今回、新たに設定された最上級グレードのe-POWER LUXION(ルキシオン)は479万8200円と、e-POWERハイウェイスターVに比べ約111万円も高い479万8200円。オプションや消費用を含めれば550万円オーバーとなり、とてもセレナとは思えない価格設定だ。
このルキシオン登場で、もはやエルグランドはいらないのか? ルキシオンの詳細な中身とともに、どこが凄いのか、迫ってみたい。
文/ベストカーWeb編集部
写真/奥隅圭之、ベストカーWeb編集部
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■プロパイロット2.0やプロパイロットリモートパーキングなど先進装備は全部入り
今回新設定されたLUXIONは、新型セレナの最上級グレードとして設定され、日産開発陣は「既存のエルグランドオーナーの方に乗り替えていただいても満足していただけるように開発しました」と答えている。
それにしてもe-POWERハイウェイスターVに比べ約111万円も高い479万8200円という価格は衝撃的だ。
11月1日に一部改良が行われた現行エルグランドの価格は2.5リッター(2WD)が379万9400~455万8400円。3.5リッター(2WD)が458万9200~537万9000円と、ほとんどのグレードでセレナルキシオンのほうが高くなっているのだ。
セレナと同じく、日本での販売終了となったオデッセイユーザーの顧客層を狙った、ステップワゴンの最上級グレード、e:HEVスパーダプレミアムラインは384万6700円、ノアの最上級グレードのハイブリッドS-Zは367万円だから、同クラスの最上級グレードよりもセレナルキシオンは約100万円近く高い。
ではe-POWERハイウェイスターVより約111万円高いのはなぜか? ミニバン初採用の同一車線の全車速ハンズオフが可能なプロパイロット2.0をはじめ、プロパイロットパーキング、プロパイロットリモートパーキング、インテリジェントアラウンドモニター、ドライブレコーダー内蔵のドライブレコーダーなどを標準装備としているからである(表参照)。
実際、日産営業マンは「X、XV、ハイウェイスターVの12.3インチ日産コネクトナビやナビリンク付きのプロパイロットなどセットオプションの価格が50万円近くするため、全部入りのルキシオンのほうが結果的にお買い得に感じる」と言っていた。
とはいえ、500万円クラスの高級車としては不満に感じるところもある。他車ライバルが標準もしくはメーカーオプションで設定している2列目シートのオットマンが標準で付いていなかったり(約4万円のディーラーオプション)、デュアルバックドアを採用する代わりなのか、ゲートの開閉が電動で行えないことが気になる。
しかし、そのスタイルからか、ステップワゴンプレミアムラインはオデッセイの代わりにはならない……と感じるが、新型セレナルキシオンは、エルグランドのスタイルに似ているせいか、エルグランドの代わりになるかも、と実車を見て感じてしまったのも事実である。
●e-POWERルキシオンの装備はテンコ盛り
LEDヘッドランプ(ハイ/ロービーム、シグネチャーLEDポジションランプ付き)オートレベライザー付き
ダークサテンフェンダーフィニッシャー、LUXIONエンブレム
シャークフィンアンテナ
プロパイロット2.0
プロパイロットパーキング
プロパイロットリモートパーキング
12.3インチカラーメーターディスプレイ
12.3インチコネクトナビ&6スピーカー
NissanConnectナビゲーションシステム(地デジ内蔵)/ワイヤレス充電
/インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物 検知機能付き)/
インテリジェント ルームミラー
統合型インターフェースディスプレイ
ドライブレコーダー(前後セット)/ETC2.0ユニット(ビルトインタイプ)
固定式センターコンソールボックス(アームレスト付き)
ヘッドアップディスプレイ(プロパイロット 2.0情報表示機能、カラー表示
木目調フィニッシャー(ブラック木目柄)
合皮シート
キャプテンシート
アンビエントライト(スライドドアトリム)
遮音ガラス〈フロントガラス+フロントドアガラス〉
■ルキシオンの走りは、ほかのグレードと違うのか?
エルグランドの代わりになるかも……と、その静粛性の高い走りからも感じさせたくれた。遮音ガラスがハイウェイスターVは、フロントガラスのみだが、ルキシオンはフロントドアガラスも遮音ガラスとなる点も大きい。
ルキシオンを試乗したモータージャーナリストの吉川賢一氏は、
「ルキシオンはプロパイロット2.0の緻密な操舵制御に合わせた、ブリヂストン製のタイヤを装着していて(通常のハイウェイスターはTOYOタイヤ製)、リーフやアリアといった電動車そのものに近く、低速域から中速域までスムーズで滑らかな加速をする。
エンジン発電も頻度が少なく、また発電中でもエンジンノイズが車内に侵入する量は非常に少なく感じた。高速道路の合流をイメージして強めの加速をすると、エンジン発電音はやや大きめに車内へと響き渡るが、それでも非常に静かな部類だ。ルキシオンは、ハイウェイスターからさらなるノイズ対策を施したそうで2列目にも座ってみたが、前席以上に静かな印象」と語っている。
e-POWERルキシオンの見積もりをとってもらったが、メーカーオプションはプリズムホワイト=4万4000円、100V AC電源=5万5000円。ディーラーオプションがドラレコセットアップ=6050円、後席専用モニター(HDMI)=12万2760円、ベーシックパックプラス=14万2721円を装着し、メンテプロパック54=14万3530円、税金・販売諸費用込みで558万4391円と出た。
車両本体価格が368万6100円のe-POWERハイウェイスターVに、セットオプション(55万1100円)を装着し、家族用の後席モニターやフロアカーペット類、メンテプロパックを合計すると税金、諸費用込みで526万4522円となってしまった。
もちろん、装備類を減らしていけば、ここまでにはならないが、最先端の装備類を付けたい思いが先行すると、前述したように、装備全部入りのルキシオンが安く見えてしまうのだ(もちろん安くはないが)。
ということで、ハイウェイスターVのほぼフルオプションか、ルキシオンを迷っている人は、じっくり営業マンと一緒に研究してほしい。
■次期モデルはもうない? エルグランドはこのまま売るのか?
では「キング・オブ・ミニバン」を謳い、生産から12年以上が経過するエルグランドはこの先どうなるのか?
ちなみに11月1日の一部改良では、排ガス、騒音規制強化に伴う法規対応のための改良のほか、抗菌仕様のシートの採用、フロントマスクやリア、アルミホイールのセンターキャップ、ステアリングなど、新しい日産CIのロゴに変更。
今回のセレナルキシオンを設定したので、エルグランドを廃止にするんじゃないかと思っている人も多いのではないだろうか。
複数の日産関係者に話を聞いてみたが、どうやらエルグランドに次期モデルはありそうだ。
次期型はプラットフォーム&基本コンポーネントを新開発し、新開発の2.5リッター直4マイルドハイブリッドと新型エクストレイルと同じ1.5リッターターボe-POWERを搭載する方向で開発を進めているようだ。
新型エルグランドの登場時期は1~2年後になる見込み。早ければ2023年秋頃になるという。期待して待ちたい。
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投稿 約480万円の衝撃! 新型セレナの先進装備満載の豪華グレード「ルキシオン」がヤバい! これがあればエルグランドはいらない!? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。