見上げてごらん、夜の電線 国内外の「絶景」を発掘 (日本経済新聞)

夜、見上げる電線は色っぽい。繁華街のネオンや街灯で照らされた表面の被覆はつやつやしている。何より電線で送った電力で、電線自体が照らされる。そこにロマンを感じる。電線というと「景観を損ねる」といったマイナスイメージを持つ人が多いだろう。私は電線を眺めていると口は開きっぱなし、喉が乾……

米川千嘉子・選 (毎日新聞)

ほめてくれ愛してくれた思い出を着込めばライフ・ジャケットになる 和歌山 中西幸代 <評>失敗して落ち込んだり傷ついたりした時に、自分を救ってくれる思い出や経験があれば。文字通り「救命」なのだ。 古伊万里を扱うように受話器置くクレーム対応ようやく終えて 千葉市 深海泰史 <評>上句の比喩……

片山由美子・選 (毎日新聞)

白木槿(むくげ)魚の焼ける匂ひして 神奈川 新井たか志 <評>今日もシロムクゲが新しい花をつけ、一日が始まる。朝ごはんのおかずは焼き魚。平凡であることが貴重な日常もある。 秋草やワーズワースの雨の庭 池田市 〓倉明子 <評>秋の草花が咲き乱れる庭が印象的だったのだろう。雨がちな英国の湖……

小川軽舟・選 (毎日新聞)

私の言葉が私をさがしてゐる晩夏 千葉市 木村史子 <評>うそ偽りのない自分を表現したい。その思いを受けた言葉が私を捜すのだ。そんな詩作の夏がまた終わろうとしている。 打ち水をせし中華屋に労働者 調布市 田中泰彦 <評>労働者に親しまれて繁盛する町の中華料理屋。打ち水に主人のねぎらいの心……

篠弘・選 (毎日新聞)

ところどころ誤字あるものの亡き妻の家計簿に夜見入つてしまふ 糸魚川市 田鹿靜夫 <評>理容業を営む作者。夫の業務日誌からヒントを得て、夫人が家庭経営にふさわしい、行き届いた帳簿を残されたのか。 退職をして作りたる肩書の消えた名刺はまるで減らない 東京 野上卓 <評>特に役職者であった人……

中森明菜の再始動宣言は「本人の意思」 新事務所立ち上げ…パートナーの弁護士答える (サンケイスポーツ)

中森明菜歌手、中森明菜(57)が立ち上げた新事務所の弁護士が12日深夜、本紙の取材にメールで応じ、設立経緯や明菜の近況を明かした。2017年末のディナーショー以降、表舞台から遠ざかっていた明菜は、先月30日にツイッターで事務所の立ち上げを表明。突然の?再始動?宣言は真偽も含めて大きな話題とな……

加藤治郎・選 (毎日新聞)

ぼくはつまり ′ぼくが育てた怪物で ′父母が壊したおもちゃでもある. 赤磐市 石原健 <評>告白を聞いたような思いである。心の奥底から発せられた言葉だ。記号(′ .)は悲しいつぶやきのようである。 陸ガメに招待された竜宮は半地下のやや薄暗いBAR 枚方市 久保哲也 <評>おとぎ話の夢を打ち砕……

滝久雄 私の履歴書(12)原宿駅のファッション広告 (日本経済新聞)

新幹線は1964年の開業以来、改札内、ホーム、車内の広告が一切禁止されていた。これが解禁されたのが77年。国鉄幹部から「国鉄は赤字削減に頑張っていると見せるメディア受けする企画がないか」と内々に相談を受けた。私は東京駅の新幹線ホームから改札に降りる中央階段の上部(2ホーム4カ所)に広告の……

伊藤一彦・選 (毎日新聞)

微笑(ほほえ)んでいても元気でないことを気付く人などいないということ 奈良市 久保祐子 <評>外面で自分を判断される苦しさを歌う。精一杯の微笑を他人に見せているが、本当の自分に気付いてくれる人がいたらと。 真珠湾からミッドウェーは半年後ウクライナももう半年が経(た)つ 東京 富見井高志……

第9期会津中央病院・女流立葵杯三番勝負 挑戦者・上野愛咲美女流棋聖-藤沢里菜女流立葵杯 第2局の2 (毎日新聞)

黒、ちぐはぐに 第1局は手どころで秒読みが始まった藤沢。その反省からか、本局は上野よりも着手が速い。 鶴山淳志八段は「白48で参考図(1)、白1の手抜きは黒2が厳しい。白17のシチョウは黒18の逃げ出しが成立するので、白のツブれ形。白13で参考図(2)の白13と抵抗するのは、黒16、18が『タヌキの……