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 まもなくのフルモデルチェンジがウワサされている日産 セレナだが、じつはガチで近々デビューのようで現行モデルのグレードが一気に縮小されたのだ。選べるのは人気のハイウェイスター2種とオーテックモデルだけ!!

 昨年追加され人気だったXVエアロも姿を消したのだ。5ナンバーで派手な見た目と一定数から支持されていたのに、なぜ残さなかったのか!? そしてまもなく登場する見込みの新型セレナは一体どうなる!? もしやノア/ヴォクシー、ステップワゴンみたいに全車3ナンバーとなるのか!?

文:渡辺陽一郎

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フツー高いモデルを先に廃止するも日産 セレナは逆!! 上級モデルのみを残す謎

ステップワゴンにノア/ヴォクシー、さらにはシエンタと売れ線ミニバンが軒並みフルモデルチェンジを果たした2022年

 2022年は「ミニバンの年」だ。1月にはノア&ヴォクシー、5月にはステップワゴン、8月にはシエンタがフルモデルチェンジを実施し、セレナも近々新型になる見込み。ノア&ヴォクシー、ステップワゴンと併せてミドルサイズのミニバンがすべて刷新されるわけだ。

 セレナは今後、どのようなスケジュールで新型になるのか。販売店に尋ねると「セレナは2022年の秋頃にフルモデルチェンジを受ける予定だったが、新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻などが影響して発売が遅れている。そこで生産終了を控えて、取り扱うグレードを制限するようになった。今販売しているのは、ハイブリッドのe-POWERを搭載するハイウェイスターVとe-POWERオーテックのみだ。5ナンバーサイズの標準ボディは、既に生産と販売を終えた。ノーマルエンジン(スマートシンプルハイブリッド)も選べない」という。

 フルモデルチェンジが近付くと、グレードを次第に減らすのは決して珍しくない。通常は販売比率の低い上級グレードを中心に廃止するが、セレナは以前からエアロパーツを装着するハイウェイスターが人気であった。パワーユニットもe-POWERが好調であるため、e-POWERハイウェイスターVを最後まで残したのだ。

 ちなみにハイウェイスターVは、最初は2017年に特別仕様車の「ハイウェイスターVセレクション」、標準ボディは「X・Vセレクション」として設定されている。ハイウェイスターVセレクションは、ハイウェイスターをベースに、LEDヘッドランプ、両側ハンズフリーオートスライドドア、16インチアルミホイール、日産オリジナルナビ取り付けパッケージなどを割安に装着して人気を高めたモデルである。

 この特別仕様車は、2018年9月の改良でカタログモデルに変更された。名称もハイウェイスターVセレクションII、標準ボディはX・VセレクションIIと改められている。

 一方、2018年2月に追加されたセレナe-POWERは、最初からe-POWERハイウェイスターV、e-POWER・XVを用意して、装備を充実させながら価格を割安に抑えていた。

 そして2019年のマイナーチェンジで、e-POWER、ノーマルエンジンともに、5ナンバーサイズの買い得グレードをXV、エアロ仕様の3ナンバー車はハイウェイスターVというグレード名になった。

セレナの3列目に注目! 前後スライドがないモデルを先に終売へ

 セレナのグレード選びで注意したいのは、3列目シートの前後スライド機能だ。最上級のe-POWERハイウェイスターG、買い得なハイウェイスターV、廃止された標準ボディのXVには装着されるが、それ以外のグレードは採用していないのだ。

 3列目にスライド機能が付くか否かの違いだけなら単純だが、実際は3列目の足元空間まで変わってしまう。3列目が固定されたシートより、スライド式を後端まで寄せた方が、足元空間が広がるからだ。この違いが3列目の居住性に与える影響は大きい。

 セレナは3列目の快適なミニバンに位置付けられ、多人数で乗車するユーザーも多い。3列目のスライド機能はセレナのコンセプトに係わる大切な装備だから、これを割安に標準装着するハイウェイスターVとXVは、メーカーも推奨していたのだ。そこでe-POWERハイウェイスターVが、最後まで販売されている事情もある。

XVエアロがまさかの落選!! 5ナンバーの割安モデルが買えない状況に

XVエアロは5ナンバーサイズであるうえ、高額なハイウェイスター並の派手さが魅力であった。事実販売面でも好調であったため、廃止はショッキング!!!!

 ただし特別仕様車のXVエアロは、最後まで残して良かった。設定されたのは2021年11月だから、販売期間も短い。しかも標準ボディのXVをベースにハイウェイスターと同様のエアロパーツを装着したから、外観はカッコ良く、価格はe-POWER・XVエアロが340万3400円と割安。e-POWERハイウェイスターVの358万2700円に比べて約18万円下まわるのだ。

 なお新型シエンタは、Z以外のグレードに特定のメーカーオプションを加えたりすると、生産開始が2023年4月以降になる。クラウンクロスオーバーも「アドバンスト」の付かないグレードを選ぶと、生産開始が2023年1月以降に遅れてしまう。これらのトヨタ車は、セレナとは逆に、生産の開始時期に選べる仕様を限定した。この理由も半導体などの供給不足で、今はさまざまな我慢を強いられている。ユーザーの対策としては、早めに商談を開始する程度しかない。

新型セレナも全車3ナンバーか!? 日産からコンパクトミニバンが消滅の危

かつてキューブキュービックやリバティや写真のラフェスタなど、5ナンバーサイズのミニバンを数多くラインアップしていた。新型セレナ登場後はコンパクトミニバンが日産から消滅する可能性も

 なお新型セレナのグレード構成は、ノア&ヴォクシーやステップワゴンと同じく、3ナンバー車のみになりそうだ。従来型の売れ筋が3ナンバー車のハイウェイスターだから「もはや5ナンバー車にこだわる必要はない」という見方が根強い。

 しかし国内の乗用車の売れ行きを見ると、軽自動車に5ナンバーサイズのコンパクトな車種を加えれば、国内販売総数の70%に達する。イメージや好みも含めて「5ナンバーサイズのミニバン」を希望するユーザーは多い。ノア&ヴォクシーやステップワゴンが3ナンバー車になっても、トヨタには5ナンバーサイズのシエンタ、ホンダにはフリードがあるが、日産には同様の選択肢がない。強いて挙げればNV200バネットの16X-3Rはあるが、ほとんど売られていない。この点も考えると、5ナンバーサイズのセレナは相応に大切だ。

新型セレナも全車e-POWERに!! プロパイロットの大進化に期待

 新型セレナのパワーユニットもe-POWERのみになりそうだ。最近登場した日産の新型車は、コンパクトカーのノート、SUVのキックスやエクストレイルなど、すべてをe-POWERにしてノーマルエンジンは設定されていない。

 この背景にあるのは、いわゆる選択と集中だ。ノーマルエンジンを廃止して、開発や生産を合理化する。日産の商品企画担当者からは「バリエーションを価格の高いe-POWERに絞ると、内装などにもコストを費やして、質感を高められる。しかし安価なノーマルエンジンを用意すると、ここまで上質にはできない」という話も聞かれる。

 日産の関係者の話によると新型セレナは、プラットフォームなどを刷新しない可能性が高そうだ。そうなると床の位置も従来型と同様で、路面から床までの高さは、スライドドアの部分で460mmくらいに達する。ノア&ヴォクシーは380mm、ステップワゴンも390mmだが、セレナは床が高く、サイドステップ(小さな階段)を使って乗り降りする必要がある。

 その一方で、実用的にはシートアレンジが充実して、プロパイロットなどの運転支援機能も制御が向上する。従来型ではプロパイロットの操舵制御が曖昧で、車両が直進しにくく左右に振られやすかったが、新型モデルはこれらの欠点を解消させる。従来型セレナのユーザーが新型に試乗すると、機能の向上を実感できるだろう。

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