メルセデスベンツ日本がEQSとEQEを発表した。どちらも新開発のEV専用プラットフォームが使われた電気自動車で、税込み価格はEQSが1578〜2372万円、EQEが1248〜1922万円。EQSは本日から、EQEは11月からデリバリーが始まる。これによって国内で販売される同ブランドのEVは5車種に増え、国内最多タイとなる。
EQSはハッチゲートを有する2BOXクーペ、EQEは純粋な3BOXセダンに仕上がっている。EV専用プラットフォームのおかげでフロントノーズは短く、キャビンフォワードのシルエットが与えられている。とくにEQSは量産車世界トップのCd値0.20を実現。
EQS 450+ は後輪に333psのモーターが、AMG EQS 53 4MATIC+ は前後にモーターが搭載されていてシステム出力は658psに達している。航続距離は前者が国内で販売されているEVの中で最長となる700km、後者は601km。バッテリー容量はどちらも107.8kWh。
EQE 350+ は後輪に292psのモーターが、AMG EQE 53 4MATIC+ は前後にモーターが搭載されていてシステム出力は625psをマークしている。航続距離は前者が624km、後者は526km。バッテリー容量はどちらも90.6kWh。
バッテリーにおけるニッケル・マンガン・コバルトの使用比率は8:1:1で、残容量70%の性能保証が10年もしくは25万kmにわたって付帯される。
また、日本向けには車外に電力を供給できるV2H/V2Lが採用されている。
内装には12.3インチのメーターパネル、17.7インチの中央インフォテイメント画面、さらに12.3インチの助手席用ディスプレイが備わっている。センタートンネルが不要になったことでコンソールがフローティング式に仕上がっている点も見逃せない。
会見に臨んだ上野金太郎社長は「待望の中型・大型モデル導入でEV販売の攻勢をかけていきたい」と意気込みを語った。また、EV販売の現場については「補助金制度の安定化やインフラ整備がまだまだ必要。消費者がEVを買わない理由をスラスラ言える状況を打破しないといけない」「すでに導入したモデル(EQAやEQCなど)は供給が不十分で数を用意できず、必ずしも順調とは思っていない。供給が追いつかないのが歯がゆい」「日本は欧米と比べてEV普及の進捗が遅れていると感じる」とコメント。こうした状況を改善してキチンと売っていくためにも世界で初めてメルセデスEQの専売店を横浜市に開設することも発表した。
報道会見が行われた都内の六本木ヒルズでは10月2日までマイバッハやAMGも含めた幅広いラインナップを展示するメルセデスベンツ・ブランドエキシビションが10月2日まで開催される。その後、10月8日からは大阪でも行われる予定で、EQブランドを含む最新モデルが間近で見られる。