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Image:scannio/Shutterstock.com

米連邦通信委員会(FCC)は25日、中国ファーウェイやZTEなどが製造する新たな通信機器の販売および輸入を禁止すると発表した。これら企業の関連製品は、今後はFCCの認証が得られなくなる。

その理由について「国家安全保障上のリスク」をもたらす恐れがあるため、と説明されている。浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)や杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、中国海能達通信(ハイテラ・コミュニケーションズ)製品も対象となる。

昨年11月に米バイデン政権は、安全保障上の脅威となる通信機器の認証を許可しないようにする「安全機器法」に署名して成立させた。今回のFCCによる発表は、それを実行に移すものだ。ただし、すでに米国内に輸入・販売されている機器は影響を受けず、これまで通りの扱いとなる。

FCCは声明で「信頼できない通信機器が国内で使用を禁じることで、国家安全保障の保護に取り組んでいる」「新しい規則は、電気通信に関わる国家安全保障上の脅威からアメリカ国民を守るための我々の継続的な活動の重要な一部」だと述べている。

もっとも、これらの企業からの通信機器が完全にブロックされるわけではない。FCCは特に「公共安全、政府施設のセキュリティ、重要インフラの物理的監視、およびその他の国家安全保障の目的」に関連する機器に焦点を当てると付け加えている。これらの企業が、通信機器を政府向けに販売していないと証明できれば、今後もFCCの認可を受けられる可能性もある。

今回の発表は、ここ数年にわたり中国の大手IT企業を米国市場から閉め出す、あるいは米国のハイテク技術を中国に渡すことに歯止めをかける最新のものである。たとえばバイデン政権は、10月7日に先端半導体技術分野に関して中国への輸出規制を強化しており、そのためNVIDIAが中国向けのスーパーコンピューター用チップをわざわざ弱体化させていた

しかしファーウェイなど、中国メーカーの通信機器は米国製より安価なため、資金力に乏しい中小企業や地方政府にとっては半ば不可欠になっている、という現実がある。

たとえばハイクビジョンは米Reutersに「FCCの決定は米国の安全保障を守ることには何の役にも立たず、米国内の中小企業や地方当局、学区、消費者らにとってより有害であり、自分自身や家、会社、財産を守るための費用が膨らむ」との声明を発表。その上で、米国の規制を「完全に順守」して米国の顧客に引き続きサービスを提供すると述べている。

もしも厳密に法律を守れば、米国民に深刻なしわ寄せがおよぶ可能性もある。米中ともにハイテク覇権戦争を繰り広げつつ、落とし所を探っているのかもしれない。