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 2022年9月28日に突如として日産が「日産Z GT4」を動画で発表した。モータースポーツの現場ではすでに「既定路線」となっていたフェアレディZのGT4モデルだが、やはりその姿は壮観だ。

 そんなZ GT4はモータースポーツ専用モデルで公道を走行することはできないが、実はこのGT4の存在こそあのホットモデルの存在を裏付けるモデルとなりそうだ。

 今回は登場したZ GT4をメインに紹介しつつロードカーのホットモデルにも触れていこう。

文:ベストカーWeb編集部/写真:日産

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■グローバル水準のGT4モデルで世界を見据える

日産Z GT4の全貌がこれだ。基本的にはボディの拡幅などはなく、フロントとリアの空力付加物が特徴的なカテゴリー。市販車に極めて近い

 GT4はレーシングカーのカテゴリーで、ざっくり言えば市販車にかなり近い。基本的には後輪駆動のモデルで、エンジン排気量など基本的コンポーネントは市販車からの変更は認められていない。

 外観も基本は市販車の形状を踏まえつつ、リアウィングなどの変更が認められている程度の厳しいレギュレーションも存在する。これは高価格化が進んでしまったGT3マシンで離れたカスタマーを呼び戻すための施策で、価格も2000~3000万円程度が平均値だ。

スーパー耐久に参戦している「Zレーシングコンセプト」。フロントのカナードなどはないがGT4開発にもなんらか関わっているはずだ

 国内メーカーではGRスープラがGT4を設定するのみで、今回の日産Z GT4が二例目。また今回フェアレディZがベースにも関わらず車名が「日産Z」なのは左ハンドルがベースとなるグローバルレーシングカーと見るのが正しい向きだろう。

 日産とニスモは明言を避けてきたが、スーパー耐久では2022シーズンからこのGT4マシンのプロトタイプと思われるマシンがST-Qクラスで走っており、ワークスドライバーと共に着々と熟成を進めてきた。

■来たるべき「Z NISMO」とGT4の関係

市販車のジオメトリーに手は入れられないが、それだからこそ市販車のホットバージョン開発にもGT4はもってのカテゴリーでもある

 ベストカーは2022年の富士24時間レースの現場でニスモの役員へ取材をしたことがある。その際に「現在走っているST-QクラスのマシンはGT4ですか?」と聞いてみた。

「GT4かどうかはお答えできません。ただ我々はレーシングカーもロードカーも開発する立場です。いろいろな可能性を含んでマシンを走らせています」との回答を引き出すことができた。

 通常であれば「GT4ではない」とのコメントで終わりそうなものだが、あくまでロードカーの可能性も残した回答だった。当然ながらニスモの歴史は日産のモータースポーツの歴史でもあり、そのDNAをロードカーに生かすのが大きなビジネスモデルにもなっている。

 レース現場でGT4を鍛え、搭載するVR30DDTTエンジンなど多くのパーツの実走データを取得していくはずだ。その延長線上にはきっと必ずロードカーの「バージョンNISMO」があり、日産としてはGT-R NISMOのような高出力のホットモデルを意識するのは間違いない。

 新型フェアレディZがいったいどのように進化するのか、それもGT4マシンの活躍にかかっているかもしれない!?

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