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 三菱ふそうトラック・バスの「eキャンター」は、日本でも9月7日に発表されたばかりだが、さすがに世界戦略車種だけに、早くもヨーロッパで初公開である。

 9月20日(火)~ 25日(日)に開催される「 IAA Transportation 2022 」(ドイツ・ハノーバー)でフルモデルチェンジした電気小型トラック「 eキャンター」次世代モデルの欧州市場向け車両を発表。

 2022年第 4 四半期に欧州での販売開始を計画しており、量産開始は 2023 年を予定しているという。その概要をお伝えしよう。

文/トラックマガジン「フルロード」 写真/三菱ふそうトラック・バス


欧州市場向けeキャンター次世代モデルの概要

 三菱ふそうの電気小型トラック「 eキャンター 」は、当初ダイムラー・トラックグループ初の量産型電気トラッ クとして、 2017 年に発売された。

 走行時に排出ガスを一切出さず、振動や騒音が少ない「 e キャンター 」は、過去5年間で約450台が日本、欧州、北米、オーストラリアやニュージーランドで活用されており、累計走行距離は600万kmを達成している。

 今回発表された欧州市場向け車両は、 実に42種類のバリエーションを取り揃え、より多様な用途に対応するという。これは、動力取り出し装置 「電動 PTO」(ePTO)を搭載することで、レッカー車、ダンプ、またリアクレーン車など、多岐に渡る特装車両に設定が可能になったことが大きい。

 eキャンダー次世代モデルは、欧州では車両総重量4.25 トン~ 8.55 トン。ホイールベースは6種類から選択することができ、新しいモジュール式バッテリーコンセプトにより、ホイールベースに応じたバッテリー選択によってさまざまな走行距離を提示。

 最大容量のバッテリーでは、1回の充電で約200kmの走行が可能で、長距離を走行する用途に適している。また、現行の「eキャンター」と同様に、AC充電とDC急速充電が可能だ。

 さらに、欧州仕様車には衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト5(ABA5)」に加え、被害軽減ブレーキ機能を有する巻き込み防止機能「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」を新規搭載し、運転時の死角になりやすい車両の側面を監視して、巻き込み事故のリスクを低減し、衝突時の被害を軽減する。

新規市場にもeキャンター次世代モデルを投入

 三菱ふそうのカール・デッペン社長は、「欧州のお客さまにeキャンターの次世代モデルをお届けできることを大変光栄に思います。欧州13カ国を含む世界中のお客様の5年間の運用データと経験を分析し、より優れた製品をお届けします。さらに、お客様が電動化に移行する際に必要なeモビリティソリューションも提供していきます。世界が待ち望んでいた、柔軟で多様なゼロエミッションの都市交通を提供する準備が整ったと確信しています」と語った。

 なお、eキャンター次世代モデルは、今後数年間で新規市場である台湾、インドネシア、チリ、シンガポール、香港にも導入する計画だという。

 これらの市場拡大計画は、三菱ふそうとダイムラー・トラックが今後数十年にわたって、バッテリー式電気車両、または水素を燃料とした燃料電池車両に移行するにあたっての戦略的な計画のひとつであると定義した。

 グループの目標である2039年までに欧州、日本および北米地域の主要3市場で全ての新型車両をCO2ニュートラル(燃料タンクから走行時まで)化することにコミットしている。

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