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大空に向かって深呼吸した二千花は体を起こした。世之介もまた体を起こすが、濡(ぬ)れた背中には砂がこびりついている。 「あのさ、実は私、余命宣告受けてるんだよね。……長くてあと二年」 二千花は唐突にそう言った。自分でもほとんど無意識だった。 なので二千花は自分でも慌ててしまって、 「そ…