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Image:LL_studio/Shutterstock.com

iPhoneの双方向ワイヤレス充電、つまり「iPhoneの背面から、別のiPhoneやAirPods充電ケースに充電できる」機能は数年前から噂されてきた。この技術に関するアップルの特許出願が公開され、いよいよ新型iPhoneに実装される見込みが高まったとの推測が出ている。

将来のiPhoneに双方向ワイヤレス充電機能が搭載されることは、有名アナリストMing-Chi Kuo氏も3年以上前から主張していた。またアップルも昨年、MacBookやiPadでApple WatchやiPhoneを充電できる特許を出願していたことがある。

双方向ワイヤレス充電は、数年前から一部のAndroidスマートフォン(ファーウェイのMate 20 ProやサムスンのGalaxy S10シリーズなど)に採用されており、すでに技術的には難しくないはずだ。そのためiPhone 12~14まで毎年のように噂が浮上しているが、いまだに実現していない。

さて、アップルの特許情報に詳しいPatently Appleは、米特許商標庁(USPTO)が公開した同社の特許に注目している。本特許は腕時計やスマートフォン、タブレットコンピュータやノートPCなど、ワイヤレス充電回路を持つあらゆる機器を網羅している。

そしてこの特許で興味深いのは、これらデバイスには「ワイヤレス信号を送信する能力とワイヤレス信号を受信する能力の両方」を備えていることだ。

たとえば「充電パックまたは他の無線送信装置から無線電力信号を受信」したり、「別の無線電力デバイス(例えば、別のスマートフォン)に無線電力を送るために使えるコイル」を内蔵していても良いという。要するにiPhoneから別のiPhoneにワイヤレスで給電してもかまわない、ということだろう。

実際に特許文書には、「背中合わせに重ねたiPhone(らしきスマートフォン)」の画像が添付されているのである。

なお、実はiPhone 12以降の純正MagSafeバッテリーパックは、Lightning経由で充電中のiPhone本体から電力の供給を受けられる。つまり、iPhoneからアクセサリー類への「ワイヤレス逆充電」はすでに実現しているのだ。

おそらくiPhone 14シリーズも、ハードウェア的にはワイヤレス双方向充電に対応しつつも、ソフトウェア的に機能が“封印”されていると推測される。iPhone 14 Pro Max等はバッテリー容量にも余裕があるが、出先でAirPodsやApple Watchを充電できるようになれば便利かもしれない。