多くの点で、地球上の深海よりも、何万kmも離れた深宇宙についてわかっていることの方が沢山あります。わずか5%の海しか観測されておらず、これを改善するために、MITのエンジニアはバッテリー不要の水中カメラを作り上げました。これは非常に魅力的なカメラで、深海探査を次のレベルに引き上げるでしょう。
電気工学及びコンピューターサイエンス学部のFadel Adib氏(画像左)、MITメディアラボのSignal KineticsグループのディレクターでリサーチアシスタントのWaleed Akbar氏(画像右)は、彼らのグループが開発したバッテリー不要のワイヤレス水中カメラを披露しています。
総合的な目標は、環境に注意の目を光らせ、汚染や気候変動による損害について警鐘を鳴らすことです。バッテリーの交換には費用がかかるため、カメラが補助無しで水中に留まることが出来る時間が最も重要です。
この課題を乗り越える為に、MITの研究者達は海の環境ノイズ(音響エネルギー)を電気に変換し、カラー写真を撮影してバッテリー無しでワイヤレスに送信出来るようにしました。このような機能により、研究者は定期的に回収する必要の無い場所にカメラを設置することが可能になり、新種の生物を発見出来る可能性が高まります。
そのエネルギーは、加えられた力を電気に変換する圧電材料によって収集されます。十分な電力が得られたら、それを消費して写真撮影と画像送信に利用することが出来ます。
通信システムは、標準のネットワーク技術よりもエネルギー効率が数桁(数千倍)高い後方散乱通信(バックスキャッタ通信)技術を使用した、圧電材料の恩恵も受けています。基本的に、エネルギーを放出して信号を送信する代わりに、デバイスは周囲のエネルギーを反射して(または反射せずに)、0と1のデジタル信号を送信します。
今のところ、このカメラは水深40mで通信可能で、これは”深海”とはみなされませんが、その性能をさらに強化するために多くの作業が行われています。バッテリー要らずの水中カメラを作ったことは、技術的偉業です。次なるステップは、それをさらに深い水中で機能させることです。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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