発売でフィットをマイナーチェンジします。
今回は現行モデル発売後2年半以上が経過することから、中規模の改良となります。
主な変更点としては、新シリーズ「RS」の設定、クロスターのSUVテイストの強化、エンジンラインナップやボディカラーの再編などを実施します。
RSは上質な走り、スポーティなデザインなどで仕立てます。
駆動方式はFFのみ。パワーユニットは1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッドのe:HEVで、モーター出力をアップするとともにアクセルの応答性を向上させます。これにより駆動力と加速感を高め、走りの爽快さをもたらしています。
また、安全運転支援システムのホンダセンシングも機能を強化し、渋滞時運転支援機能を加えて、これを全車に標準装備します。
パワーユニットは従来設定していた1.3Lガソリン車を廃止します。これにより改良型フィットは1.5Lのみのラインナップとなります。
ボディカラーは、新たにモノトーンのストレートグレー・パールがRSとクロスターに設定され、2トーンのストレートグレー・パール&ブラック(ルーフ)をクロスターに追加します。
車両本体価格は7万円程度のアップとなります。
■トヨタ ノア/ヴォクシーの納期がさらに延長
トヨタが年初に一新したノア/ヴォクシーの人気がますます加速していて、納期がさらに延長しています。
8月中旬現在の納期はハイブリッド車が来年6月、ガソリン車が来年2月で、1カ月前よりも2カ月以上も延びてしまっているのです。
ノアとヴォクシーでは、販売推移を見ると同程度ですが、受注ピッチではノアのほうが加速傾向にあることが窺えます。バックオーダーは両モデル合わせて10万台以上に達していると推定されます。
納期遅れの要因は人気の高さに加えて、半導体などの部品の供給が遅れて、生産に滞りが生じているためで、今後さらに納期が延びる可能性もあります。
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