2022年シーズンのスーパーGTも残すは2戦。10月1〜2日に開催される第7戦『FAV HOTEL AUTOPOLIS GT 300km RACE』は、サクセスウエイト(SW)の搭載量が半減するなかでの戦いとなる。
全27台中、最も重いSW69kgを積む56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが今回もウエイトを感じさせない走りを見せるのか。また、車両重量の軽さを武器とするGT300規定車両(GTA-GT300)も有力候補に上がるなか、昨年17台抜きを果たした11号車GAINER TANAX GT-Rを有力候補に上げる声も少なくはない。
GT300クラスのランキングトップ6のうち、唯一今季未勝利の11号車GAINER TANAX GT-Rは、ランキング上位3台のニッサンGT-RニスモGT3勢のなかでは最も軽いSW53kgでオートポリス戦を迎える。
第6戦SUGOで今季2度目の2位を獲得し、ランキング7位から3位へと大幅にポジションを上げた11号車。2021年のオートポリス大会では78kgのSWを積むなか、22番グリッドから5位入賞を果たしている。それだけに、今年も上位入賞が期待される1台だ。
11号車のエースの安田裕信は「去年、11号車は78kgのウエイトを積んだなかで5位に入っていますが、今回も決勝はそこそこ行けるかなという手応えはあります。なんとか追い上げて、去年の5位あたりの順位でゴールできれば、ランキングトップ(56号車)に対し、ポイント差がかなり追いつくと思います。目標は6位以上でのゴールですね」と今大会の目標を定める。
「ただ、表彰台というのは……やはり普通にレースをしたら、(ウエイトの軽い)クルマが速いと思います。(ランキング上位を占める)GT-R勢は速いだろうと見られているのですけど、実際はレースでの取りこぼしが少ないだけであって、予選を見ればQ1落ちもしていますからね。だからこそ、今回もふたりで強いレースをしたいなと思います」
ウエイト感度の大きいオートポリスだけに、ウエイト(総重量)の軽いクルマは速いだろうと話した安田。なかでも、同じダンロップタイヤ勢であり、ランキング4位に続く61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの存在を警戒する。
シリーズランキング首位の56号車とはSWで16kg差。ランキング2位の10号車TANAX GAINER GT-RとはSWで10kg差と、トップ3のGT-R勢のなかでは11号車は優位性を持つ。しかし、シリーズランキング4位につける61号車BRZとの車両重量差(SW含む)を見ると、当然パワー差があるなかではあるが、97kg差となる。
「(BRZは)速いでしょうね。なので、僕らは決勝向きのタイヤで行こうと考えています。おそらく、スピードで勝負したら勝てないと思うので、安定したラップタイムをずっと刻み続けられるようなクルマ作りが、オートポリスには帳尻が合うような気はしているので、去年くらいのパフォーマンスは出せるのではないかと思っています」
今季から安田とコンビを組む石川京侍も「最近は速さではなかなか勝負ができていません。特に僕らは一発という点で苦しんでいるので、追い上げていくレースしかないとは思います」と語る。
「性能調整で絞られてストレートスピードも速くないですし、コーナーも見た目のとおりタイヤに厳しいクルマなので。ただ、うちはピット作業が早いので、そういった点も含めて、強いレースを見せて、前に行くしかないかなという感じですね。オートポリスはオーバーテイクができるサーキットなので、もし予選が駄目でも決勝でしっかりと追い上げができるかと思います。おそらくそれしか一花咲かせる方法はないかな、とは思います」
2021年、決勝で78kgのウエイトを感じさせない走りで17台抜きを果たし、5位入賞を果たした11号車GAINER TANAX GT-R。今年もその再現ができるか否かが、2022年のシリーズタイトル獲得に向けた大きな鍵となりそうだ。