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高圧洗浄機でがんこな汚れを洗い流せ! コイン洗車場での高圧洗浄機の使い方と注意点

 長く新車同様の輝きを維持するうえで欠かせないのが洗車。しかし、いつもドライブスルー型の洗車機にお任せという人は多いはずだ。洗車機は手軽ではあるものの、こびりついた虫や細かい部分に入り込んだ汚れを落としきることは難しい……。

 そこでお薦めしたいのが短時間で細かい部分の汚れまできれいに落とすことができるコイン洗車場にある高圧洗浄機だ。ただし、使い方を間違えると逆にトラブルを招くこともあるので注意が必要だ。そこで今回は、知っているようで知らないことが多い、コイン洗車場やスタンドに設置されている高圧洗浄機を使った洗車の使い方と注意点を紹介する。

文/入江 凱、写真/写真AC

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高圧洗浄機を使って洗車をするメリット・デメリット

高圧洗浄機でがんこな汚れを洗い流せ! コイン洗車場での高圧洗浄機の使い方と注意点
洗車機はラクだが、車体の形状や汚れの頑固さによってはどうしても落としきれない部分が出てくるため、もう一度手洗い洗車をするハメになることも

■メリット
 まず、洗車場で高圧洗浄機を使った洗車をすることのメリットを紹介しよう。一番のメリットは簡単には落ちにくい頑固な汚れや細かい場所をすみずみまで洗いあげることができることだ。

 ドライブスルー型の洗車機は手軽さという点では軍配があがる。しかし、洗車機のブラシが硬すぎたり、劣化していると目には見えない微小な傷が付いてしまうことがある。微小な傷は光の乱反射を招き、色褪せの原因となってしまう。

 加えて、洗車後の仕上がりはどうしても「それなり」のものになってしまう。特にガラスの縁にあるモールの隙間に入った花粉や砂埃、入り組んだ構造となっているタイヤやホイールをはじめとする下回りに付着した泥やブレーキダストのような汚れは洗車機では完璧にきれいにすることは難しい。

 それではと、量販店やプロに洗車を依頼すると、クルマのサイズにもよるが、安いメニューでも1500円以上、ミニバンサイズにもなれば2000~3000円以上の費用がかかる場合もある。

 いっぽうの洗車場の高圧洗浄機であれば最も安い水洗いコースで300円程度から、ワックスを含んだ長めのコースでも1000円程度で済むのでコスパが良い。

■デメリット
 高圧洗浄機を使った洗車のデメリットは、時間に制限があることだ。そのため、カーシャンプーを先に泡立てておく、タイヤやホイールの汚れがひどい場合は予洗いしておくといった事前準備を行わないと、スムーズに洗車が進まず費用がかさんでしまう。

 洗車の途中で一時停止できるタイプもあるが、停止中も利用時間としてカウントされてしまうことが多いので一度始めたら基本的にノンストップと思ったほうがいい。

 またゴムや樹脂、塗装などの劣化が酷い箇所に高圧洗浄機を使用すると破損してしまう恐れもあるので注意したい。

洗車場での高圧洗浄機の使い方をおさらいしよう

高圧洗浄機でがんこな汚れを洗い流せ! コイン洗車場での高圧洗浄機の使い方と注意点
高圧洗浄機をかける順番はルーフ→ガラス→ボンネット→足回りといったように上から下へが基本。下から水をかけてしまうと上から汚れが流れ落ちてくるので二度手間になってしまう

 高圧洗浄機のコースはシンプルに水洗いだけのコースから撥水コートができるものまでピンキリとなる。選択したコースによってそれぞれの工程に使える時間は異なるので時間配分を間違えないように。ここでは洗車場におけるおおまかな流れを紹介する。

1.洗車スペースに入る前の基本
 洗車場へ行く前にまずは最低で1000円分くらいの100円玉を準備しておくこと。両替機があればいいが、場所によってはお釣りが出なかったり、100円玉しか使えないこともある。そんなこと……と思うかもしれないが、これはけっこう重要なポイントなのだ。

 洗車場に到着したら洗車スペースへ。洗車中に水がはねて隣のクルマに迷惑をかけないようにパーテーションで区切られている範囲内にきちんと駐車しよう。

2.カーシャンプーでタイヤ・ホイールの予洗いをする
 クルマを定位置に駐車したら洗車をスタート。まずはバケツに水を入れカーシャンプーをスポンジで泡立てよう。タイヤとホイールの汚れは落ちにくいため、タイヤ回り用のブラシを使って汚れを落としておく。

3.操作パネルでコースを選択する
 コースを選んでお金を投入したら洗車スタートだ。コースによって制限時間が決まっているのでここからは効率良く作業することが重要となる。そのため、お金を投入する前に必要な洗車道具をすべて用意してタイムロスがないようにしよう。

4.水洗いは上から下の順で
 基本的にどのコースを選んでも最初は水洗いから始まる。表面の大まかな汚れを落とす前にスポンジで擦ったりすると傷が付いてしまう可能性があるので水洗いをおろそかにしてはダメ。

 ルーフからガラス、ボンネット、トランク、サイド、バンパーのように上から下の順で洗い流していこう。下から洗浄すると、上部の汚れが下の方へ流れてしまうため、下を再び洗わなくてはならなくなることもあり、作業が非効率になってしまう。

5.汚れがひどい場合は手洗いを
 全体を水洗いが終わったら高圧洗浄機を一時停止し、泡立てておいたカーシャンプーを使用して車体の上から下の順番で洗う。高圧洗浄機からカーシャンプーが出てくるコースを選択してもいいが、虫のこびりつきなど、がんこな汚れがある場合は手洗いがお薦め。

 カーシャンプーが出るコースを選択した場合も上から下へと洗い進める。行ったり来たりすると効率が悪いので車体を1周するようにぐるぐる回って作業を進めよう。素早く作業をしないとすすぎへと切り替わってしまうので注意!

6.細かい部分にすすぎ残しがないように
 シャンプーが終わったら再び高圧洗浄機による水洗いでしっかりと洗い流す。ここでも上から下の順番で洗い流すのが基本だ。洗い残しがあると乾いたシャンプーが白くこびり付いてシミの原因になってしまうのですすぎは入念に。サイドミラーやドアノブ、ドアやモールの隙間などはすずき残ししやすいポイントなので特に注意しよう。

7.拭き取りスペースに移動
 洗車が終わったら洗車道具を片付けて速やかに拭き取りスペースにクルマを移動する。せっかくきれいに洗車しても水滴をそのまま乾燥させてしまうと水垢などの原因になってしまい台なしになってしまう。マイクロファイバータオルやセームタオルを使ってしっかりと拭きあげよう。

高圧洗浄機を使う際の注意点

高圧洗浄機でがんこな汚れを洗い流せ! コイン洗車場での高圧洗浄機の使い方と注意点
エンジンルームの中は大量の水に侵されることを想定して設計されていないため、洗ってしまうとコネクターの間に水が残って電気係のトラブルが発生するリスクが高まる

 汚れやシャンプーを洗い落とすのに便利な高圧洗浄機だが、その高い水圧ゆえに使い方を間違えるとクルマにダメージを与えてしまう。汚れを落とすのに夢中になって至近距離や同じ箇所に長時間放水し続けるのは厳禁だ。特に古いクルマの場合、劣化が進んだ塗装が剥がれてしまったり、ゴムや樹脂パーツが破損してしまうことがある。

 ディーラーのメカニックに高圧洗浄機を使用してはいけない箇所について質問してみたところ、ほとんどの箇所は使用しても問題ないが、エンジンルームは電装系などが集中しており、破損までいかなくともコネクターに水が残って劣化を招いてしまうといったリスクもあるので使用は避けたほうがいいとのこと。

 「エンジンルームを高圧洗浄機でなんて洗わないでしょ」と笑う人もいるかもしれない。しかし、電気系の不調を訴えて修理を依頼してくるお客さんに状況を聞くと、高圧洗浄機でエンジンルームを洗浄してから調子が悪くなってしまったと言う人は多いという。ネットなどでは高圧洗浄機で洗う方法などが多数紹介されているが、お薦めできない。

 ちなみに、ディーラーや専門店では、エンジンルームは洗車後には必ずコンプレッサーを使ったエアガンで細かい部分の水まで吹き飛ばすようにしているという。

 また、フロントグリルの中に向けて近い距離から高圧洗浄機を使用するのもNG。フロントグリルの中にあるエアコンのコンデンサー、ラジエターのフィンが潰れてしまう恐れがあるからだ。

洗車場は公共のスペース! マナーを守って利用しよう

高圧洗浄機でがんこな汚れを洗い流せ! コイン洗車場での高圧洗浄機の使い方と注意点
パーテーションで区切られた洗車スペース内に駐車し、高圧洗浄機を使用する際は周囲に水がはねないように気をつけよう

 コイン洗車場は週末になると混雑して順番待ちの列ができていることも多い。自宅の庭ならどれだけ洗車に時間をかけても問題ないが、コイン洗車場は多くの人が使う公共の場。次に使用する人や周りに迷惑をかけないように一人一人が配慮することで全員が気持ち良く利用することができる。

■作業が終わってるのに長居をしない
 たまに見かけるのが洗車は終わっているのに洗車スペースにクルマを置いたままスマホをいじったりしている人。洗車が終わったら速やかに拭き上げスペースへクルマを移動する。もちろん、拭き上げスペースでも長居をしないようにしよう。

■高圧洗浄機の使用中は周りのクルマに飛び散らないように注意する
 洗車スペースは高圧洗浄機の飛びはねを防ぐためにパーテーションで区切られていることが多いが、天井や床に近い部分は吹き抜けになっている場所もある。ルーフ部分に高圧洗浄機を使用する際に誤って水が飛び散ったりしないように注意しよう。またパーテーション部分からはみ出してクルマを停めていると水が飛び散りやすいので洗車スペースの範囲にきっちり収まるように駐車して洗車を行おう。

■エンジンストップ&BGMなしで
 作業中にクルマのエンジンをかけたままにしたり、大音量の音楽を流したりする人もいるが、気分が良いのは本人だけで近隣住民や周りの利用者にとっては騒音でしかない。24時間利用できるコイン洗車場もあるが、夜間や早朝に利用する場合には特に気を遣おう。

■ゴミを持ち帰る
 当然のことながら洗車場を利用した際に出たゴミは持ち帰ること。カーシャンプーの容器やペットボトルなどを放置するのは厳禁だ。タバコの吸い殻を排水溝に流したりするようなことも絶対にしないように。

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