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ジープ アベンジャーは完全な電気自動車であり、真の革命である。現在、ほぼすべてのジープが部分的に電気自動車になっているが、完全な電気自動車はまだない。アベンジャーは、それを変えるために、まったく新しいプラットフォームをベースに開発された。

ファンがいれば、成功する。そして、パフォーマンスを発揮しなければならないという健全なプレッシャーを感じている。「あれはまだ本物のジープなのか?」。これは、伝統あるブランドの新モデルが必ず我慢しなければならない問題だ。しかし、全長わずか4.08mの新型「アベンジャー」は、いくつかの点でモデルレンジに革命をもたらしているのである。

まず、技術的な面では、兄弟モデルとは何の関係もない。「EMP2」プラットフォームをベースにしている。なにしろ、ジープは、新しく設立された「ステランティスグループ(Stellantis Group)」の一員として、約2年間活動してきたのだから。このときすでにデザインは完成していたため、プラットフォームはグループのものに合わせる必要があったのだ。

今までにない電気自動車ジープ

2つ目は、「アベンジャー」がジープ史上初のオール電化車であることだ。技術的には、最高出力156馬力、最大トルク260Nm、そしてプラットフォームの兄弟である「オペル アストラ」や「プジョー308」と同様に前輪駆動になる。追って、全輪駆動仕様が用意されるのは確実だろう。しかし、同社はまだ、何を提供し、いくらかかるかについて、固く口を閉ざしている。

全輪駆動については、どのパワートレインを搭載するのか、まだ明らかになっていない部分がある。なにしろ、このプラットフォームの完全な電気全輪駆動車は、グループ全体に存在しないのだから。

全輪駆動車も計画されているようだが、現時点では詳細は未定だ。

航続距離390kmを見込む

いずれにせよ、「アベンジャー」のコンパクトなサイズは、オフロード走行の妨げになるどころか、むしろ有利に働くはずだ。ジープはランプアングルを20度、スロープアングルをフロント20度、リア32度、地上高は常に200ミリ以上確保することを約束している。重量も約1,540kgと、電気自動車の常識の範囲内に収まっている。

電気について: ジープは390kmの航続距離を目指しており、バッテリーの容量は54キロワット時で、そのうち51キロワット時が使用可能だ。100キロワットの充電ステーションに接続すると、24分間で20%から80%まで充電することができるようになっている。

インテリアは実用的で、かつ堅牢である

インテリアの基本レイアウトは、「オペル アストラ」など、同プラットフォームを使う他のクルマの面影を残す。10.25インチのスクリーンを2つ標準装備し、センタースクリーンの下には、エアコン操作に役立つボタンパネルが配置されている。

硬質プラスチック?たくさんあるが、ジープファンは伝統的にあまり気にしない。

また、ジープは大容量の収納スペースを随所に配置している。1つはダッシュボード全体に開いたもの、もう1つはシフトボタンの下に集中配置したものだ。硬質プラスチック? たくさんあるが、ジープブランドのファンは伝統的にそんなことは気にしない。ジープは、ダッシュボードが特に掃除しやすいことを約束している。

アベンジャーのラゲッジルームは380リットル、荷台の高さは720ミリだ。

「アベンジャー」のラゲッジルームは380リットル、荷台の高さは720ミリだ。これは「VWゴルフ」とほぼ同等であり、小家族には十分な性能である。

アベンジャーズにはサプライズがある

また、ジープのトレードマークとも言えるのが、「イースターエッグ(Eastereggs)」と呼ばれる、最初に見つけなければならない小さな隠し要素の数々だ。例えば、フロントガラスの下には、望遠鏡を持って空を見上げている子供がいて、おそらく冒険をしているのだろう。

この小さなテントウムシは、アベンジャーに搭載された数多くの「イースターエッグ」のひとつに過ぎないのだ。

リアウィンドウの内側に懐中電灯を当てると、リアワイパーの上に山並みのシルエットが見えるはずだ。「アベンジャー」号の屋根の上で待機する小さなテントウムシ。まだすべてを発見したわけではないはずだ。

アベンジャーの生産開始は2022年12月、価格は補助金を含めて3万ユーロ(約435万円)前後からとなる見込みだ。写真はフル装備の「ファーストエディション」で、価格は約4万ユーロ(約580万円)からとなる。

Text: Jonas Uhlig
Photo: Stellantis N.V.