米川千嘉子・選 (毎日新聞)

「おとこのひとにはわかるまい」の相談を男の顔をして聞いてみる 東京 真鍋真悟 <評>男性にはわかるまいという女性相談者。では「おとこのひと」とはどんな存在なのか。作者にもわからないのだ。 夜勤終え家で熱々のラーメンを共に食べおり介護士夫婦 須崎市 野中泰佑 <評>たまたま二人の夜勤が重……

第81期名人戦A級順位戦 豊島将之九段-糸谷哲郎八段 第19局の3 (毎日新聞)

中盤の難所 手将棋に引きずり込んだ糸谷は早指しが持ち味の一つだが、さすがに一手一手に時間を投入せざるを得ない難所を迎えている。図で糸谷にとっては長考に入る19分を消費して[後]2八馬と指したが、一目に映る[後]8四飛も有力だった。以下[先]7七銀で手が広く茫洋(ぼうよう)とした局面とな……

加藤治郎・選 (毎日新聞)

二の腕をくっつけたまま動かない愛ってたぶん動かないこと 名古屋市 杉大輔 <評>リアルな身体感覚である。愛をどう表すか。動かないこととは実感だろう。光景+心情という短歌の型を踏まえている。 靴下が落ちていてまた落ちていて二人暮らしのそういう孤独 札幌市 中村育 <評>二人の孤独を感じる……

第78期本因坊戦挑戦者決定リーグ 芝野虎丸九段-本木克弥八段 第2局の2 (毎日新聞)

大胆な捨て石作戦 芝野は白38に黒39とノビ、白40にも黒41と転じて、なんと右上五子を捨ててしまった。これは?にトンだときからの予定の行動であったらしい。ただし局後「捨てるには大き過ぎました」と反省の弁を語った。 黒41は参考図(1)、黒1以下もあった。白8まで取られはしても、黒a、白bから黒c……

キムタク信長、厳戒警備 岐阜・騎馬武者行列 46万人熱狂、大きなトラブルなく (毎日新聞)

俳優の木村拓哉さんが戦国武将の織田信長にふんしてパレードする「信長公騎馬武者行列」が6日、岐阜市で行われた。武者行列は「ぎふ信長まつり」の一環で、観覧エリアの抽選に外れた人も含め、約46万人が来場した。馬に乗った木村さんが会場の金華橋通りに姿を現すと、沿道に集まった観客から大きな拍……

伊藤一彦・選 (毎日新聞)

年ごとに柿三千個〓(も)ぎきしか夫の亡き後三十年近く 鶴岡市 佐藤繁子 <評>数字が説得力だ。秋になると、毎日柿をもぎ、皮をむき、翌朝干すのが日課。柿と共に、そして柿のおかげで元気な作者。 透明なパネルばかりの店にいて紗(しゃ)をかけられたように笑って 本庄市 北城椿貴 <評>透明とい……

篠弘・選 (毎日新聞)

後ろ手に鞄(かばん)持ち直す女子高生痴漢を避くるエスカレーターに 交野市 桜井一博 <評>上りのエスカレーターに立つ女子高生のけなげな防衛策。スカートをのぞかれないようにする動作は見るに忍びない。 長大なホームに列車一両が居心地悪さうにいま停車中 甲府市 村田一広 <評>よく見かける光……