”Slim 7i Pro Xは優れた構成オプションとパフォーマンスを提供します”
良い点 | 悪い点 | 評価 |
重量対性能比率の高さ | ディスプレイの輝度はもう少し高くても良い | 9.6/10 |
美しい3Kディスプレイ | RAMは交換・増設不可 | |
すっきりとした全面メタルデザイン | WebカメラはFHD止まり | 価格 |
非常に良い音質 | 1450ドル〜 |
Lenovoの新しい「Slim 7i Pro X」は、Intelの第12世代HシリーズのCPUとNVIDIAの専用GPUを組み合わせることで大きな威力を発揮する、Lenovoの薄型軽量の一般消費者向けラップトップシリーズに追加された優れた製品です。これにより、Slim 7i Pro X(iはIntelの略)は、超コンパクトなラップトップを求めるクリエイティブユーザーにとって非常に魅力的なラップトップとなっています。
モバイル性の高い形で優れたマルチメディアやゲーム体験を楽しみたい消費者は、このラップトップを候補の一つに入れる必要があるでしょう。ビデオ会議等の一見ありふれたタスクもAIコンピューティングの恩恵を受けることが出来るため、専用GPUはゲーム以外のより多くの領域で大きな利点をもたらします。
Lenovo Slim 7i Pro Xのスペック
今回のレビューに使用したモデルの構成は、次の通りです。
Intel Core i7-12700H(14コア)
16GB RAM(2x8GB、取り外し不可、6000Mhz)
512GB SSD
NVIDIA RTX 3050
RAMは32GB、SSDは1TBまでアップグレードすることが可能です。
記事執筆時点での価格は1499ドル前後と推定されています。Lenovo.comでは、大幅な値引きやオトクな情報が提供されることがあるので、買い物をする時にチェックすると良いでしょう。
CPUオプション
Intel Core i7-12700H (2.3 GHz, 14 Cores, 24M Cache)
Intel Core i7-12650H (2.3 GHz, 10 Cores, 24M Cache)
Intel Core i5-12500H (2.5 GHz, 12 Cores, 18M Cache)
GPUオプション
NVIDIA GeForce RTX 3050 4 GB GDDR6 VRAM
NVIDIA GeForce GTX 1650 4 GB GDDR6 VRAM
Intel Iris Xe
製品デザイン
Slim 7i Pro Xのデザインは一般消費者を意識したもので、スマートフォンやタブレットを連想させる丸みを帯びた薄い筐体のおかげでエッジの効いた外観になっています。これは、最近レビューした「Lenovo Slim 9i 14」に似ています。フルメタルの本体は閉じた時の剛性が非常に高く、スリムなディスプレイによってグラつきは最小限に抑えられています。
つや消しの表面は指紋が付きにくく、数週間経っても傷は見られませんでしたが、傷をつけるために意図的にひっかく等のテストをしたわけではありません。
全体的にクリーンな仕上がりで、さらに重要なことにその綺麗さを保っています。レビュー機はシルバーですが、より落ち着いた印象のダークグレーも用意されています。
電源ボタンは右側にあり、LED搭載で本体から少し出っ張っているおかげで使いやすくなっています。暗闇では電源ボタンを見つけるのが難しい場合があるので(照明が消えた飛行機内や講演会場等)、これは良いディティールです。プライバシーを重視する人のために、電源ボタンの近くにはWebカメラのオン/オフを切り替えるスイッチもあります。
重量は1.45kgで薄くて軽いですが、手に持った時には重みを感じるので、高級感があります。
キーボードとトラックパッド
Slim 7i Pro Xには、最も複雑なジェスチャーを使用するユーザーや、トラックパッドの精度と優れたエルゴノミクスを求めるユーザー向けに、巨大なトラックパッドが搭載されています。Lenovoの14インチラップトップで見た中で、最も特大のトラックパッドに見えます。
キーボードは以前のYogaラップトップシリーズから実質的に変更されておらず、常に僅かな違いはあるものの、全体的な品質と感触は同じままです。触覚フィードバックとキートラベルの深さは快適です。書類内のナビゲーション等で頻繁に使用するため、小さな上下矢印キーは唯一改善してもらいたい点です。
ポート類
これほど小さなラップトップにしてはポート類が非常に充実しており、フルサイズのUSB及びHDMI 2.1ポートはあらゆる人にとって便利です。より高速な接続のためには2つのThunderbolt 4ポートが用意されており、自宅と職場の両方でドックとの接続が簡単に行えます。ラップトップにUSB-Cケーブルを1本接続するだけで、デスクトップのように周辺機器を使えるのは非常に便利です
HDMI 2.1
Thunderbolt 4 x 2
USB-A x 1
3.5mm オーディオジャック
Webカメラ(物理シャッター付き)
サウンド
2WのHarmanスピーカーを2基搭載しているおかげで、このラップトップは大音量、クリアな音声、歪みのない非常に優れた音質を実現します。これは、薄型軽量ラップトップの中で最高のオーディオ品質というわけではありませんが、入手出来る最高のオプションの1つであることは明らかです。エンターテインメント、クライアント向けのデモ、またはグループビデオ会議に最適です。
ディスプレイ
3つのディスプレイオプションは、全て3K(3072×1920)の14.5インチ120Hzディスプレイを備えています。1080pではPPIが少し低く(ゲームには問題ありません)、4Kは過剰でバッテリーも消費するので、これは素晴らしい選択だと思います。もちろん、ディスプレイは片手で開けることが可能で、ほぼ180度まで開いて平らに置くことが出来ます。
どの構成でも、仕様と性能は同じです。
IPS LCD、400ニトの輝度、1.0未満のDelta-E(完全な色)、sRGB100%カバー、NVIDIA G-SYNC、Dolby Vision認定、TUV低ブルーライト。
これらは高性能のディスプレイ仕様であり、特に一般消費者向けの価格では文句の付けようがありません。
専用GPUとNVIDIA G-SYNC120Hzディスプレイを組み合わせることで、このラップトップはゲームに非常に適しています。特に、最新のグラフィックス(レイトレーシング等)を使用しないものをプレイしない場合、FPSは最高値に達する可能性があります。NVIDIAのDLSSは、その点でかなり役立ちます。
Webカメラ
Lenovoには、IR(赤外線)センサーとデュアルマイクを備えた1080p FHDのWebカメラが含まれています。IRセンサーは、長くて非常に安全なパスワードを入力する代わりに、Windows HelloでPCのロックを解除するのに最適です。指紋リーダーは見たことがないので、この場合は顔認識が最適なオプションです。
パフォーマンス
専用GPUはグラフィックスベンチマークに大きな違いをもたらします。Intel Core i7-12700Hは、以前テストした新しい「Lenovo X1 Carbon Gen10」等のオフィス作業向けラップトップでよく見られるIntel i7-1260P等のCPUよりも優れたパフォーマンスを提供します。
モバイルGPUのNVIDIA RTX 3050により、このラップトップは速度/重量の性能比率が世界クラスとなっています。ちなみに、これはNVIDIA Studio認定のラップトップです。
そのため、Slim 7 Pro Xは高い機動性を必要とするクリエイティブユーザーや専門家向けの非常にコンパクトで高性能なワークステーションと見なすことが出来ます。画像処理に最適な優れたディスプレイオプションと32GBのRAMによって、それはさらに強化されます。
私達の調査によると、ほとんどの人はSlim 7i Pro XのIntelモデルとAMDモデルを比較することに関心があるため、ThinkPad X1 Carbon Gen10とLenovo Slim 9i 14のデータとともに、これらの数値を見ていきましょう。
また、価格と重量の観点からパフォーマンスを見ると、優れた結果が得られ、ウルトラモバイルワークステーションの方向性がさらに検証されます。SSDのディスク速度でさえ、コンシューマーラップトップに匹敵するというよりも、法人向け製品に近いものになっています。
全ての結果は、様々な構成の違いから期待されるものとまったく同じです。少し驚いたのは、Cinebench R23とGeekbench 5 CPUにおける、Slim 7/7i Pro XのIntelモデルとAMDモデルの予想外の違いです。
これらの数値は、Intel製CPUが一般的に優れていることを示唆していますが、Cinebenchを頻繁に使用している場合は、代わりにAMDモデルを検討したほうが良いかもしれません。
スリムなデザインにも関わらず、筐体はテスト中もそれほど熱くはなりませんでした。表面温度は約44℃で、触った時に少し熱いと感じる程度でした。さらに、このラップトップはゲーム用ラップトップほどうるさくないため、例えばクライアントに資料等を見せるのにも適しています。
バッテリー
70Whのバッテリー容量は、同程度のサイズの薄型軽量製品よりも大きくなっています。ただし、より高性能で消費電力の大きいシステムをサポートするには、さらなるバッテリーが求められます。そのため、このラップトップには100Wの電源アダプターが付属していますが、これはUSB-Cコネクタがサポートする最大値に近い出力となっています。
PCMark10 Modern Officeのようなベンチマークで表されるように、約6〜7時間の事務作業を行うことが出来るはずです。ただし、バッテリー持ちを延ばしたい場合は、ディスプレイのリフレッシュレートを120Hzから60Hzに下げると、15〜20%長持ちします。
性能が劣る他の薄型軽量14インチラップトップは、11〜14時間のバッテリー寿命を実現しますが、多くの場合、1080pディスプレイに加えてはるかに低速なCPUとGPUを備えているため、比較することは出来ません。実際には、動画視聴以外でそれほど長い時間ラップトップを使用する人はほとんどいません。Lenovoは、このラップトップがローカルファイル(ストリーミングではない)のビデオを12.5時間連続再生出来ると主張しています。
まとめ
Lenovo Slim 7i Pro Xは、超機動性を求めるクリエーター向けに明確に設計されており、優れた構成オプションとパフォーマンスを提供します。特に、より多くのセキュリティとIT機能を備えた法人向けラップトップと比較すると、価格も魅力的です。
潜在的な顧客の中には、4Kディスプレイを好む人もいるかもしれませんが、14.5インチのラップトップには少しやり過ぎにも思えます。
最後に、強力なGPUの恩恵を受けるかもしれないアプリを使用していて、それを知らない可能性もあるため(例えばZoomにおけるNVIDIA BROADCASTの利用)、クリエイティブの専門家ではないとしてもSlim 7i Pro Xはオススメです。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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