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19インチ、20インチも珍しくない! 最近やたら大型化中のタイヤサイズはどのようにして決められるのか?

 ちょっと前まで、タイヤサイズといえば215/45R17あたりのトレッド幅、ホイール径がスポーティモデルでも標準的なサイズで、225/45R18ともなれば、太くて大きいタイヤって印象だった。

 でも最近じゃ19インチも当たり前、20インチだって珍しくない。クロスオーバーサイズとはいえ、新型クラウンのタイヤは225/45R21だ!! 21インチだよ? シビックタイプRの265/30R19だって強烈な太さだ。30という扁平率も最近では珍しくなくなくなった。

 で、そのタイヤ、どうやってサイズが決まっているの? タイヤにまつわる最新事情を掘り下げて解明していくことにしよう!!

※本稿は2022年9月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月26日号

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■そもそもクルマのタイヤサイズはどのようにして決められるの?

新型シビックタイプRのタイヤサイズは、前型の245/30R20から265/30R19と、ワイドトレッド化される一方、インチダウンされた。外径を変えることなくワイド化するためのサイズ選定だ

 一般的なコンパクトカーやミニバン、セダンなどであれば、車重、さらにコーナリング時にかかる荷重を受け止める「耐荷重」を重視してタイヤサイズが決められる。

 耐荷重性は負荷能力、すなわち「ロードインデックス」という指標で示されており、各タイヤ、サイズごとに示されている。

「255/40R19 100Y」といったようにタイヤサイズは示されるが、この例で言えば「100」がロードインデックス

 内圧240kPa時に最大800kgの負荷能力を持つ。

 逆に言えば、新車装着タイヤのロードインデックスを下回るタイヤは、交換時に装着できない。

タイヤのサイズ表示はトレッド幅はmm表示なのに対しホイール径はインチ表示というのが面白い。ロードインデックス、速度表示については別表をご参照いただきたい。『145R13』のように扁平率が示されていない表記もあり、この場合の扁平率はスタンダード値の「82%」となる

 そのうえで各車、フェンダー開口部のサイズ、ハンドルの切れ角などの要件によって外径の最大値が決まってくる。

 上記サイズであれば外径は687mmだ。

 最近の傾向としては、大型ブレーキを装着するために、ホイール径を大きくとるクルマが多い。

 トレッド幅と外径を一定にしながらホイール径を大きくするためには、おのずと扁平率が小さくなる。

 扁平率のスタンダードは82%。扁平率とは、トレッド幅に対するサイドウォール高さの比率を示すもの。

 最終的にはトレッド面の接地面積がタイヤのグリップ性能となるので、外径とトレッド幅の比率から、必要な接地面積を満足できるトレッド幅を決定していくことになる。

 シビックタイプRは前型では245/30R20だったものが新型では265/30R19となったが、これは外径を大きく変化させないままトレッド幅を大きくしたかったため。

 インチダウンしながら幅を広げたことで、縦方向の接地も増加させている。

フェアレディZはFRらしく前後異サイズを装着。後輪は275/35R19、前輪は255/40R19を履く

■タイヤはどこまで太くなる?

 これはもう、自動車が重たく、大きくなれば、結果的に荷重を受け止めるタイヤはそのために大きくなっていく、という傾向に歯止めはきかないだろう。

 ハイパワー……というよりも大トルクをパワーユニットが発揮すれば、それを受け止めるグリップ力を得るためにもワイドトレッド化が進むのだ。

 これ、内燃機関車よりもEV時代になって、より顕在化する要件だ。EVはバッテリー重量が大きく、同カテゴリーの内燃機関車に対して100~200kgも重量が増加する。

 起動時に最大トルクを発揮するモーター動力ではエンジン車とは異なるタイヤ性能が求められることになる。

 乗用車用タイヤにもすでに315/25R23だとか、335/30R23などというサイズも市販されている。

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