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 全日本トラック協会が主催する「全国トラックドライバー・コンテスト」が10月22日・23日の2日間にわたって開催された。

 今年で第54回を迎えたトラックドライバーコンテストは、顕著な功績をたたえる内閣総理大臣賞が用意されている栄誉ある大会。

 予選となる都道府県大会を勝ち抜いた選手達は、日本一のプロドライバーの座を目指し、全国大会が開催される茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センターで超難関ともいえる競技に挑んだ。

文/フルロード編集部 写真/フルロード編集部&全日本トラック協会


今年は126名のトラックドライバーが全国大会に出場

 今大会は、約1000名のトラックドライバーが参加した都道府県大会の予選を勝ち抜いた総勢126名(前年は108名)の選手が全国大会に出場。

 部門別には4トン部門40名、11トン部門43名、トレーラ部門26名、女性部門17名の選手が参加し、自動車安全運転センターで各部門の実科競技と学科競技に挑んだ。

 学科競技の競技内容は交通法規40問、構造機能20問、運転常識20問、計80問からなるペーパーテストで、配点は400点。

短答式ペーパーテストの学科競技に挑む選手たち

 いっぽう実科競技は2日間に渡って行なわれ、初日の内容は車両点検(フロントタイヤのみ)、街地の簡易コース走行、隘路走行と前進でのスラローム走行の課題走行を実施。

 2日目は交通法規に則った市街地走行と、後退でのスラローム走行・S字バックからの車庫入れの課題走行という内容で、実科競技合計の配点は600点だ。

初日の課題競技の一つ、隘路走行。時間制限もあるので速やかに通過しなければならない
2日目の課題競技、後退でのスラローム走行。連続してS字バック、車庫入れまでを行なう

11トン部門の優勝者が内閣総理大臣賞を獲得

 前回大会よりも参加者は増加したものの、依然コロナ禍の影響もあり参加者は平時よりもやや少ない。とはいえ全国大会は総じてレベルが高く、今大会の学科競技は平均点が351点(前年は359点)最高点は400点満点が1名。実科競技は平均点が530点(前年は524点)最高点は597点となった。

 総合得点は平均点が881点(前年は883点)となり、最高得点となる982点を2名が獲得。この得点を出した11トン部門の西濃運輸尼崎支店の西林仁選手(兵庫県代表)が総合優勝を果たし、内閣総理大臣賞を獲得した。

10月24日には東京・新橋のホテルで表彰式を開催。総合優勝となる内閣総理大臣賞を獲得したのは11トン部門、西濃運輸尼崎支店の西林仁選手となった

 部門別には、4トン部門では日立物流西日本兵庫営業所の松浦龍樹選手(兵庫県代表)が882点、トレーラ部門ではバンテック港運事業本部港運事業部九州港運課の真浦将利選手(福岡県代表)が972点、女性部門では岡崎通運上郷ロジネットセンターの草野真理子選手(愛知県代表)が965点を出し優勝した。

 なお4トン部門と11トン部門は同率であるが、大会では順位の決定方法を、5年間で無事故無違反、運転技能得点が高い者、すべてが同点の場合は年齢が高い者とすると定めている。

 トラックドライバーコンテストでは大手運送会社が圧倒的な強さを見せるが、近年のトラックドライバーコンテストは中小企業の活躍も目覚ましく、入賞者(1~5位までを表彰)に中小企業が名を連ねることも珍しくない。

 そんな中小企業を奨励するためにドライバーコンテストでは、国土交通大臣賞が設けられており、今大会では4トン部門で980点を出して2位となったカリツー刈谷北営業所、坪中貴之選手(愛知県代表)が同賞を獲得。

 また高齢者で優秀な成績を収めた選手に贈られる全日本トラック協会長特別賞は、11トン部門で973点を出して3位となった中京陸運弥富営業所(こちらも中小企業)の武田栄二選手(愛知県代表)が獲得した。

国土交通大臣賞を授与される4トン部門、カリツー刈谷北営業所の坪中貴之選手

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